当たりくじ
「におみくじ」には25枚に1枚の割合で当たりくじが入れてあります。(全部で270首なので、11枚の当たりくじが入っています)
「当たり」を引いた方には、リクエストをお聞きして、そのリクエストに沿った短歌を送ることになっています。
その短歌を送る際に「この短歌については、SNSで公開していただいても、していただかなくても構いません」と添えています。
おひとりめ
当たりを引いたおひとりの方が、お送りした短冊を自作で屏風風に額装した写真をアップしてくれました。
すごいすてき。
リクエストの内容は伏せますが、お送りした短歌は以下の四首。「あの」が多すぎるのは、僕も自覚していて気になりながらも、こうしか言いようがなかったのです。
その悔いで曇る幸せじゃないでしょう? あの頃のあの猫との日々は
あの猫が遺した置き土産だから心に空いた穴も愛しい
やさしさでひらくとびらがひらくのをとびらのむこうで待つ猫がいる
あの日々を抱えて生きてまた猫を抱えて生きていく道もある
おふたりめ
キャッツミャウブックスの安村さんの奥さまが当たり短歌をディスプレイしてくれていました。
ありがたい。
リクエストの内容は伏せますが、お送りした短歌は以下の三首。
もし猫に僕を殺める能力があっても猫と暮らせてしまう
僕が猫ならば理由もなく僕を保護する僕を信じられない
古来より猫は「孫の手兼自動給餌器」として人を見ている
さんにんめ
リクエストの内容は伏せますが、お送りした短歌は以下の三首。
人間に捨てられてなお人間を信じる猫よ ごめん、ありがとう
丸だけで描けそうな猫のいる家は幸せにしか見えない感じ
もう少し控えるべきだけど猫の食いしん坊は生きる才能
よにんめ
猫祭壇、すごい……。リクエストの内容は伏せますが、お送りした短歌は以下の三首。
一生が紐ならきみといた二十二年の箇所は暖色だろう
いないけどたしかにずっといる猫のやさしい気配 すごくあいたい
きみのいた二十二年は三千円で買えちゃいけない幸せな日々
ごにんめ
喜んでいただけて何よりです。
リクエストの内容は伏せますが、お送りした短歌は以下の三首。
しあわせがしあわせだから猫の目に映るあなたがしあわせでいて
いとしさが募り悲しくなるきみが前を向くとき横にいる猫
四倍の密度を生きる猫なのでひとの四倍しあわせも濃い