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#こんな仕事です/企画投稿

note仲間のカミーノさんがこんな企画を立ち上げました。
早速私も書いてみようかな。
2000字以内ってのが少々ハードル高いんだけど。
語り出したら止まらない性分なもので。
しかしこれも書くことの挑戦なのだ。いくぜ。

はい、私はアパレル販売の仕事をしています。
高校を卒業してからこれまで何度か転職しながら、そして結婚や出産など、間に何年かのブランクもありましたが、かれこれ25年ぐらいはやってるかな?

今の職場は15年になります。個人の会社で数店舗を運営しているうちの一店舗を、店長という立場で任されています。
店長職はただ売ればいいというものではありません。
接客販売の他にたくさんの仕事があります。

まず、取引先の20以上あるメーカーさんとのやり取り。バイヤーとしての仕事です。
シーズンごとに開かれる半年先の商品を発注するための展示会巡りは春夏シーズンと秋冬シーズン、それぞれ2回ずつ(回数はメーカーによりますが)開かれます。
各メーカーさんの展示会場に赴き、商品を一点一点吟味しながら、自分の店のテイストに合うもの、そして顧客さんの顔を思い浮かべながら色やサイズをチョイスしていきます。「このデザインはあの方に似合うな」とピンとくれば、その人に似合うカラーとサイズで発注するのです。結構細かい作業ですが、ここを適当にすると実際に入荷してきた時に商品をうまく捌けない事態になるので神経を使います。

商品の発注は自分の趣味嗜好に偏らないことが重要です。
いくらファッションが好き、洋服が好きだからと言って、それだけでは商売は成り立ちません。『好きなものに囲まれていれば幸せ』という自分一人が満足できればいいオーナーブティックではないので、展示会での商品発注は売上の明暗が分かれるとても責任重大な仕事として真剣に取り組みます。

店のカラーを出すのも大切ですが、セレクトショップならではの強みも活かさなければなりません。店頭において飾り映えのするもの、VMD的にそのシーズンらしいトレンドがわかりやすいもの、キャッチーなものも必要です。これは「売れるもの」とは別枠で考えなければなりません。一般的に売れそうなものばかりを並べても、抑揚のない、面白味のない品揃えになってしまい、魅力的な店にはならないのです。
「これは売るのは難しそうだな」と思っても、そのシーズンを象徴するようなデザインやカラーのものは躊躇なくオーダーします。その一方で定番的なものもやはり必要だし、色とサイズ展開のバランスも考慮する必要があります。

まずはこの展示会発注は、店長として一番重要な仕事のうちの一つと言えるでしょう。毎回緊張するし、とてもやりがいのある楽しい作業でもあります。

一つの店舗を任されるということは、売上の責任を伴うのは言うまでもありません。毎月予算達成のための何かしらの販売促進企画を立て、お客さまに出すDMの内容やデザインも考えます。
毎年初めにざっと一年間の企画の流れを考えます。コロナ以前はそれでなんとなくうまく回っていたのですが、コロナに入ってからは全く先が読めない状態が続いています。健康不安や異常気象、不景気や円安、物価高に伴う世間的な思想の流れが短い周期で変わっていくのです。エンドユーザーに関わる仕事なので、常に巷の情報をキャッチし、お客様との感覚のズレができないようにしないと、接客する上で重要な“共感性“を保つことが難しくなります。

ファッションはある意味“贅沢“であり、個人差によっていろんな考えがあります。それこそ多様性の時代。いくらいいものを提供していると言う自負があっても、お客様のニーズと合っていなければ簡単には売れません。
常に時代の変化に敏感で、世間一般の常識、非常識を認知し、その上でお客様に利益をもたらせる接客ができないと、なかなかモノが売れない時代であると言えます。

一時期の「安かろう悪かろう」の時代も終わろうとしてると感じます。
それだけユーザーの目は厳しくなっています。
特に40代以上の大人世代は、「長く愛用できる良いものを購入したい」という方が増えてきています。

「どうせ出かけないし、うちの中でおしゃれしても仕方がないから」と量販店やカタログ販売一択だった人たちも、「じっくりと話しながら自分に必要な良い
ものを見つけたい」とおっしゃるケースがこのところ増えてきていると感じます。長い時は1時間以上かけて、ゆっくりじっくりお話ししながらお選びします。洋服の話だけではありません。家族の話や仕事の話、時には相続や“お墓の話“にまで至ることも。

コロナ禍を経て、それだけ人は対話を求めているのだと実感します。
ある意味、この仕事は生活に密着した“身近なカウンセラー“の仕事でもあるのです。
病院へ行くほどのことでもなく、でも何か自分の話を聴いてもらいたい。
みなさんそんなふうに感じているのではないかなと。
口を揃えて言われるのが「百貨店では買い物がしにくい」。
なぜならそこには対話がないからだと。

接客業は字の如く人と関わる仕事ですが、常にその時代に合った、必要とされる接客ができるかどうかが重要なのだと思います。

売り場作り、スタッフ育成、シフト管理、等々他にも仕事はたくさんあるのですが、2000字を超えたのでこの辺で。

カミーノさん、初企画おめでとうございます!

#私の仕事 #み・カミーノ #企画投稿 #こんな仕事です




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