ライターのしごと#6「記者と英語」
私は米国の大学に留学し、10年以上米国に住んで仕事をしていたので、たまにこんな質問を受けます。
ライターに英語力は必要ですか?
以前返した答えは、必要というわけではないけれどあれば役に立つということ。例えば自分がスポーツライターだったら、他に優秀なスポーツライターさんはたくさんいるわけで、その中で生き残っていくのは大変なわけです。でも英語ができて米国のスポーツに詳しければ、米国で取材をしてアメスポに特化したライターになることも可能になるので、その分野に詳しくないライターさんとは競合しなくてもすむわけですよね。
とても優秀だったり誰にも負けない得意分野の知識があるライターさんなら英語力など必要ないと思いますけど、そんな自信もない私は「アメリカ」「英語」を生かす道を選んだというわけです。ニッチ狙いという感じでしょうか。
そんな私が最近は、1~2年に1度くらいTOEICを受けるようになりました。20~30代の頃は全然受けたことがなく、受けるようになったのは本当にここ最近になってからです。若い頃はTOEICのスコアなどなくても仕事があったので受ける必要がなかったのですが、今は「なんだ、おばさんか」と軽んじられそうなので、箔づけの意味も少しあります。それと最近は翻訳の仕事を頼まれることもあるので、英語関連のスコアを持っている方が便利という面もあります。
そこでこの11月にもTOEICをオンラインで受験しました。過去の受験はすべて都内大学の試験場で受けたので、オンライン初体験です。コロナ禍ですので、TOEIC試験もそのような受験形態で開催するようになってきたようです。今後はもっとこの形態が増えるかもしれませんね。
オンライン受験を経験していない方の参考になりそうなことを少し書きます。まずリスニング。これは時間内にマークシートにマークを入れないとページが変わってしまって後戻りができないので、少しでも考える時間を取ると時間切れでマークできなくなってしまいます。答えがわかっているのにほんのタッチの差でマークを入れられずで終わってしまったのがいくつかあって後悔…ということになるので気をつけたいところです。リーディングセクションは逆に、私の場合は時間があまってしまったので、もう少し考える時間を取ればよかったと反省。
ただオンラインのリスニングテストの場合、パソコンに向かって行うため、音源が近いので聞きやすかったです。広い試験会場での受験は、これまでの経験だと小型のラジカセでテープを流すケースがほとんどだったのですが、会場の真ん中あたりの席でも音が聞きづらい。十分に聞こえている気がしても、やはりすぐ目の前に音源があるのとは違って聞き漏らす音もあるのではないかということに、オンラインでやってみて気づきました。試験会場で受験する場合は、音源からできるだけ近い席に移るべきだと強く思います。
今回の結果は900点を初めて超え、リスニング465、リーディング445でトータル910点でした。900超えが目標だったので一応達成できました。これまでの最高は1年半ほど前に受けた試験の890点でした。受けるたびにだいたいスコアは上がるので、試験慣れは大事かと思います。
因みにTOEICの勉強というほどの勉強はあまりしていません。野球シーズン中にMLB中継を現地音声で観て、ほぼ毎日大量のMLB英文記事を読んでいるので、それが自然に勉強になっているかもしれません。あとは試験の1週間前くらいから問題集を少し見て出題の傾向は確認しておきますが、英語力のレベルアップができているとしたら、それはほとんどMLBのおかげです。
※写真はニューヨーク、マンハッタンを上空から©Shoko Mizutsugi