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東京が雨の日、日本海側は晴れ

ネイル終わり、外に出たらざぁざぁと雨が降っていた。空模様を見て念の為にもってきたビニール傘は、どうやらとても役に立ちそうだ。

視線を落とすと、黒々と光るアスファルトの滑り台を雨粒達が集まって流れていく。それは嬉々として遊ぶ愉快な光の粒子にも、物理法則に逆らえず流されるだけの悲しげな物体にも感じられた。

雨粒たちから目を離して、雨の香りをまとう、湿った空気を深く吸い込んだ。吐いた空気が白い煙になって散っていく。すいこむ、はく、すいこむ。そうしているうちに、体内の水分量がちょっぴり上がって、いつもよりしっとりした私になったような気がしてくる。

今日、東京で久しぶりの雨が降った。それは私が''東京は連日晴れているではないか''と自覚してから、丁度5日目の事だった。

私は基本的に晴れた日が大好きだ。自分のことも晴れ女だと思っているし、実際重要なイベントが雨だったことはほとんどなくてラッキーだ(思い込みと言われたらそれまでだが)。ファンマークも「☀️ᵕ̈*」にしちゃうくらいなんだから、筋金入りの晴れ好き女である。

毎日晴れならはっぴーな私だけど、最近新潟にお住まいの方から聞いた話が、私の思考を少し変えた。「日本海側は、最近毎日のように雨や雪が降ってるよ」と。東京が晴れなら、こっちは大体雨が降ってるからね と続いた。

言われてみると、そんなような事を中学の時に習ったような気もしてきた。本州の中央にそびえる山々に冬の風が当たって、日本海側には雲ができる...とかだったような。

東京が晴れている間、日本海側では冷たい雨や雪が降り続いている。その事実に改めて気づいた時、「こちらが晴れている間、向こうは大変なんだ」と考えるようになった。その日から晴れが5日間も続いたもんだから、なんとなく気まずかった。こっちばかりすみませんね、と。

だから、今日の雨は嬉しかったのだ!雨が降ったということは、日本海側はきっと晴れたんだ。「いやぁ久しぶりに晴れたねぇ」「傘がなくて助かるね」なんて話しているかもしれない。

もちろん、自分だけの視点で考えれば雨は少し憂鬱だし、足も濡れるし、気分が沈むこともある。でも、日本海側の人たちに思いを馳せることで、雨の憂鬱さは随分と和らいだ。

東京で雨が降る日、日本海側では誰かが青空を見上げてほっとしているかもしれない。そのつながりに気づくと、世界が少しだけやさしく感じられる。そして、私の心にもほんの小さな晴れ間が広がるのだ。

そうして、私は新潟の天気を、念の為、一応、確認した。

「曇り時々雨」

世界はそう上手くはまわっていないようだった。

しっとりとした私は空を見て
頬に伝った雨をぬぐった。(1094文字)


旅するメイド屋さんです。顔はXでわかります。読んだ、くらいの既読感覚で、気楽ににスキしてくれたらうれしいです🫶





以下ももてん荘限定 、とてもどうでもいい話!
(急に語り口変わるじゃんね)

晴れ女談義をしようや、の回と
この写真のスタンプなしが見れます(笑)

2019年の秋に写真部の友達に撮影してもらったの!これくらいしか雨の日の写真なかった笑

やばい、かなり芋っぽすぎる〜!!(🍠•᎑•🍠)

コンカフェキャストぶりたくて、こんな派手な服を初めて買ったんだよねぇ。ToAliceのやつ!憧れてたから嬉しかったけどやっぱり恥ずかしかったどきどきの記憶。笑


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