「九十歳。何がめでたい」 身近な人を思い浮かべながら
草笛光子さん主演の「九十歳。何がめでたい」を観てきました。
思いのほか、とても良かったです。
ネタバレはありません。
映画をご覧になる前でも後でも、お読みいただけると幸いです。
エッセイの映画化
佐藤愛子さんの同名エッセイの映画化。とのこと。
不勉強ながら、佐藤愛子さんのこともエッセイのことも存じ上げなかったので、本屋さんでパラパラと立ち読みをしてから映画館へと向かいました。
パラパラ立ち読みしてよかったのは、たまたま読んだエッセイのシーンがいくつか映画に登場していたこと。おそらく、全編、エッセイの内容をアレンジして作られたのだろうなぁと思います。ばらばらのエッセイを1本の映画に組み上げた構成力に感心いたします。
安心して楽しめる
実在の人物が描いたエッセイが元になっている以上、ストーリーに劇的な展開はありません。現代の日本のありふれた日常が描かれています。
でもそれが良かった!
海外の映画は、海外であるというだけで非日常を体験できます。
さらに時代が違ったり、他の惑星だったり、モンスターに襲われたりと、むしろその「非日常性」を楽しむことができます。
でもこの映画は違います。
自分の日々の暮らしや経験と重ね合わせて、映画の登場人物と具体的な身近な人物とを重ね合わせて、「自分ごと」として観ることができました。
役者の皆さんの演技も巧く、安心して観ていられる。
メインキャストから脇役まで、誰ひとり浮いた感じがしないのは本当に良かったです。実は結構すごいことだと思います。
祖母よ
個人的には、映画の上映中ずっと、90代の自分の祖母を思わずにはいられませんでした。
ここ10年くらいは老いが止まったかのように元気だった祖母ですが、ちょっと前に家で転倒して怪我をしてからはすっかり弱ってしまいました。先月からは施設に入っています。あぁ、会いに行かなくては。
まとめ
現代の日本で暮らす大人の皆さんにおすすめしたい映画です。
歳を重ねている人ほど、面白く感じられるのではないでしょうか。
ずっと安心して観ていられるし、役者の皆さんも面白いし、あなたの身近ないろんな人の顔が浮かぶ映画じゃないかなぁ、と思います。
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