岡山県立邑久高等学校で『やさしい日本語』の授業をしました ♪♪
瀬戸内市国際交流推進協議会 三木です。
先日岡山県立邑久高等学校で『やさしい日本語』の授業をさせていただきました。この記事ではその報告をします。
岡山県立邑久高等学校で実施
岡山県立邑久高等学校(以下 邑久高)は、当会が位置する瀬戸内市役所本庁から徒歩約3分…とても近くにあります。
3年生の『キャリアスタディ』という授業の1コマ分をいただき、『やさしい日本語』についてお話してきました。
目玉焼きに何をかけますか ー やさしい日本語の導入前に多文化共生の話
これまでは、多文化共生についてある程度知っている方々を対象に講座をしてきました。しかし今回の対象は高校3年生とあり、
『多文化共生とは何ぞや?』
について触れてから『やさしい日本語』についてお話することにしました。
『多文化共生とは何ぞや?』の話をするのに、目玉焼きを例に取り、「目玉焼きに何をかけますか?」という質問を教室に投げかけました。
好んで使う調味料は、各家庭の文化の表れだと思います。しょうゆ、ケチャップ、マヨネーズ、塩…と、いろんな回答が集まりました。
たとえば、”目玉焼きにしょうゆをかける人”と”ソースをかける人”、”塩をかける人”が話をしているとします。お互いに主張しあっているだけではケンカになってしまうかもしれません。
しかし、互いの主張を尊重し、「どんなふうにおいしいの?」と質問をしてみたり、試してみたりすれば、目玉焼きの新しい楽しみ方を見つけられるかもしれません。
こんな風に、文化を調味料にたとえて『多文化共生社会では、互いの文化や文化から生まれる考え方を尊重します。』と説明しました。生徒の皆さんが真剣に耳を傾けてくださったので話し甲斐がありました。
国際交流員によるリスニングワーク
邑久高でも瀬戸内市国際交流員のヒポリットさんによる『リスニングワーク』をしました。外国語でも簡単な語でゆっくり言ってもらえば大体の意味はわかるものです。
メインは『やさしい日本語で説明しよう』
そして今回のメインは『やさしい日本語で説明しよう』のワークでした。 6班に分かれ、各班に1枚日本語の単語カードを配りました。そして、このようにワークを進めました。
単語の説明を『やさしい日本語で』考える(3文で説明できるように)
『やさしい日本語で』単語の説明をヒポリットさんにする
ヒポリットさんが何の単語か当てられたらOK
45分というかけ足の授業でしたが、とても内容の濃いものになったと思います。
授業後アンケートの結果
授業後にアンケートを取りました。アンケートの最後に、回答必須ではない自由記入欄を設けていたのですが、そこに寄せられた生徒さんの声を紹介します。
今までは、こんな機会はめったになくやさしい日本語を知らなかったしあまり興味もなかった。初めてやさしい日本語って聞いたときに何にそれって思ったけどやってみたら楽しくて難しい分もあったけど楽しくできた。
もっと多くの人に多文化共生について発信した方が良い。
これからもっと広がっていくといいなと思います。いろいろな国や文化の人たちが一緒に生活することで、お互いの考え方や習慣を知ることができるし、偏見や差別も減っていくと思います。
他にも、「よかった」「楽しかった」「バイト先に外国人がいるから意識してみます」など、短文でも感想を共有してくれた生徒さんもいらっしゃいました。
このやさしい日本語の授業は、邑久高の校長先生はじめ、複数の先生方が参観してくださいました。見守ってくださっているような気がしてありがたかったです。このような授業をご提案くださったY先生も、どうもありがとうございました。
この授業のワークで使用した『やさ日クイズカード』
『やさしい日本語で説明しよう』のお題となる日本語単語です。
全21語載っています。若年層向けの日本語単語も含まれています。
例)救急車、健康保険証、まつエク
『やさしい日本語による説明に適した単語』をいくつか例に挙げる、となると意外と頭をひねらないといけないので、よろしければ参考にしてください。