経験・想像・共感から生まれる『自分ごと』
それまで他人事であったのに、ある日突然自分ごとに置き換わることってありますよね。
他人事のように戦争をみていたけど、物価の高騰など間接的な影響が及ぶようになり、ようやく自分ごととして受け止めることができた人も少なくないのではと思います。
10月8日にはクリミア橋が爆破されたことが報じられました。ロシア本土とクリミア半島とを結ぶ全長18.1キロの鉄道道路併用橋で、ロシアがこの地域をクリミア共和国として実効支配した後で架けられた橋です。現時点では、誰が、どんな目的で、どうやって等の詳細は不明ですが、ロシアにとっては、重要な補給路が断たれたことになり、かなりの痛手といわれています。驚いたのは、ウクライナでは、早速爆破されるクリミア橋の記念切手が発売されているということ。4月にロシアの巡洋艦『モスクワ』が沈没した際も同様に記念切手が売り出されたそうです。
この戦争の現状を客観的に見れば、「ウクライナが盛り返してきた」といえるのかもしれません。ただ、クリミア橋の爆破で3名が亡くなられたとも報じていました。「戦争とはそんなもの」と言ってしまえばそれまでですが、確実に兵士だけでなく、民間人も命を落とし続けています。そんなロシア人だって、戦地から離れたところでは他人事だった人たちも、徴兵令が出た途端に自分ごととなり戦地に赴きたくない人はその場から逃げることになります。
日本にいるともっと他人事でも、小麦等の輸入品やガソリン、天然ガスの高騰が戦争の影響となれば、そうとも言っておれなくなる。ましてや北朝鮮からのミサイル発射が相次ぐ現状では、好むと好まざるとに関わらず、他人事では済まされない現実があります。
今の時代、やはり早めに自分ごとに置き換えておいた方がいいようなことばかりかもしれません。他人事を自分ごとに置き換えることができれば、災難を未然に防ぐことだって可能であり、色んなことが上手く行くような気がします。
そのためには何が必要なのでしょう?
私は『経験値』と『想像力』、『共感力』ではないかと考えます。
経験に勝るものはないとはいえ、限界もあることから、思いを馳せる想像力を働かせることも大事。そしてどんなに経験し、想像できたからといって、共感する力がなければ自分ごとには置き換わらない、そう思います。それら三つを培いながら自分ごととして考える。平和な社会を築くためにも必要なことではないでしょうか。