賃金が上がらない国!?
台風一過の今朝、透き通るような青空が一面に広がっていました。気温もぐっと下がり、散乱した落ち葉や小枝を出かける前に集めたところ汗ばむこともなく、気持ちのいい朝を迎えました。そんな爽やかな朝、先行きに不安を感じさせるニュースが目に飛び込んできました。
「8月の全国消費者物価指数2.8%上昇
増税の影響を除くと30年11カ月ぶり」
家庭で消費するモノやサービスの値動きをみる8月の全国の消費者物価指数は、変動の大きい生鮮食品を除いて去年より2.8%上昇。消費税増税の影響を除くと何と30年11カ月ぶりで、原油価格の高騰や急激な円安が原因とのことでした。もう少し詳しく見てみると、生鮮食品を除く食料が4.1%上昇、エネルギーは16.9%上昇。エネルギーのうち、ガソリン価格はピークアウトしたものの、電気代21.5%、都市ガス代26.4%の上昇と、エネルギー全体を押し上げています。
30年11カ月前といえば1991年7月、バブル経済崩壊直後であり、失われた20年がスタートした時期でもあります。土地や住宅、株式などの資産と実体経済との乖離(かいり)は、当時とは異なるのでしょうが、似ているようでもあり、経済の先行きを見通すだけの見識が不足しているとわかっていても、懸念は高まります。
ある方から聞いた話で、今日はとあるスーパーの週に一度の特売日。そんな日は、すぐに駐車場が満車になるので、オープンの少し前には並ぶようにしているとか。売り場にはあちらこちらに行列ができていて、特に混雑していたのが玉ねぎ売り場。8月の雨の影響もあってか、最近では玉ねぎのほかにも、大根やにんじんなど根菜の値段が上がっています。物価上昇に対する防衛策で、それぞれ大変です。
閣議では、ガソリンなどの燃油補助金の年末までの延長や、住民税非課税世帯への5万円給付を含む、予備費3.5兆円の支出が決まりました。このまま物価の上昇が続けば、十分とはいえない水準です。物価2%上昇は、日銀がインフレターゲットとして長年目標としてきたもので、給与水準も上昇させることで景気の好循環を目指してきました。「賃金が上がらない国」ともいわれた日本は今後どうなるのでしょう。人件費に直結する外食や家事関連、理美容等のサービス物価が上昇しているとのことで、賃金アップの兆しとも受けとれるようですが、しばらくは厳しい状況が続くことを覚悟した方がよさそうです。
せっかくの爽やかな朝が、急に曇天に変わったかのような一報でした。