ロシアをめぐる制裁のカオス
ロシアのウクライナ侵攻は激しさを増しています。
昨日は、プーチン大統領と国防相が、マリウポリ制圧について話す映像が流れました。国内向けのプロパガンダなのでしょうが、ロシア兵士への配慮を示しつつ、鉱業地帯の完全封鎖を命じるその冷徹な姿に、憤りを超えて気持ちが悪くなりました。できるだけ物事を多面的に見よう、偏った情報に流されないようにしよう、そう心掛けてきましたが、日に日に憎悪の感情が募り、冷静さを保てなくなってきているのがわかります。
少し前にこんな記事を見つけました。
ウクライナ侵攻直後、国内でロシア人留学生の就職内定が取り消されたというものです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/1be6c6164ef9f93e48650a5a2d78839a56563324
皆さんはこのニュースを聞いてどう思われますか?
「ロシアのウクライナに対する行為は許されないので当然」
「それとこれとは別」
私は後者です。
それでは、なぜ企業は内定を取り消したのでしょうか?
憶測ですが、企業として批判を受けないこと、企業イメージを優先した結果なのだと思いました。
また、宿泊受け入れをめぐるこんな記事もありました。
ある旅館が、ロシア人とベラルーシ人の宿泊受け入れを停止する旨をHP上に掲載し、行政指導を受け、謝罪し削除したというもの。謝罪文では「戦争を止めたい思いの強さゆえにとった行動だった……」とあります。企業イメージというよりも、正義感が昂じてとった行動なのでしょう。
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_625689f2e4b066ecde0d75f7
テニスのウィンブルドン選手権ではロシアとベラルーシの選手を出場禁止にしたようです。スポーツの世界ではオリンピックなどでもこのような対応が行われ、物議を醸すことになります。
これらを見て、あらためてどう思われますか。
怒りの感情も時には必要だと思います。正義感がなければ悪がはびこることになる。ただそこには、一定の冷静さは必要であり、偏見や差別は決して許されるものではありません。怒る矛先を間違えれば、正義感を振りかざしているつもりが、いつの間にか自らが加害者になっていることだってあります。
私自身が冷静さを失いかけているように感じているだけに、自らに言い聞かせるつもりで書いてみました。