【授業紹介】実習・展覧会編
はじめに
みなさまこんにちは。オカヤマでございます。年が明けて早くもひと月が過ぎ、仙台は心なしか春が近づいてきているように感じます。毎年花粉症に苦しむ私は既にくしゃみが出始めております・・・。
今回の話題
さて、今回は展覧会について取り上げた、実習の授業の様子をお伝えします。展覧会を開催するにあたって一体どのようなことを考えるのでしょうか。
展覧会準備
東日美では基礎実習の授業があり、そこでは実際に作品を用いて美術品の扱い方や学芸員の実務について学びます。
今回の授業では教室内に実際に作品と解説を展示する、模擬展覧会を行いました。具体的には以下のような作業を行いました。
①解説板を作る
今回の授業までに、私たち生徒は展示する作品について、作者や画題を調べ、解説文に起こしました。今回はそれを印刷し、発泡スチロールの板に貼り付けて解説板を作成しました。
私は板に紙を綺麗に貼り付けることができず、何度も失敗してしまいました・・・。一つ一つの作業の難しさを痛感しました。
②作品を展示する
解説板が完成したらいよいよ展示です。今回は掛け軸8点の展示を行いました。大きさの違う掛け軸をいかに展示すればよいのでしょうか。
・高さを調整する
掛け軸を掛ける高さはどのくらいがよいのでしょうか。杉本によると、身長155cm~160cm程の人が見たときに、目線の高さに来るくらいとのことでした。
実際に調整しながら位置を決めていくと、少し場所を変えるだけで随分と作品の見やすさが変わることに気が付きました。身を以て展示の仕方の重要性を感じました。
・解説板を展示場所へ
作品を設置したら、①で作成した解説板を置いていきます。対象の作品の横に解説板を置くのですが、他の作品とのバランスや観覧者が見る順番などを考慮し、板を置く場所を決めていきます。
作品の展示は以上で完了です。実際の展覧会よりははるかに少ない数の展示ですが、気を付ける点が沢山あり、非常に大変な作業でした。改めて、展覧会ができるまでの苦労は並々ならぬものがあると感じました。
観覧する
さて、展示作業が完了したら、観覧者の視点に立ち実際に観覧していきます。順路に従って作品を観ていくと、やはり見やすい。作品の高さが一定で、少ない目線の移動でじっくりと作品を観察することができました。
解説も文字の大きさや漢字のふりがな、分量など適切で、非常に読みやすいと感じました。
解説文を読むのにエネルギーを要すると、どうしても作品観察がおざなりになってしまいます。それを避けるために、必要十分な情報を盛り込まなければなりません。少なすぎても解説の意味をなさず、多すぎても疲れてしまう。そこの塩梅がとても難しいなと感じます。
さいごに
今回は展覧会の設営について学び、私たちが見る展覧会の裏側を一部垣間見ることができました。私自身発見の多い有意義な時間となりました。
皆さまお付き合いいただきありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします!
【参考】
Twitter:noteの更新をお知らせしています!
YouTube:講義を期間限定で配信中!杉本の特別企画もあり、美術史についてより深く学ぶことができます。そして何より、ここで取り上げた講義を実際に聞くことができ、気軽に体験授業を受けることができます!