【過酷】第103回サッカー天皇杯のトーナメント都道府県予選から繋げてみた【FCガンジュ岩手は天皇杯の夢を見る】
我らがアルビレックス新潟、本日8月30日(水)に天皇杯準々決勝を戦います。
相手は川崎フロンターレ、今年はリーグ戦で1度対戦があるのみ、その時は伊藤涼太郎のゴールで1-0での勝利でした。
4回戦終了後の準々決勝の組み合わせ抽選で1番を引いたことにより、アルビレックス新潟は一応準決勝までホームスタジアムが使えることに。一応。
準決勝の開催日は「新潟シティマラソン」の実施が既に決まっており、もし勝ち進んだ場合の開催場所は未定となっている状況。市陸?国立?
まあそれは勝ってから悩みましょう。
天皇杯の醍醐味
本題。アルビレックス新潟はここまでレイラック滋賀(JFL)、カターレ富山(J3)、町田ゼルビア(J2)と各カテゴリのチームと戦ってきました。(しかも対戦した当時、いずれも各リーグで首位争いをしていたチームとの対戦)
このようにカテゴリの枠を超えての対戦があることが天皇杯の醍醐味であり、下位カテゴリのチームが勝利することを「ジャイアントキリング」と呼び、大会を盛り上げています。
今年はJ1の18チーム、J2の22チーム、アマチュアシードのHonda FCがストレートイン、残りは各都道府県予選を勝ち上がった47チーム、の計88チームがトーナメント方式で戦います。
この都道府県大会がとにかく大変…。
「ジャイアントキリング」の功労者である都道府県代表を決める都道府県予選が本当に過酷…。出るだけでも素晴らしい選手たちをどうにかねぎらってあげたい…。
そうだ、トーナメント表全部繋げちゃおう。
都道府県予選から繋げたトーナメント表
というわけでできたトーナメント表がこちら
残念ながら解像度の限界を超えてしまいました。ちょっとした暗号です。
一応アルビレックス新潟はトーナメントの左上、288行目にいます。勝ち残ったチームのセルは黄色で塗りつぶしてあるのでとても分かりやすいですね…。
これが勝ち上がるとこうなるわけです。
(ちなみに)トーナメント表作成に際してのルール
・静岡県予選のノーシードチームが都道府県大会決勝までの道のりが最も長く、これを基準としてトーナメント表を作成。
(都道府県大会決勝は8回戦、本戦1回戦が9回戦に相当する)
・社会人/大学生予選等事前大会が存在し、かつ決定方法がトーナメント方式で反映しても静岡県予選を超える試合数にならないときはトーナメント表に追加。
(さかのぼろうと思えばキリがなくなるので基準を設けました)
・絶対に制作を諦めないこと(これが一番大事)
せっかく作ったので、ここからは都道府県予選に見られる大会進行パターンを紹介したいと思います。
都道府県予選に見られるパターン分析
①J3チームラスボスパターン(青森・福島・富山・静岡・奈良・鳥取・香川・福岡・鹿児島・宮崎・沖縄)
そもそもJ3リーグと並行して天皇杯の予選に参加するにはある程度J3チームの試合数を絞る必要があり、実績を加味して決勝から登場する「超ウルトラスーパーシード」(類義語:バファリンPREMIUM DX)の形が取られることが一般的。
都道府県予選の決勝戦がGW最終日付近に一斉に開催され、その週末はリーグ戦を行わないことでJ3チームは日程を消化している。
②決勝がただのJ3パターン(神奈川・愛媛)
去年はJ3でダービーが乱立していたためこのパターンも多かったが、結果としていわきと藤枝が昇格し、神奈川と愛媛の2県だけに(長野は後述)。公平を期すためにJ3所属でありながら天皇杯予選の準決勝から登場することになり負担が大きい。
(ちなみに4月下旬にもまたリーグ戦のない週が存在し、そこで準決勝を消化することになる)
どちらかが昇格すれば上がった方は天皇杯ストレートイン、残った方も翌年①のパターンになる可能性が高く、J3リーグのモチベーションにもつながる。(現状愛媛FCがリーグ首位)
③J3の中で何故か格差があるパターン(長野)(②の亜種)
これに関しては良く分からないが、長野パルセイロが準決勝から、松本山雅は決勝から登場、というもの。しかも準決勝からの会場は松本山雅のホームスタジアム、アルウィン。
(2022年の出場チームを決める予選では、大会が始まってから松本山雅のJ3降格が決まり、急遽1試合追加され、そのレギュレーションが2023年も維持された形)
これだけ松本山雅贔屓なトーナメントにも関わらず、結果はパルセイロの勝利。ありがとう、シュタルフ悠紀。これではスタジアムDJに「J3の居心地はいかがですかぁ~~??」と言われても仕方なし。
④J3降格による生態系破壊パターン(岩手・沖縄)
これも仕方のないことではあるが、J2→J3への降格により、JFL以下のチームの本戦出場が厳しくなってしまうケース。現に今年はいわてグルージャ盛岡、FC琉球ともに本戦に勝ち上がっている。
特に岩手大会はFCガンジュ岩手が前年度覇者の富士大学にリベンジを果たし決勝まで勝ち進んだこともあり、グルージャの降格がなければ天皇杯に出場できていたのではないだろうか。喧嘩別れしたチームに天皇杯出場を邪魔された形となり、不運な結果となった。
⑤大学生めちゃ強パターン(大阪)
大阪大会はJ3のFC大阪、JFLのFCティアモ枚方、その他関西社会人代表と大阪社会人代表が1チームずつ、大学代表が2チームで争われた。
その中で関西大学は準決勝でFCティアモ枚方、決勝でFC大阪を破っての本戦進出、本戦2回戦では浦和レッズに残業を強いた。
今後も大阪府代表は難なく本戦1回戦を勝ち、今度はジャイアントキリングを起こしてくれるだろう。
⑥ラスボスJFL以下チームパターン(宮城・愛知・徳島・高知・長崎・大分)
J3チームのいない都道府県において、JFLのチームがラスボスの役割を担うケースも多い。また徳島県のFC徳島は四国サッカーリーグ2シーズン連続優勝、長崎県のMD長崎は長崎県リーグで19シーズン連続で3位以内に入るなど、都道府県単位では頭一つ抜けているとこのようなケースになる。
結果的に長崎県を除く5県でラスボスチームが勝利し(いやMD長崎負けたんかい)、4県が本戦1回戦突破。ヴェルスパ大分は大分トリニータに勝利、高知ユナイテッドはガンバ大阪・横浜FCに勝利し、今大会を一番盛り上げたチームとなった。
⑦決勝がただのJFLパターン(三重)
JFLにもあった同県ダービー。この試合に勝ったヴィアティン三重は本戦1回戦でガイナーレ鳥取に勝ち、2回戦では名古屋グランパス相手に2-3とあと一歩まで迫った。彼らなら浦和レッズの乱入を止められたかもしれない…。
⑧社会人vs大学生パターン(北海道・茨城・埼玉・東京・京都・岡山・広島)
都市部でよくあるレギュレーション。都道府県予選をさらに社会人と大学生に分け、それぞれの代表を戦わせるもの。
(本来都道府県予選と銘打つのは社会人vs大学生になってからが多いが、多くのチーム数を取り上げるためにその手前からトーナメントへ反映しています)(だからトーナメントが見えなくなるんだろうが)
広島県は4チームずつ参加のトーナメントで1回戦が必ず社会人vs大学生となるように組まれ、結果として決勝までの7試合すべてが社会人vs大学生の試合となった。全国でも珍しい、社会人と大学生の実力がかなり拮抗した県となっているようだ。
⑨子どものケンカに親が出てくるパターン(栃木・岐阜・群馬)
「栃木シティU-25」を倒したら「栃木シティ」が出てくる、
「FC岐阜SECOND」を倒したら「FC岐阜」が出てくる、
「tonan前橋サテライト」を倒したら「tonan前橋」が出てくる。
いずれも本戦出場は親。親は強し。皆さんも親を大切に。
まとめ
早いところではもうすぐ来年の天皇杯出場権をかけた戦いが始まります。
https://www.nagano-fa.or.jp/wp-content/uploads/2023/08/2023_29-ken_outline.pdf
来年の1回戦、都道府県代表同士の戦いを見る際は、「ああ、このチームたちはあの過酷な予選を勝ち上がってきたんだな…」という思いで見守ってください。
そして今日の準々決勝、クラブ初の偉業へ向けて、頑張れ!アルビレックス新潟!!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?