わたしに会いたい 読書日記
西加奈子さんの
わたしに会いたい を読みました。
以前、西加奈子さんの闘病エッセイである
くもをさがす を読んで、この方の作品を読みたいと思い、タイトルに惹かれたこちらを選びました。
わたしに会いたいは、短編集。
8作品が収録されています。
どの作品にでてくる人も
自身の柱がしっかりとしていて、
コミュニケーションの場で言葉がパッとでてくるような人だな
と感じました。
西加奈子さんご自身の経験と強く結びついている作品の Crazy In Love は特に印象に残りました。癌におかされた自分の一部を切り離すという大きな決断と人生の節目のような手術当日が、実際に明るい音楽が流れているかのような情景で書かれていました。
場所が日本ではなく、カナダ。
だからでしょうか。
もし私が日本で大病に罹ったとしたら、
曇り空の中
周りの人との距離を少し取りながら
冷たさを感じる病室で過ごすだろう
そんなイメージをしてしまいます。
笑って手術室へ向かう主人公に魅力を感じました。
その他の作品も個性的な登場人物ばかりなのですが、私の感じたこの個性的、という印象も、登場人物へ付けた偏見なのかもしれません。
こちらの作品の呼び込み文句として
自分の体が愛おしくなる
というものがあるのですが、わたしとしては
わたしはわたしのもので、それは最初からずっとそうだったのだ
と、気がつかせられる作品でした。
ここまで読んでいただきありがとうございました。おすすめの本がありましたら、教えてください。