手入れを怠った洗濯乾燥機が教えてくれたこと
やばい、洗濯乾燥機がやばい。
やたら長く注水しているな、と思ったらピーピーピーと鳴って「断水していませんか?」とのたまう。
断水、してないです。
ちゃぷんちゃぷんいってるが?
色々やって何とか動いてくれると、次は洗い中に「排水ケーブルがつぶれているか糸くずフィルターのお掃除をしてください」と止まる。
排水ケーブルは設置当初から特に変わりないし、糸くずフィルターのお掃除はしている。
糸くずフィルターを出し入れするとなぜか動き始める。
こわい……何かがおかしい……。
次に洗濯機を回したときも同じ調子だったので、やだ、壊れないで、洗濯乾燥機にはだいぶ助けられているの、共働きの命綱に近いの……と動揺しながら修理を頼んだ。
◾️◾️◾️
突然のトラブルは、精神衛生に悪い。
洗濯機を回すたび、また止まるのではと心配しながら過ごすのは疲れる。
家電の良さは、時間的体力的負担を減らしてくれるのはもちろん、精神的負荷を減らしてくれることだなと痛感した。
ほっときゃいいの、楽で素晴らしい。
逆に意識を持っていかれることのストレスといったらない。
約4年前に買った初めての洗濯乾燥機なので、こんなふうにじわじわ不調をきたすのかと、初めて彼の朽ちていき方をみたのでなんだか怖くてたまらない。
修理にいくらかかるだろう。できたら買い替えは避けたい。どうか直りますように……と、祈りながら修理の日を待った。
◾️◾️◾️
「あれ〜〜?うーん、そんなでもないですね」
するすると前カバーを開けて内部を見てくださった修理屋さんがおっしゃるには、機械的には問題ないらしい。
良かった……ではなぜ? と思っていると
「汚れかもしれませんね」
と。修理屋さんが何か作業をして少し水を流したあと、糸くずフィルターを見ると、べろんべろんのきしめんみたいな汚れが容器の半分も入っていた。
「えっ昨日はこんなのなかったんですが!?」
と困惑していると、パイプの中に溜まってた汚れとのこと。ひええ………。
「槽洗浄が結構大事なので、ぜひやってください」
槽掃除。存じております。やったこと? あります。
えーーーーっと、だいぶ、前ですね……。
恥ずかしくて言えなかったけど、下手したら1年くらいやっていないかもしれない……。
なんか、ほら、小学校の入学準備とか、入学してからもあれやこれやで忙しくて……あと、今までの洗濯機では槽洗浄ってやらなくても何とかなってた気がする、ので……そう、軽視してました……。
「どのくらいの頻度が良いですか?」と伺うと「月1くらいですかねぇ」とのこと。
実は知ってた。月1くらいでやると良いって、聞いたことあった。あとで見たら説明書にも書いてあった。
説明書は最初に目を通すタイプなので、実は読んだ記憶もある。
でも、忙しさにかまけてやらなかった………。
うちの洗濯乾燥機には2つのフィルターがついていて、ひとつは使用後毎回掃除(つまり毎日掃除)、もうひとつは週に1回の掃除。これらは真面目にやっていたのだが、槽洗浄は正直手を抜いていた。
その手抜きが故障を招いたようだ。
うぅ……反省である。
◾️◾️◾️
やった方がいいことは、
やったほうがいい。
これは割と真理であると、40年近く生きてきて実感している。
勉強でも健康でも美容でも、ドバッと派手な何かより、こういう日々のコツコツとした積み重ねが大事なのだ。
で、手を抜くとその積み重ねの結果が噴出してくる。
残念ながら悪い方向で………。
うう、つらい。
しかも最近は個人の意思が尊重されるので、「やった方がいいこと」をあまり強く「やった方がいい」と言ってもらえなくなっていると思うのは、気のせいだろうか。
ソフトな言葉選びの中に、その重要性を感じ取らなければならない。
でもそういうのって疲れてると過小評価しちゃったり、気づけなかったり、見て見ぬふりしたりしてしまう。
むずい。
でも、今回は、まだ取り返しがつく。
心を入れ替え、今後はこまめに槽洗浄をしよう。
こうやって自分を責め過ぎずに行いを見直せるようになったのも、それなりに人生を重ねたからかもしれない。
などと考えていたら、
「そんなことより、扉が気になります」
と、一発ではロックのかからない扉に修理屋さんが眉を顰めた。
そうそう、いつからだったか、すぐ閉まらないようになった。閉まらないので、毎回毎回、ピーピー鳴る。でも重力で扉が下がってしまい、ロック部分とうまく噛み合わなくなっているんだなと仕組みが理解できたのと、何度かやれば閉まるのであまり重要視していなかった。
「こちらは部品交換しましょう」
はい。すみません。
毎回ピーピー鳴るんだもん。そりゃおかしいよね。
でも、不調も、慣れると不調だと気づけなくなってしまう。
でも慣れてしまっただけで問題は問題のままであり、いつか対処が必要というのも今回の発見だ。
ちなみに乾燥を使った後は、中が乾いているので扉は閉めて良いそう。いいことを聞いた。
ついでに乾燥力も「いわれてみれば、落ちている」となり、乾燥フィルターまわりの埃掃除もお願いすることになった。
こちらは槽洗浄をしても綺麗にできない部分で、多い方では年に一度、掃除を頼む人もいるという。
なるほどなぁ。
こまめにメンテナンスを頼んだほうが、長く安定して使えそうだもんな。そういう豊かな暮らし、憧れるわ。
◾️◾️◾️
一部の作業は後日になり、修理屋さんを見送ったあと、早速槽洗浄をしたら(槽洗浄用洗剤は買ってあったのだ)、またきしめんのようなびろびろの汚れが出てきてびっくりした。
そしてその日、おっかなびっくり回した洗濯機はつつがなく動いてくれた。
しかも乾燥力が見違えるほどあがっている。
少し湿ってるくらいがデフォルトだと思ってたのに、カラッと乾いている。
ただ汚れを取っただけでこんなに違うなんて……!
私は日々せっせと汚れを溜めてしまっていたんだなと悲しく反省した。
これからはやるね、月一の槽洗浄。
さて今回のまとめは、
やった方がいいことは、やった方がいい。
説明書は読むだけじゃなく、そのとおりに実行しろ。
最近はみな言い方がマイルドだから、大事なアドバイスを聞き逃すな。もしくは自分の頭で考えろ。
小さな積み重ねを大事にすべし。
不調も慣れると不調と認識できなくなってしまうことがある。
自分を責め過ぎず、見直せるようになったのは良いぞ。
みなさまも洗濯機、大事にしてください。
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