久しぶりの緊急呼び出し
先週の木曜日、久しぶりに保育園から職場に電話がかかってきた。
息子が、急に38.6度の熱を出し、食欲もなく、ぽろり、ぽろりと涙をこぼしているという。
朝元気いっぱいだった息子が発熱、というだけで衝撃なのに、毎日おかわりする息子が食べない、さらには、涙をこぼしているだと……!?
もう聞いた途端、胸がきゅうきゅうと締め付けられ、頭には息子の泣く姿が巨大スクリーンで映り、フリーズした。
慌てて上司に早退の許可をとり、翌金曜日も休むかもしれないことを視野に最低限必要なことをして、職場を飛び出した。
2ヶ月ぶりの、発熱だった。
発熱連絡のときの保育士さんは、いつも驚くほど気を遣ってくれる。
体調不良に気づいて連絡をくれ、今そばにいてくれるだけでありがたいのに、とても申し訳なさそうに言葉を選んで伝えてくれるので、なんだかこちらもそんなそんな、ご連絡ありがとうございます、と恐縮してしまう。
すぐ迎えに行くと伝えると「ありがとうございます、息子くんも来ていただけると心強いと思います」と言ってくださって、素敵な表現だなと心に残った。
なんせ、ぽろりぽろりと泣いているんだもんな……。
あああ、切ない。今すぐ駆けつけたい。
夫に経緯を連絡すると、朝は元気だったのにと、夫もとても驚いていた。
今流行りの、手足口病だった。
保育園に着くと息子は他の子に混じってお昼寝中で、聞けば電話をした直後からうとうとし始めていたのだという。
そっと抱っこ紐に入れた息子の体は、びっくりするほど熱かった。
動揺しながら、起こさないようにとそろりそろり動いていると、保育士さんたちが抱っこ紐のバックルを嵌めるのを手伝ってくれたり、体、熱いですよね、と寄り添ってくれたり、息子の靴を持ってきてくれたり、なにかと優しくて、本当にいい保育園だなぁと私まで泣きそうだった。
担任の先生によれば、今日3人が発熱でダウンし、手足口病が1人でているという。
いよいよ来たか。
今年は大流行らしいもんな、と思いつつ、沢山のお礼を言いながら保育園を後にした。
その日のうちに受診したけれど、この時は発疹もでていなかったので、とりあえず熱冷ましなどをいただいた。
いつも病院内をあちこち動き回って困る息子がひたすらぐったりしているのに胸が痛んだ。
翌日の夕方には熱が下がり、元気に動き始めたので、あぁもしかしてただの風邪だったのかな、などと思っていたら、土曜日になって発疹が足全体にばーーーーっと出た。
痛くも痒くもないようだったが、あまりに酷い発疹だったので、逆に何か別の病気なのではとこわくなり、再度受診。
発疹が酷めの手足口病、ということだった。
保育園に復帰後、他の保護者とも「発疹がすごくなかったですか!?」と話題になり、みんな同じような症状だったんだなぁ、やっぱりそうなるんだ、と妙に感心した。
他の子に移してしまわないかと心配していたけれど、蓋を開けてみたらなんと全員感染または疑い、ということだったので逆に気が楽になった。
見事なパンデミックだった。
子の体調不良は何度やっても、いまだに、慣れないな、と思う。
発熱当日は私まで食欲が減退してしまい、アイスしか食べられなかった。
私がしっかりしなきゃいけないのに、情けない、とも思う。
とはいえやっぱり心が千々に乱れてしまうのだ。
去年に比べだいぶ体が強くなった、と思っていた矢先だったので、そうはいってもまだ1歳児なのだと思い出した。
もっと責任ある仕事をしたい、評価されたいと思っていたけれど、やっぱりしばらくは難しいのかな、と思ったりもした。
なにはともあれ、今は回復して、ちょこちょこ歩きまわり、もりもり食べている姿が愛おしい。
まだ病み上がりという感じはあるけれど、あれこれ主張し、いたずらし、親を困らせ、その一方で甘えたり、笑ったり、お歌をうたったり、とにかくすべてが可愛く、活動してくれていることが嬉しい。
やっぱり、元気がいちばんだなぁ。
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