ありがとう厚生労働省
緊急事態宣言が出た翌日の4月8日、帰り際に突然連絡がきた。明日から保育園が休園になるという。
コロナ感染拡大防止のためだ。
なんだかんだいって、やはり緊急事態宣言は大きい。
望んでいたことの割にいざとなると動揺し、職場ではおろおろと各所に報告、たまたま休みだった上司にはふらふらしながらメールし、無駄に会社から駅までいつものルートを外れてぐるぐる歩いた。
2歳男児と1ヶ月引きこもり生活、
が、強制的に始まる。
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ここから先に書くことを、不快に感じる人もいると思う。
結果的に渡りに船の休園だった。
お陰で通勤リスクからも、職場での感染リスクからも解放される。
我が社はコロナ対策をなにも行っておらず、緊急事態宣言が出た翌日も、全員定時出社で出勤していた。
なんなら営業マンは出張までしていた。
私なりに出来ることをと、組合を通じて意見を出したりしたけれど、何の回答もなく、忸怩たる思いで、もういっそ、仕事を辞めようかとまで思い詰めた。
働くことが好きで、好きで入った業界だった。共働きでないと生活できないので、ただ辞めることを考えるのは私に取ってかなり異例のことだった。
でもコロナこわい。自分と家族をこれ以上危険に晒したくない。
不安と悩みで頭をブンブン唸らせながら、さすがに会社も対応を検討し始めたようだし、その結果を聞くまでは留まろうか、そう考えていた矢先の休園だった。
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結局、しばらく休業することとなった。
在宅でてきる業務がほぼ無く、子を実家に預けようにも電車で片道1時間の距離で、両親は志村けんと同世代。父は糖尿病、母は高血圧で薬を飲んでいる。今はちょっと頼れない。
災い転じて福となす、とでも言うのか、マミートラックを爆走していたので、急ぎの業務も重い引き継ぎもなく、同僚も大丈夫大丈夫、がんばって!とやさしく送り出してくれた。
上司もメールであっさり了承してくれた。
ほんとに弊社は社員の良心で成り立っているのではないかと思う。
休園開始日の朝、上司と電話で話し、改めて了解いただいた上で、どういう扱いになるか相談した。
「国から助成金が出るので、できたら有給にして頂けるとありがたいです。難しければ欠勤でお願いします」
国から出る助成金はこれだ。
おそらく会社で初めての例だし、「働かざる者〜」の言葉に倣えば、ダメですと言われても仕方ないと思っていた。
回答はまさかの「OK、有給にするよ」だった。
えっ、コロナ対策あんなに杜撰なのにここはやさしいの!?
「今回は助成金もでるし、有給にしてくれるって。お子さんも親御さんといられるのが安心するでしょうから、無理せずゆっくり過ごしてくださいね」
と言ってくれた。一応在宅で事務作業ならできる、調整すればたまには出勤できるかも、と伝えてあったが、丸々有給休暇となった。ありがたくて泣けた。
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無収入となることを覚悟していたけれど、覚悟しただけで、お金があるわけでも、不安がないわけでもなかった。
ただでさえコロナによるストレスがあるのに、経済的な不安も抱えて、子と家で過ごすのは、かなりキツい。普段だって疲れてつい子にきつくあたってしまい、自己嫌悪で消えたくなることがあるのだ。DV加害者になってしまうことが、他人事ではない。
ストレスをひとつ消してもらえたことが、本当にありがたかった。
会社がこのような判断を下してくれたのは、助成金の影響が大きいだろう。
この仕組みを作ってくれた方に、心から感謝を伝えたい。
今は何をやっても、国のコロナ対策は批判されがちだ。
実際、飲食店や文化芸術産業、商業施設をはじめありとあらゆる分野で経済的打撃を受けているにもかかわらず、まだ保障は決まっていない。
お客さんに「来て」とも「来るな」とも言えず悩みながら営業しているお店や、泣く泣く一時閉店するお店など、どこも苦悩しながら闘っている。
自営業は謎に助成金が会社員より少なかったり、あっても貸付だったり、振り込まれるまで時間がかかったり、ツッコミどころは多い。
でも、私は本当にこの制度に救われたので、ありがとうございました。とても助かりました。
がんばって自粛生活します。感染・発症しない自信はないけど、なるべく恩を仇では返さないように。
苦しんでいる方が多い中、不快に思った方がいたらごめんなさい。
未曾有の事態の裏で、必死に働いている公務員さんに感謝です。
休園も、素早く決断し対応してくれてありがとう。
保育士さんに負担をかける心苦しさがあったので、救われました。登園自粛依頼だと、会社との関係を考え、休むことを決めきれなかったかもしれません。
ちなみに弊社はようやく時差出勤と、一部部署で在宅勤務を始めたようです。ひとまずはよかった。
サポートいただけるととても嬉しいです!よろしくお願いいたします。