修繕積立金の値上げ② ~絶好の機会に変えよう~
ある不動産業界の方と話をしていた時、マンションの管理費・修繕積立金の値上げは、「不動産業界の人間あれば、当然で織り込み済みだ」と言っていた。
しかし、不動産業界ではない一般の所有者が今後数年に一度は毎月の修繕積立金を値上げしないといけないのだと購入後に聞けば、「話が違う」と感じることは当然のことだ。
マンション所有者は、安いと思って買った物件が実は高い買い物だったことをここで初めて知ることになる。
しかし、現実問題として初期設定額ではどうしようもないので、値上をするか、値上げせずに不足額を大規工事の都度一時金として支払うかの選択を迫られる。
工事を先送りにする方法もあるが、必要な値上げを見送れば、その後の値上げ額が大きくなるだけだ。
小規模なマンションであればあるほど値上げ幅は大きくなる傾向が強い。10年後には当初の何倍にもなるような見通しを見せられれば、売却を考える人も出てくるだろう。
このように、購入した後もマンション特有の支出から逃れられないのが、所有者の定めだ。
大切なのは、「騙したのか?!」と声を荒げるのではなく、マンションの価格設定や管理会社の儲けのしくみについて勉強し、可能な限りで管理運営を所有者の手でコントロールするしかない。
管理会社から提案される工事費や工事時期をうのみにせず、その妥当性を自ら確認することで支出削減が可能だろうし、多額の費用が掛かる設備の要否を検討することもできる。
修繕積立金の値上げ額についても、管理会社任せにせず管理組合自らが判断しなければ「管理会社のいいなり」というジレンマからいつまでたっても逃れられない。
修繕積立金値上が必要となることが明らかになったら、管理全般について見直す絶好の機会にしてみよう。
常日頃すべての業務を管理会社に丸投げしながら、不都合なことは管理会社だけの責任にしても問題解決ならない。
最終的に不利益をこうむるのは管理会社ではなく所有者の皆さんなのだから。
併せて読んでほしい、マンションとお金の話