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-誤報-日本の黒い夏(松本サリン事件)
原作平石耕一「News News」より
脚本 熊井 啓
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実際の事件を映画にする難しさがここにある。2000年制作の日本映画。松本サリン事件と通報者の冤罪をテーマにしたもの。第11回日本映画批評家大賞 作品賞受賞作。正式なタイトル表記は『日本の黒い夏[冤enzai罪]』第一通報者である神部俊夫の自宅を家宅捜索して薬品を押収する。その中に青酸カリがあったとの警察からのリーク情報から、マスコミは「青酸カリから毒ガスを発生させた」と一斉に報道するが、笹野は過去に誤報を伝えた経験から、裏付けが取れない以上は青酸ガス発生説の報道を取り止めるとの判断を下す。その後毒ガスが「サリン」と断定。テレビ信濃では大学教授・藤島(役名)から得た「サリンは薬品をバケツで混ぜ合わせて簡単に作ることができる」との証言を放送したことになっているが実際は常石敬一氏は「製造方法がわかっているのは原爆も同じだが、はるかに身近な材料で殺人兵器と同じものができてしまうことを見せつけたのが今回の事件だ」とコメントしている。バケツでサリンが出来ると言って冤罪を上長したとされる件はさらに冤罪を生む可能せいを秘めている。専門知識があってもサリンが家庭で簡単に作ることができないとなれば、逮捕はなかったと思われる。ガス漏れから青酸カリへ。翌日の1994年6月28日夕刊で「有機リン系の農薬などの薬品が何らかの原因で池に流れ込むなどして、水や水中の藻、微生物などと反応し、神経ガス様のものが発生した可能性がある」との記事が出ているが、サリンであるとされるまでの時間が問題である。台本にあるように当初-誤報-と事件の放送の仕方についての懸念があるという問題意識から犯人はこうして造られるとのほうこうへ。
1994年6月27日の夜に松本サリン事件は起こった。原因不明のなか現場緊迫。松本サリン事件は死傷者8名重軽傷者600名を数える。「河野義行さん宅を 「被疑者不詳の殺人容疑」で家宅捜索松本城から約500m離れた事件現場 (松本市北深志)には裁判所の宿舎があつた。第一通報者のサラリーマンが逮捕される。第一通報者 河野 義行さん(当時44)
「第一通報者の会社員が 今車の方に向かいました。」TVで報道される高野さんの妻燈子さんは事件から14年経った2008年に八人目の被害者となった。松本協立病院に河野さんが入院すると、どうしてそんなやつを治療するんだみたいな 電話がたくさんかかってきたのと松本協立病院。鈴木順理事長は証言している。
原因物質を調査した県衛生公害研究所(現県環境保全研究所)は
原因物質を化学兵器のサリンだったことを突き止めた。[C4H10FO2PSarin]化学兵器の毒ガスの成分だったが、職員も知らない者が多かった。95年3月の地下鉄サリン事件後に オウム真理教の犯行と判明。オウム真理教事件は発生当時に松本市内に松本支部道場を建設 したが、住民が土地明け渡し求める裁判をおこされていた。オウム真理教は裁判の妨害と殺傷能力を確かめるため 裁判官官舎を狙ってサリンをまいた。オウム真理教は1984年「オウム神仙の会」設立1987年に「オウム真理教」に改称し1989年に坂本弁護士一家殺害事件。1992年に松本支部道場を巡り 地元住民が土地明け渡し求め提訴した。1994年6月27日 松本サリン事件を起こした。
28日 「被疑者不詳の殺人容疑」で 河野さん宅を家宅捜索している。
7月3日に県警「原因物質はサリンと推定」と発表した。バケツでサリンが作れるといつた報道もあった
1995年3月に地下鉄サリン事件が発生した。5月には松本元死刑囚を逮捕する。6月になつて県警が松本サリン事件について会見で 「河野さんは事件に無関係」と発表した。
2000年を教団名を「アレフ」に改称している。2018年に一連の事件に関与した13人の死刑執行がなされ事件は、執着した。
「過去は取り替えようもないから恨みはあまりない。いちいち恨みに思つていたなら不幸の上に不幸を上塗りするような人生になってしまう。」と河野さんは証言した。
サリンを追っても河野さんの名前は全く出てこないとの証言もあるが、河野さんはいつのまにか容疑者にされている1995年1月1日付の読売新聞に「松本事件」直後に山梨の山ろくから悪臭騒ぎと土壌からサリン残留物を検出し関連解明急ぐ旨が掲載された。この時点で一国を争う事態だったのだ。しかし1995年3月20日 地下鉄サリン事件が発生した。事件は防ぐことはできなかった。当時県警で薬品捜査をしていた上原 敬さんは誰か作ったのか。誰か松本へ来たのかというのが特定できなかったと証言している。また報道の永野貴行弁護士(元新聞記者)は新聞記事の警察取材は警察の流れを追う取材なので警察発表をうのみにすれば「同じことはまた起きる」 ことはあると証言しているこの事件を機に弁護士へ転身した。警察取材主導ならば、警察が間違ってしまえば 報道も間違ってしまう恐れはあると言うが、警察はあくまで、容疑者逮捕であって、間違っているわけではない「容疑者🟰犯人」であるという思い込みが、真実を歪めるのである。警察取材の構造はどにもならない。警察取材がある限り同じことは必ずまた起きるだろう。今後は新たにSNSの普及などにより、発信の仕方次第では報道被害は全体とし非常に深刻な状態になっていくと言えるだろう。こうした中、死を持つて抗議する方がいる。自死は正義の証明にならない。河野さんが死ななかったのは、河野さんは「自分を100%信じてくれる人を一人作ってください。そうすれば戦うことができる」と言っているのである。
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オーム真理教についてだが、言ってることがいくら凄くとも、やってることが、間違っているなら、いったん、立ち止まって考えてみるのはどうだろうか。すでにもどれない場所まで来ている自分に気づくだろか。信仰のおそろしい部分かもしれない。オームの分家達の言動と行動は、監視されるべきであるのは、当然である。当時の考えでは宗教が大量殺人を企てる事などないという常識からオーム真理教が、サリンの材料を大量に入手たという情報を得るまでの経緯をだれがさぐるのか確立されていない。またその後、宗教が原因で一国の総理大臣が射殺されるという事件を阻止できなかった。「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」の問題も起こっている。日本の治安維持に対する意識は宗教団体に「宗教の自由」というお墨付きがあるために、二の足を踏んでいる。今回の映画は、-誤報-から-冤罪-へと変化して被害者で第一通報者である一般人が、容疑者として逮捕されたことから起こる冤罪への流れ。むしろ誘導された感も否めない。
オーム事件や浅間山荘連合席軍事件などは、「一般人の暴走」である。組織が、論理武装して一般人を殺人鬼にするシステムがあるとするなら人類の歴史に「黒い夏」が、あって、それは戦争がそうだ。国が殺人を正当化するのだ。この映画が主張したいこと、タイトルが「日本の黒い夏」ならスポツトライトの当て方が、まだありそうだ。人権問題に焦点を当てるなら、違ったタイトルもありそうだ。あれから30年が経った。事件を起こした当事者達は、この世には、いない。個人的な意見だが、松本智津夫の老衰が見たかった。麻原彰晃は、オームの教祖として死刑にされた。オーム真理教も顔を変えて生き延びて行くことだろう。またいつか「黒い夏」がやってこないように私は目を光らせようと思う。阻止できないとしても。
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