「奇襲」?打ち上げで朝鮮半島は緊張へ
よもや北朝鮮が打ち上げの予告期間より前に偵察衛星を搭載したというロケットを打ち上げるとは、私も思っていませんでした。昨夜はテレビの画面が突然真っ黒になってJアラートのメッセージが流れて(あの音声、かなり不気味ですよね)、驚いた方も多いかと思います。
現時点(22日夕方)までに出てきた情報を整理して、いったい北朝鮮指導部は何を考えているのか、読み解きを試みましょう。
「フライング」の理由
まずは誰しもが気になる「打ち上げ期間前の打ち上げ」、つまりフライングの背景です。北朝鮮は「22日午前0時から12月1日午前0時まで」を偵察衛星の打ち上げ期間と予告していました。しかし、朝鮮中央通信によれば、実際には21日午後10時42分に打ち上げられたということです。
1時間18分のフライング。
この理由に関して韓国などで広がっている推測は二つ。
まずは「奇襲」説。意図的に予告期間より前倒しで打ち上げることで、米韓に対して「お前たちは前倒しすることを把握できていなかったであろう」と鼻を明かしてやったという見方です。
北朝鮮ならさもありなん…とも考えますよね。
ただ、これまで、北朝鮮は衛星を打ち上げるとしてきたケースでは、一応は打ち上げ予告期間を守ってきました。それは、「軍事挑発?いやいやいや、何を言っているのだ。ちゃんと国際ルールに基づいて周辺国や国際機関に事前通告していて、どの国にも認められた宇宙利用の権利を行使するだけだ」と主張できるようにするためです。
それを今回は自ら破ったとなると、自らの「ロケット打ち上げ」は「ゲリラ的なミサイル攻撃」と何ら変わらないことを宣言したも同然。
中国とロシアが擁護しにくくなる要素を増やす結果にもなるので、「奇襲」はやや疑問が残ります。
ここから先は
¥ 200
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?