「本音」で語られ始めた南北①
のっけからタイトルと違う話で恐縮ですが、TBSで放送されている火曜ドラマ「Eye Love You」を観て時代の変化を実感している一人です。
かつて日本のキー局が制作・放送したドラマで、「사랑해/サランヘ(愛している)」とか「귀여워/キヨウォ(かわいい)」など、毎回、韓国語のセリフがふんだんに散りばめられた作品はなかったと思います。
3月20日には渋谷でファン・ミーティングが開かれることになったそうで、いかにこのドラマの反響が大きいかがうかがえます。テオ君役を演じるチェ・ジョンヒョプも来るそうですよ。
本当はこういうエンタメの話ももっと書きたいのですが…そこはこの道の先人・達人たちに譲ります。
ひとつだけいうと、TBSは、「잘했다/チャレッタ(よくやった)」!日韓の若い世代では肩ひじ張ることなく互いのカルチャーを楽しんでいるという、時代の変化を見逃しませんでしたね。今後、日本のテレビドラマに韓国の俳優が登場するケースは増えるかもしれません。
で、タイトルの趣旨に戻って朝鮮半島の南北関係。やや強引な文章展開をすると、こちらも時代の変化を迎えています。(冒頭の写真は韓国大統領室のHPより)
消える「韓半島平和交渉本部」
3月7日、韓国の趙兌烈(チョ・テヨル)外相は、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領に行った業務報告で、外交部(外務省)の中にある韓半島(朝鮮半島)平和交渉本部を解体して新たな組織に改編する方針を説明しました。重要な決定なので、事前に尹大統領と調整済みだったのは明らかです。
この平和交渉本部は、北朝鮮の非核化交渉を担当してきた部署です。2006年、北朝鮮の核問題を話し合う6者協議に対応するために置かれたのがスタートでした。
中国が議長を務めた6者協議は、北朝鮮から一定の譲歩を引き出すという成果はあげましたが、最終的には頓挫しました。
その後、時は流れて韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領&アメリカのトランプ前大統領と、金正恩(キム・ジョンウン)総書記との間で、改めて北朝鮮に非核化の意思を確認させるところまでは届いたものの、結局は合意ならず。
以後、コロナ禍もあって北朝鮮に核兵器を手放させる話し合いはなくなり、おのずと韓半島平和交渉本部も「開店休業」に近い状態になっていました。
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