重力質量エネルギーの導出
(E = m₉ c²)を使うと、よくアインシュタインの相対論を真似たと言われることもあるので、ちゃんと導出過程で以下の世界一有名な式(E = m c²)との違いを見せておこうと思う。
まずは電磁気学から.
ここで記号と意味を、絶対静止基準系+電磁気学 → 光速度基準系+電磁気学へ、以下の考えかたにより、
屈折率(n)は、観測者と異なる系の真空中の光速はスケールにより変化するので相対速度因子(γ)に、
物質中の光速(v)は、運動ではなく波動なので波動速度(w = f λ)に変える。
次にカウフマンの実験から.
次に1901年、アインシュタインの相対論より前の「運動エネルギーによる質量増加の検証となったカウフマンのベータ線屈曲の実験」から、
m₁ = m₀ c / √( c² - v² ) = m₀ c / w = γ m₀. (1)
運動(v)により波動速度(w)が低下し、静止質量(m₀)が相対速度因子(γ)の変化により慣性質量(m₁)が増加したとする。
※この時点では、相対論的質量と同じようにエネルギーの増減とスケールの変化の区別がついてない。
またニュートン力学から.
次にニュートン力学の第二宇宙速度(脱出速度:v² = 2GM / r)は、
式(1)へ、観測基準系に重力ポテンシャルを考慮すると、
w² = c² ± 2GM / ( r + h ) ± v². (2)
波動速度(w)は、重力ポテンシャルの地表面からの高度(h)で運動エネルギーを得る、もしくは摩擦によって運動エネルギーを失うことも考慮した形となる。
式(2)を宇宙論的に、何処にでも何時にでも光速度基準系の観測者を置けるよう(v² = 2GM / r )に置き換えると、
w² = c² ± v². (3)
また式(1)の静止質量(m₀)は重力質量(m₉)に置き換えられ、カウフマンの実験では電子のため曖昧だった、重力質量はエネルギーの増減、慣性質量は相対速度因子(γ)の変化、が区別できるようになる。
※相対性理論は、式(1)の時点で光速度(c)と波動速度(w)の違いを光速度不変の原理で縛るので、その区別ができない。
γ = m₁ / m₉ = c / w = c / √( c² ± v² ). (4)
これを光の(運動量の)等価原理とする。
最後に量子論から.
E = c |p| = h f. (5)
※ここで振動数(ν)は、運動速度(v)と間違いやすいので周波数(f)にする。
式(4)、(5)から重力質量とエネルギーの等価式は、
E = c |p| = h f = m₉ c² = γ m₁ w². (6)
これからエネルギーや光の運動量をどれで表現しても、表現の自由が成り立つのは言うまでも無い。
※ミクロの世界でも、重力質量(m₉)と慣性質量(m₁)の違いを光速度不変から抜け切れてない一般相対論は、以下のような問題から抜けきれない。