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蔵語り~紡ぐ~IN天星酒造
鹿児島市の鴨池フェリーターミナルからフェリーで垂水市に渡り
そこから、車で約1時間程度
海あり山ありのドライブコースを楽しみながら、ついに天星酒造さんに到着!
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天星酒造の高屋さん
出迎えて下さったのは、高屋さん。
彼は大学時代に芋焼酎を飲み、その美味しさに感動して焼酎造りの道に進んだ方なんです。
国立大学では水産物を専攻し、その後は大学院にて焼酎の研究も続け、焼酎について学び続けていたそうです。
根っから焼酎が好きな高屋さんが、試行錯誤を繰り返しながら作る焼酎が、業界でも話題で、どうしてもその作る工程をこの目で確かめたくて蔵見学へと向かいました。
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一夏一会 ~いちげいちえ~
私が何より出会いたかった銘柄。
2024ver.の【 一夏一会 】は、これまでの芋焼酎を樽熟成させた原酒だけでブレンドしたものではなく、樽、甕、タンク貯蔵酒から選抜した5種の原酒から造られています。
さらに全麹仕込みの【 米焼酎 】原酒をポートワイン樽で熟成して使用しています。
また、この商品は「夏焼酎の新たな可能性」がコンセプトとなっており、高屋さんの直感?!で毎年製法や原料芋品種が大きく変わります。
今、このひと夏にしか出会えないお酒です。
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シンガーソングライターとして有名な鹿児島県在住「わかまつごう」氏の描き下ろしパステル画。
高屋さんと一緒にバンドを組んでいた先輩後輩の間柄だそうです。
個展も開催している同氏が大崎町の名勝地「おおさきくにの松原」に昇る朝日をイラスト化。軽快かつ風味豊かな本焼酎の味わいを連想させる、夏の朝の澄んだ空気感を描いています。
早垂れ蒸留
天星酒造の「早垂れ蒸留」は、単式蒸留器を用いて、味や香りの良い部分だけを抽出した蒸留法です。天星酒造独自の蒸留法で、蒸留の途中でカットすることで、贅沢な芋焼酎が造り出されます。
早垂れ蒸留の特徴は次のとおりです。
蒸留初期はアルコール濃度が高く、薬品のような強い香りがあります。
蒸留後半になると苦みやクセを持った焼酎が垂れてきます。
味の良い部分のみを抽出するため、一度の蒸留で通常の半分ほどしか造ることができません。
天星酒造では、この早垂れ蒸留法に中減圧蒸留を組み合わせることで、香りと味わいのバランスが最も優れた芋焼酎を造っています。それは蒸かしたてのさつまいもを思わせる味わいと、南国の果実のような華やかで甘美な風味を有しており、水割りや炭酸割りにピッタリな酒質です。
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蔵の問題解決
大隅半島発のモルトウイスキー製造蔵。
天星酒造さんの新たな取り組みは、「ウィスキー製造」
焼酎造りの知識を活かし、2021年に参加した日本唯一の洋酒品評会「東京ウイスキー&スピリッツコンペティション2021」の焼酎部門で最高金賞を獲得し、焼酎だけではなく洋酒の専門家からもたくさんのフィードバックをいただいたことで、ウィスキー製造に取り組むきっかけとなりました。
それだけではありません。
焼酎の仕込みの時期は、大体9月から始まり通常なら年内には仕込みが終わってしまいます。
蔵をずっと稼働させるには・・・・と考えた末、一年を通して原料が入手できる「ウィスキー作り」を開始させたそうです。
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そして、一年を通して蔵見学もできるともあり、酒造りの見学の方も後を絶たないそうです。
今はまだ樽熟成の途中なので、無色透明ですが、数年後の熟成がとても楽しみですと仰っていました。
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小さな気づきから生まれた新銘柄
天星酒造の新しい銘柄【 旱星 ~ひでりぼし~ 】
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旱星とは雨の降らない猛暑下、夏の日の夕景を指すまさに今の季語です。
さつまいもの加工工場を訪れた高屋さんが、製菓などに使用される焼き芋パウダー、製菓用には目の細かいパウダーを使用し、それ以外の粒の大きなパウダーは今まで廃棄されていたそう・・・
この行き場を失っている焼き芋パウダーの利用について相談され、焼き芋パウダーで焼酎を作れないかと試行錯誤して仕込んだ銘柄です。
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今風に言うと「アップサイクル」から生まれた焼酎です。
天星酒造の商品としては初の黄麹仕込みを行いました。
ほっこりとしたさつまいもの味わいに黄麹由来の華やぐ香りが加わり、天星酒造焼酎の中でもひときわ個性的な酒質となっております。
超軟水の地下水
【 普現堂湧水源(ふげんどうゆうすいげん) 】
菱田蒸溜所は平成の名水百選にも選ばれた「普現堂湧水源(ふげんどうゆうすいげん)」の下流域にあり、仕込みに使っている「菱田の地下水」は県内でも随一の軟水とされています。
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鹿児島県は火山の多い地であり、そこに流れる水は火山帯の特長である様々なミネラルを多く含みます。しかし「菱田の地下水」は降り積もった約80mに及ぶシラスの層だけでなく、その下の砂層と砂利層で磨かれることで、ミネラル分を多く含まない軟水(硬度46)となります。
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アルコールを製造するにあたって「仕込み水」の役割は非常に重要であり、酒質を大きく左右します。
この「菱田の地下水」は鹿児島県でも無二の酒水として知られていて、明治頃には多くの酒蔵が菱田に集中しておりましたが、現在では天星酒造 一社となりました。
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おいそがしい中、「普現堂湧水源(ふげんどうゆうすいげん)」の水源地にも案内して下さった高屋さん。
同じ銘柄でも、麹を変えたり、原酒のブレンドを変えたり、風味にこだわる焼酎造りをしていきたいと仰っていました。
20歳で焼酎造りを志し、焼酎業界では若手と言われる高屋さんですが、大学で学んだ知識はとても豊富。
明治から創業している天星酒造さんの経験と、高屋さんの焼酎への情熱で今からまだまだ多くの「気付き」を酒造りにもたらしてくださいそうです。
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