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SEの私が電験を受験した理由
私は現在、システムエンジニア(SE)として働いています。IT業界でキャリアを積む中で、多くのエンジニアが高度情報処理技術者試験やAWSなどのIT系資格を目指す中、私は業務とは直接関係のない「電気主任技術者試験(電験三種)」の取得を決めました。
一見、畑違いの資格に思えますが、私にはこの選択をした明確な理由があります。この記事では、SEである私が電験を目指した経緯をお話ししたいと思います。
情報処理技術者試験の取得 – ITスキルの基礎固め
私は新卒でSEとしてキャリアをスタートしましたが、ITの知識はほぼゼロ。そこで、まずは基礎固めとしてIPA(情報処理推進機構)の「情報処理技術者試験」の取得を目指しました。
1年目:基本情報技術者試験(FE)取得
対象者:ITを活用したシステム開発に必要な基礎知識を持つ人向け
受験の感想:プログラミング(アルゴリズム)問題が特に難しかった
3年目:応用情報技術者試験(AP)取得
対象者:高度IT人材としての基礎を持ち、応用的な知識・技能を備えた人向け
受験の感想:午後試験の時間的制約が厳しく、論理的に解答をまとめる力が求められた
これらの資格は、社内での昇格要件でもあったため、ある程度義務感を持ちながら勉強しました。しかし、試験を通じてITの基礎力が身についたことで、SEとしての業務にも自信が持てるようになりました。
次のステップを考える – なぜ電験を選んだのか?
応用情報技術者試験を取得した後、私は「次に何を目指すべきか?」を考えました。主に以下の選択肢を検討しました。
1. 高度情報処理技術者試験(PM試験)
検討結果:実務経験を基に論文形式で解答するため、実務経験が浅い私には時期尚早と考えた
2. IT系の民間資格(AWSなど)
検討結果:クラウド技術の習得には有益だが、仕事で必要になった時に取得すればよいと考えた
3. 公的資格(電験三種)
検討結果:ITとは異なる分野の知識を得ることで、将来的なキャリアの幅を広げられる可能性を感じた
このように比較した結果、「せっかく資格取得の習慣が身についたのだから、ITとは異なる分野の知識を学ぶのも面白いのでは?」と考え、電験三種の受験を決意しました。
SEが電験を取るメリット – IT×電気の可能性
電験三種は、電気設備の保守・管理を行うための国家資格で、主に電力会社や工場、ビル管理の分野で必要とされます。一見、IT業界とは関係が薄いように思えますが、私は以下のようなメリットを感じました。
1. ITと電気の知識を組み合わせた強み
データセンターやスマートグリッドなど、ITと電気の融合が進む分野では、両方の知識を持つ人材が求められています。電験を取得することで、ITだけでなくインフラ全体を理解できるようになります。
2. キャリアの選択肢を増やす
SEとしてのキャリアを続けるだけでなく、電気主任技術者としての道も視野に入れられるようになります。また、ITと電気の知識を活かした職種に転向することも可能になります。
電験は業務独占資格のため、市場価値も高いです。IT業界が今後安泰とは限らないため、将来のリスクに備えるためにも有効だと考えています。
3. 理系出身の強みを活かせる
数学と物理学の基礎(高校レベル)があれば、完全にゼロから学ぶわけではなく、効率的に資格取得を目指すことができます。
まとめ – 異分野の知識がもたらす可能性
ITエンジニアとしてのキャリアを歩んでいく中で、私はあえて「電験三種」という異分野の資格に挑戦しました。ITの知識だけでなく、電気という新たな視点を得ることで、今後のキャリアの可能性が広がると感じています。
「SEなのに電験?」と思われるかもしれませんが、ITと電気が交わる領域は今後ますます拡大していくはずです。こうした異分野の知識を持つことで、他のエンジニアとは異なる強みを発揮できると考えています。
電験を取得することが直接的に今の仕事に役立つわけではありません。しかし、新しい知識を身につけること自体が、将来の選択肢を広げてくれると確信しています。