見出し画像

音楽面で推す!『スラもり』シリーズ!

 どうも、S(h)inと申します。

 今さらになって、noteのお題企画に「全力で推したいゲーム」というのものを発見いたしました。そこで、私の好きな「ゲーム音楽」という視点から、少し風変わりな作品を推してみることにしました。

 『スライムもりもり』シリーズです。

シリーズ概要

 本シリーズは第1作『スライムもりもりドラゴンクエスト衝撃のしっぽ団』に端を発するアクションゲームになります。シリーズは全3作ですが、そのどれもが「プレイヤーが主人公であるスライムを操作して戦う」という部分をメインとしたものとなっています。話はつながってないのでどの作品から触れても安心なのもポイント。

画像1

 初代は先述した通り『スライムもりもりドラゴンクエスト 衝撃のしっぽ団』(以下、スラもり1)でハードはGBA。今やだいぶ昔のゲームとなります。平和なスーランのむらの住人100匹が「しっぽ団」さらわれてしまい、それを救出するため主人公のスライムが戦う作品です。

 スライムをびよーんと伸ばし、それを解除した勢いで攻撃する基本アクションの「スラ・ストライク」はシンプルながら結構爽快。その印象深さから後年の『ドラゴンクエスト』シリーズにも逆輸入されたりしました。

画像2

 続編は『スライムもりもりドラゴンクエスト2 大戦車としっぽ団』(以下、スラもり2)と題したDSのゲームです。今度はスーラン王国を舞台にしていますが、また「しっぽ団」に住人を100匹さらわれてからのスタートです。前作と同じく全員救出を目指して戦います。

 本作の特徴はサブタイトルにもある大戦車を使った「勇車バトル」です。主人公はパッケージに移ったスライム型の戦車「勇車スラリンガル」を用いてしっぽ団の戦車と砲撃戦を繰り広げます。

画像3

 そして最新作が『スライムもりもりドラゴンクエスト3 大海賊としっぽ団』(以下、スラもり3)で3DSの作品です。今度は「しっぽ団」がスーラン王国の秘宝「にじのオーブ」を盗みだすので、それを取り返すために戦うお話です。発売当時は唐突に100匹救出要素が消えてアレ?ってなりました。

 『スラもり2』で人気だった「勇車バトル」を引き継いだ「船バトル」を主軸に据えた作品で、ハードのためか船も3Dモデルで表現されています。自分だけの船をカスタマイズして大海原を駆け巡れるのがポイントです。

 では、なぜ3DSの製造が終了したこの時代にこの少し古いシリーズを紹介するのか。それは、時代の問題を差し引いても魅力のある楽曲を持ったシリーズ群だからです!


魅力その1:様々な方向に変貌したアレンジ楽曲がある

 まず前提として、ドラゴンクエストの外伝作品のほとんどは他作品の楽曲のアレンジを多く収録しているという特徴があります。有名なものでは『トルネコの大冒険』シリーズでは本家『ドラゴンクエストⅣ』の「武器商人トルネコ」をアレンジした楽曲が多く、曲調も原曲から一変したものが多いです。『スラもり』シリーズでもその例にもれずの素敵なアレンジ楽曲がございます。

 シリーズ共通で使われているのが『テリーのワンダーランド』に登場する「変な世界」のアレンジ楽曲。これは『スラもり1』ではステージセレクト時に、『スラもり2』では戦車のカスタマイズ時などに聴く事ができます。ちょっととぼけた音が平和なスライムたちの生活の雰囲気にマッチしていてとてもいいです。

 また、『スラもり2』のステージの1つであるレンキン山にて聴ける『ドラクエ8』の「錬金がま」アレンジもいい曲です。これは原曲の神秘性はそのまま、暗く重い雰囲気でアレンジが加わっており、ダンジョンとしての緊迫感をもたらしています。それこそ、前述した『トルネコの大冒険』みたいなローグライク作品にも似合いそうな感じです。

 そして、かなり面白いのが『スラもり3』の船バトル戦で使われる『ドラクエ7』の「小舟に揺られて」のアレンジ!本作では船でのワールドマップ移動自体に「小舟に揺られて」の原曲が使用されているため比較が容易なのですが、とにかくアレンジのかけ方がすごい。原曲が雄大な海の上をゆっくり進むイメージなのに対して、ギターなどの全く違った楽器を用いつつマーチのような曲調に仕上がっているため、勇ましく進む船の戦闘曲へと見事に作り替わっています!


魅力その2:聴き減りしない数々のオリジナル楽曲

 アレンジ楽曲が見事なのは上記の通りですが、オリジナル楽曲もこれまたいいんです。そもそも本シリーズはゲームとしてそれほど楽曲数が多い方ではありません。普通かちょっと少なめくらいですかね。その代わり、本当に「聴き減りのしない音楽」が多いです。これは本作の作曲家であるすぎやまこういち氏がよく言っておられるゲーム音楽のポイントの1つです。

 『スラもり』シリーズ通して登場する「スライムは行く」はほとんどのアクションを行うステージで聴ける良曲です。木琴のメロディに後ろで低音管楽器がちょっとリズムを刻んでるイントロから始まり、弦楽器が滑らかにメロディを奏でて盛り上げたらイントロに戻る、という短めのループでできています。「壮大過ぎないスライムのちょっとした冒険」を表した楽曲に仕上がっていると思います。

 ほかにも、ボス戦で流れる「スライムがんばる」は短いフレーズがずっとバックでループしているため緊迫感の煽りがよく出来ています。「しっぽ団のテーマ(正式名称不明)」にも出てくる「アーオ!」といったスキャット?を入れることで、敵方のホームベースであることを印象付けるのも上手い手法です。

 そして、オリジナル曲の中で人気と知名度が最も高いものと言えば『スラもり2』が初出の「王者はどちらだ?」でしょう。これは主人公のライバルであるスライバとの勇者バトル中に流れます。「一匹狼系スライム」である彼が駆ける戦車エリスグールとの対決中にかかることもあって、全編ギターが中心となったメロディを奏でる激しめの戦闘曲です。

 こちらは後に「DQM」シリーズでも様々な激戦の場面で使われることとなり、それらのゲームでなら聴いたという人も多いかと思います。そういう方には初出が『スラもり』なことが以外に思えるかもしれませんが、それくらい幅の広い楽曲が作られているということを表しています。


魅力その3:ラスボス戦に「序曲」を使用した

 そして最後の魅力となりますが、シリーズ全作品でラスボス曲に「序曲」を使用していることです。これは本当に大きな発明です。これ考えた人、本当にありがとう…

 「序曲」は『ドラゴンクエスト』シリーズのメインテーマであり、当然シリーズ中で最も知名度がある楽曲です。『スラもり』シリーズも通してタイトル画面で流れているのですが、これを最終決戦にも流す采配はプレイヤーのテンションをめちゃくちゃ上げます。もうスーパーハイテンションです。

 また、イントロのファンファーレ部分としっとりしたアウトロ部分を削ってループさせることで、とにかく格好いいメインメロディを何度も聴かせてくれます。主人公とはいえ「スライム」にはちょっともったいない使い方な気までしますが、どの作品も最終決戦あたりの勢いはすごいので十二分にマッチしています。

 また、この発明は比較的最近の作品『ドラゴンクエストビルダーズ2 破壊神シドーとからっぽの島』においても採用されています。あちらも感動的な最後を締めくくるうえで欠かせない使い方をされているので要チェックですね。今後も外伝作品では最終決戦で「序曲」が聴けるかもしれません…


おわりに

 と、いったところで今回の紹介は以上となります。どうでしょうか?少しは『スラもり』シリーズの楽曲面の凄さが伝われば幸いです。「昔のゲーム」に分類される代物なので、手に取ってプレイしてくれ!とは言いづらいのですが、中古屋で見かけたらちょっとだけ購入を考えてください、くらいには思ってます。

 あまり触れてませんでしたが、ゲーム本編の難易度は全体的に子供向けに作られているので決して高くはないです。アクションゲーム苦手な私が言うので間違いないかと。ただ、やり込める要素は各作品にありますので広範囲の人が楽しめるゲームになっていると思います。総合的なバランスで考えると、個人的なオススメは『スラもり2』になりますかね。

 さあ、皆さんもスライムになってビヨンビヨンと大地を駆け巡り、そして素晴らしい音楽に浸ってください!

 ここまで読んでいただきありがとうございました。またの機会にお会いしましょう!


画像出典

(見出し画像含めたすべての画像)
作者自らが撮影

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?