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今更に『紋章の謎』をやってみた:第1部


 どうも、S(h)inと申します。

 以前、今更に『暗黒竜と光の剣』をやってみたという記事を書いたのですが、今回はその続編である『紋章の謎』についてのプレイ感想をお話したいなぁと思います。


1.プレイ経緯

 前回の記事で述べた通り、『暗黒竜と光の剣』では「昔ながらの仕様が壁だけど、なんだかんだ面白かった」という感じで十分に楽しんでプレイすることができました。そうなってくると続編である『紋章の謎』も気になってくるというがゲーマーの性というものです。

 以前の『暗黒竜』のプレイは「ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online」による無料配信で行いました。一方、『紋章』も2020年9月23日に「スーパーファミコン Nintendo Switch Online」で配信されました。便利な世の中ですね。その当時から「配信されたならやりたいなー」とは思っていたのですが別のゲームのプレイのためなどでそのまま放置し、2021年まで過ごしてしまいました。

 すると、2021年5月26日に同じ「スーパーファミコン」の配信で『聖戦の系譜』がプレイできるようになってしまいました。『聖戦』は昔から人気の作品なので触っておきたい。しかし、やり残した『紋章の謎』も気になる。

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 そこで、まずは先にやりたいと思った『紋章の謎』からにしようと決め、6月3日からプレイを開始いたしました。


2.紋章の謎と前作の関係性

 まずプレイ前に『ファイアーエムブレム 紋章の謎』とはどういう作品かさらっと確認しました。まず本作は1994年発売で、前作発売から4年の歳月が経過しています。そのため、「前作の内容を忘れてしまった人」、「そもそもプレイしていない人」のために、『暗黒竜』の内容を移植した第1部、その続きの話である第2部の2つがまとめて入っています。

 2つの部はそれぞれ独立しているため第1部で鍛えたキャラを第2部に引き継ぐといったプレイはできませんが、代わりにいきなり第2部からのプレイ開始が可能です。ということで私には、「もうFC版『暗黒竜』やったんだから第2部から始める」のと「通しで遊ぶ楽しさも考えて第1部から始める」の2択が迫ってしまいました。

 少し悩みましたが、新しいシステムで再構築された初代を触ってみたいと思って今回は第1部からのプレイしました。基本プレイ方針は「全員生存」、「ユニットロスト発生時は面の最初からやり直し」、「巻き戻し(配信版の機能)の乱用は控える」といった感じです。

 また、ゲームとしての長さがFC版より長いので今回お話するのは「第1部クリアまでの感想」となります。


3.実際にプレイした感想

 それで、実際にプレイして第1部終了まで迎えましたが、総プレイ時間は約33時間で前回とあまり変わらない長さでした。ここまでの感想としては「『暗黒竜』からの各変更点がイマイチ」です。

 前作をプレイしていた者としては「シナリオ」、「マップ」、「キャラ」などはすでに知っているので、どうしても仕様変更点仕様ばかり目についてしまった、というのが1つあります。それらプラスもマイナスもあった各変更点の合計について、今のところマイナスが勝ってるなぁといった感じです。

 具体的にどんな変更点があって、どう思ったのかをもう少し詳しくお話します。

3.1.確実に「良い」と言える変更点

 まずは、前作と比較して誰がどうみて見ても「良い」変更点についてご紹介します。本当に細かい部分が多数あるんですが、これでもいくつか見落としていると思われます。プレイしているときはそのいちいちに感動していました。

〇章開始前の地図表示
 今作では各章の開始前に地図が表示され、今どこで戦っているのかという情報が明示されます。これは作品の分かりやすさと雰囲気づくりにとても貢献していてシンプルに「良い」点です。

〇グラフィックの向上
 FCからSFCになってグラフィックの向上が大きくプレイに影響を与えています。ただ、それは今現在の「グラが良くなった」とは少し意味合いが異なりまして、「いろんなところに絵を入れられるようになったことで表現力が上がっている」ということを指しています。
 例えば、「戦闘背景が地形を反映したものになっている」点はどこで戦っているかを視覚的に表現できており嬉しい変化でした。また「各アイテムにアイコンがついている」点は純粋に視認性が高まって助かります。

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キャラアイコンが鮮明になってるのも嬉しかったりする

〇出撃前にできることの増加
 今作から「出撃前のアイテム整理」が可能です。この仕様変更のおかげでマップクリア前にアイテムの受け渡しを繰り返す(交換のコマンド無し)という手間がなくなりました。使うかは分かりませんが出撃規定人数より少ない人数でもスタートできるようにもなっています。あ、私は2章でジェイガンを外すプレイはしてました…

〇アイテムの4個制限が廃止
 前作では1ユニットにつき武器とアイテム合わせて4個しか持てませんでした。しかし、今作は武器4個とアイテム4個の計8個を持つことができます。これできずぐすりなどの汎用アイテムを自在に配備できるのでかなり便利になりました。
 1つ欠点を挙げるなら、杖がアイテム枠に入るので回復役があまりアイテムを抱えられない点ぐらいでしょうか。序・中盤のシスターなどが特に影響を受けますね。

〇預り所が輸送隊に変更
 前作の「預り所」が「輸送隊」になり、いちいち引き出すとき預り所に移動する必要がなくなったり、アイテム購入時に手持ちがいっぱいだった場合に自動で輸送隊に送ってくれるなどの機能が増えました。そして1個預けるごとに10ゴールド取られる手数料もなくなりました。最後の要素に関しては前の仕様がおかしかっただけだと思うし、許さんぞ預り所。

〇クラスチェンジの増加
 ハンターがホースメン、アーマーナイトがジェネラルにクラスチェンジできるようになりました。これは確実に「できなかった前作がおかしかった」タイプのやつです。

〇杖による経験値入手システムの追加
 「攻撃できないシスターは敵からダメージを受けた場合のみ経験値獲得」というまともにレベリングするのが困難なシステムが、本作から杖の使用で経験値が貰えるようになりました。これも前作がおかしかっただけでは?

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杖ごとに入手経験値量も違い、貴重な杖ほど高い

〇盗賊が宝を保持する
 宝箱を敵の盗賊が開けた際、前作では中身の完全消失でしたが、今回はちゃんと該当の盗賊を倒せば取り返せます。これによって「敵に取らせてから回収」する歴代のプレイングがしやすくなりましたが、代わりに自軍の盗賊の影が薄くなった気がします…

3.2.なんでコレ変えちゃったの?という点

 次いで、問題の「これ変えちゃったのか」という点もお話していきたいと思います。どれも『暗黒竜』をプレイしていたからこその感想です。

〇仲間ユニットの一部削除
 大きな問題点の1つ。前作にいたユニットが一部リストラされました。特に有名なキャラでいうと、本来1章で仲間になるはずのリフですかね。彼が本来加わるはずの村を訪れた際、代わりに「きずぐすりを1つ貰う」というイベントが発生してすごく寂しくなりました。「きずぐすり=リフ」というエムブレマーのネタを肌身を持って理解できたのはいいんですが…

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リフを返してくれよ…

〇マップの一部削除
 これも悲しいことなんですけど、リメイクに当たってマップが減っています。具体的に言うと暗黒竜が25章構成で、紋章第1部は20章です。この影響を受けて、後半のマップで「村訪問1つに2イベント」という詰め込みがあったり、ちぐはぐな面も散見しました。個人的には好きだったマップの「13章 グルニアのもくばたい」が消えているのが悲しかったです。まぁその理由は大体分かるんですが。

〇シューターの別物化
 私の好きなマップが消えた主要因。それは兵種「シューター」が別物になってしまったことです。『暗黒竜』では【戦車】という「重装甲2距離ユニット」として活躍していました。しかし、『紋章』では【固定砲台】と化しており「長距離攻撃専門ユニット」になっています。いくらなんでも別物です。
 前述した「13章」は戦車が群れを成して攻めてくるマップだったのですが、このユニット変更の通り再配置したらもうマップ崩壊です。だからマップ丸ごとの削除に至ったというのは理解できるんですけど、そもそもこの兵種変更自体に納得いかなかったですね。

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章開始のナレーションが印象深くていいんですけどね

 マップが消えなくとも、こんな大幅に役割の変わっているユニットの置換をしたら前作のギミックが大きく崩れるのは必至です。また、この変更のせいで「味方シューター」という概念が消えたので、最初に挙げたキャラリストラにもつながっています。総じて、私が一番理解しがたかった変更かもしれません。

〇手槍、手斧がクソ重い
 1-2距離武器が強いのはFEでは有名ですが、たいていデメリットとして「低命中」がついて回っています。が、今作はこれに加えて、「武器の重さが高すぎて追撃が発生しない」ように調整されています。
 ただ、問題はどちらかというと「追撃できない」ことより「追撃されやすい」ことに方かなと思いました。弓兵を手槍持ち騎馬ユニットで受けるというムーブを前作でよくやっていたのですが、今作ではほぼ確実に弓兵の追撃が入ってしまうので大抵受けきれずこちらが倒れます。範囲内に入ってしまったなら、反撃できない槍持った方が追撃が抑えられるので被ダメージが減ったりします。
 また、手斧は斧ユニット(主にサジ・マジ・バーツ)の貴重な活躍手段だったのに、同じデメリット付与で出番がすっかり減ってしまっています。

〇ハンマーの削除
 手斧の弱体化に加えて、重装特攻武器「ハンマー」が削除されています。このせいで本当に斧ユニットが使いづらいです。でも、どちらかというと、敵にハンマー持ちがいなくなったせいで、こちらのアーマーが強すぎるというバランス崩壊も感じました。

〇「おりる」コマンドの追加
 騎乗系ユニットが騎馬やドラゴンから降りることができるようになりました。これで、厳しい地形も徒歩に切り替えて歩いて行ける良変更ですね!
 と、言いたかったのですが、これを中心とした各所の変更点がめちゃくちゃ問題になりました。

影響その1:兵種ごとの武器制限
 ソシアルナイト系、ペガサスナイト系が剣を持てなくなり、槍のみで戦うことになります。代わりにそれらが「おりる」コマンドを使用した際になる兵種「ナイト」では剣しか使えなくなります。特にこの状態はほぼ傭兵や勇者の下位互換と化してしまい扱いづらいです。臨機応変に切り替える、と言っても武器枠の圧迫につながるだけで受けるメリットに釣り合いません。
 あと、おりるコマンドとは関係ないですが、アーマーナイト系が剣を持てなくなったのも選択肢の減少としてマイナスポイントです。

影響その2:城内の騎兵侵入禁止
 城のマップではすべての騎馬ユニットが強制下馬となります。前述の通り、歩兵剣士は傭兵で間に合っているのでかなり出撃させづらいです。最終面となる20章も城なので、「最終決戦にグラディウスを持って戦えるのはアーマーだけ」という意味不明な事象が発生します。

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城内への出撃は似たような兵種ばかりになって面白みに欠けます

 上記2つのポイントは多くのマップに影響を与えており、マップのプレイ感に変化が加わりました。これが私には少し「やりづらい」と感じてしまう部分が多く、引っかかってしまいました。

3.3.まだ変わってないの?という点

 ついでに「前作のまま変えてくれなかったもの」について、少し触れておきます。

〇マップの初期配置変更
 ユニットの出撃順番がマップの出撃マスに対応しているシステムなので、一応操作可能なのですが、単純にこちらで変更させて欲しいです。

〇増援即行動
 初代からの事故要員がまだ改善していません。一部のマップは前作と増援ユニットが変わっており、それに気づかずに味方をロストした例もありました。

〇武器の射程が書いてない
 これはシューター関連の間合いが取り辛いので改善して欲しかったです。


4.感想のまとめ

 上記のものが第1章をプレイした現段階での感想です。まとめますと、

・数々の改善点により『暗黒竜』より遊びやすくなっているのは事実
・ただ、なぜか前作より自由度が下がっている部分など、変えて欲しくなかった点も多く感じた
・なので「暗黒竜と比べるとイマイチ」と私は思った

といった感じです。マップ攻略中に仕様変更部分から感じるストレスが多くだいぶ辛かったです。ただ、大切なこととして『暗黒竜』をプレイした上での感想なので、不満だった部分も「前作知らなかったら絶対普通に受け入れてた」とは思います。

 これを踏まえ、今から「マルスが主人公のFEを通してやってみたい」という方は、

①『紋章の謎』の第1部と第2部をプレイする
②『暗黒竜と光の剣』と『紋章の謎』の第2部をプレイする

のどちらかがオススメです。特に「モチベがすごくある」という方でない場合は『暗黒竜』と『紋章』第1部を重複してプレイする必要はないと肌で感じました。可能な限り仕様面のストレスなくプレイしたいなら①で全然問題ないと思います。


5.おわりに

 『紋章の謎』の第1部をプレイした感想は以上となります。今のところ、個人的な感触はあまり良くない感じでした。ただ、これからプレイする予定の第2部は完全に未体験の領域です。ストーリーも大まかにしか知りませんんし、マップに関しては全く無知ですので、新鮮に感じられることでしょう。

 『紋章の謎』第2部が終わり次第、また感想を書きたいなぁと思っています。そのとき、今の評価からどのような変化が起きるのかは分かりませんし、どうなっているのか自分でも楽しみです。ここまで読んでいただきありがとうございました。次回にご期待ください!


画像出典

(見出し画像含めたすべての画像)
switch本体機能で撮影

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