ゲームの音楽に惚れた作品の話:3作品目 ポケットモンスター ウルトラサン・ウルトラムーン
どうも、S(h)inと申します。
この記事は、私が「音楽に惚れ込んでから買ったゲーム」について話していくものです。3作品目は「ポケットモンスター ウルトラサン・ウルトラムーン」です。
1.この記事の執筆のきっかけ
このシリーズ「音楽に惚れ込んでから買ったゲーム」は、私の気分が乗ったとき思い出したように更新しようと思っています。しかし、先日「ポケットモンスター ソード・シールド」について音楽の感想記事を割と突発的に作ってしまうという事件(?)がありました。
この記事でも少し話しているのですが、私がポケモンに復帰したのは今回紹介する「ウルトラサン・ウルトラムーン」からなのです。この話題を出して以降、自分の中で「このゲームについて語りたい」という欲がふつふつ沸いてしまったので、記事を執筆することになりました。
2.作品の概要
このゲームは言わずと知れたポケットモンスターシリーズの本編作品です。通称「第7世代」と言われるポジションに属しており、3DSで発売された最後のポケモンです。なお、内容は前作「ポケットモンスター サン・ムーン」に変更や追加要素を加えたものとなっています。
ストーリーとしては、ハワイ諸島をモチーフにした「アローラ地方」を舞台に、4つの島の試練をクリアしていく「しまめぐり」の完遂を目指して主人公が冒険をするといった内容です。
サン・ムーン版との差異は多くありますが、中でもシナリオの変更は賛否あり、前作の反省を行ったような改編もみられる一方、新たに矛盾点が生まれるなど微妙なところのようです。
ですが、既存のものに要素を追加した作品なだけあって、さまざまな部分が豊富です。
・発売当時の全ポケモンが集結
・クリア後イベント「レインボーロケット団」
・対戦用施設「バトルタワー」で過去作のキャラクターの登場
・「ウルトラワープライド」にて複数の伝説のポケモンに会える
etc…
これらの要素のおかげで、音楽の量もすごいことになっています。特に過去作関連では当時の楽曲がアレンジされたものや、またそのままの音源で再録されたものもあり、聴きごたえたっぷりです。
3.購入までの経緯
私が「ウルトラサン・ウルトラムーン」を購入する最初のきっかけとなったのは、動画で耳に挟んだBGM『ポニの大峡谷』です。もう、びっくりしました。ダンジョン曲は厳しめのものになりやすい偏見があったのですが、リズミカルなメロディに始まり、笛の優しいながら寂しさを感じさせる音色を耳にしたとき衝撃を受けました。この時は「今のポケモンの曲はすごいな!」といった感じで、まだ購入の方向には行きませんでした。
そんなある日、ある友人とポケモンの話題になったときに「今作は音楽がいいから買うべきだ」と進言されました。友人は結構ガチ目にポケモンをやってるタイプの人間で、そっちの道に来てほしいのかな?とか思ったりしたものですが、重要な点はそこではありませんでした。
それは、今作の音楽が「ゲーム音楽に主眼を置いていない人に『良い』と思わせている」ことでした。当人にとって何気なく聴いている音楽でさえ『良い』と思わせる力があるのだ、ということです。
この進言を受けて、私は自分の中で「ダイヤモンド」が最後となっていたポケモンを今一度プレイすることを決意。中古ショップにてまだそこそこのお値段だった「ウルトラサン」を購入しました。すべてはゲーム音楽を実機で聴くために。
4.実際のプレイ内容
そしていざ本作をプレイしたのですが、自分でも信じられないほどにハマってしまいました。なんかこう、段階的に沼に沈んでいく感じに。
まず「ストーリー攻略」をしていたのですが、戦闘の難易度がとてもちょうどいい。程よい難しさがあるけれども、アイテムその他でいくらでも対策できる感じで楽しめました。難易度をある程度理解してからは手持ちを鋼ポケモン一色で染めて本編クリアまで行きました。そこそこボリュームのあるストーリー自体もじっくり味わえて楽しかったです。
しんかのきせきを持って活躍したレアコイルくんに感謝
次いで、ストーリー中で回収できた鋼ポケモンの数が多かったので思わず「ポケモンの厳選と育成」に手を出してしまいました。復帰前の「ダイヤモンド」では行わなかったんですが、完全に勢いでやってしまいまして、最終的にはレートで使用可能な全鋼ポケモンの型を一通り育成するまでやりこみました。
加えて、いろいろなポケモンを作中で入手できたために、勢いで「アローラ図鑑完成」を目指しトレードを繰り返しました。とりあえずおおざっぱにGTSで穴埋めをし、残り数匹は友人に協力してもらうことで完成に至りました。
そして、図鑑完成報酬のひかるおまもりが色違いポケモンの出現率を上げるアイテムということで、とうとう「色違い孵化厳選」を始めてしまいました。もうだめですね。書き連ねてる自分が一番「こいつ頭おかしくなったか?」と思うくらいのエスカレートぶりです。結果、ボックスには自力で育成した色違い鋼ポケモンが9匹います。
記念すべき最初の色違いはアイアント(♀)でした
そんなこんなでプレイがエスカレートしていき日々の生活もポケモンに侵食されていったのです。2019年の約半年はこのゲームに吸われましたね。最終的な総プレイ時間は822時間(2020/01/13確認)でした。
こんなに長く遊べたのも、ひとえに「音楽がよかったこと」があると思っているわけですが、その具体的な話を次の章でしていきます。
5.実際にプレイして聴いた曲の感想
実際のプレイから感じたものは「ポケモンの音楽の幅広さ」です。そもそも、ポケモンはその時々のゲームハードを乗り継いだシリーズです。そんな中、自分のプレイした最後の作品はDSで発売されていた「ダイヤモンド」であり、独特の音源が曲にある種の統一感をもたらしていました。しかし、本作は3DSのゲーム。その音源の自由さから、曲の方向性も多様化していたことに驚かされました。
わかりやすい戦闘曲で言いますと、従来の作品と同様の雰囲気を感じたのは『戦闘!野生ポケモン 』でしょうか。やはり通常戦闘はストーリーで最も多く聴くことになりますし、奇をてらったりせず王道な感じで作られています。ちなみに、本曲は「サン・ムーン」の『戦闘!野生ポケモン』のアレンジで、比較すると軽快さを減らしつつも厚みを出した感じになっています。
比べて、かなり驚かされた曲もいくつかあり、その中でも特に印象強かったのは『戦闘!ウルトラネクロズマ』です。タイトル通り、ウルトラネクロズマとの戦闘で流れるのですが、イントロから威圧感がすさまじいです。神々しくも感じられるポケモンのデザインとのマッチ具合が素晴らしく、伝説に挑むのだという気分にさせられました。また、後半にテンポが上がり曲がスピーディになる場面はプレイヤーの高揚感を掻き立てます。
なお、実際の戦闘は6vs1という数的不利をものともしないパワーを持つネクロズマが立ちふさがる難所です。加えてイベント戦闘でありボールも通用しないため、どんな人でも討伐するまでじっくり聴かされる仕様です。私は前述の通り鋼統一パで挑みましたが、手持ちのダイノーズ(Lv63)がフォトンゲイザーを2発耐える快挙を成し遂げ突破できました。
このように、場面に応じて「ポケモンらしい曲」と「ポケモンらしからぬ曲」を切り替えることで、プレイヤーに状況を楽しんでもらえるような工夫があったと私は感じました。
5.気に入った楽曲紹介
そんな幅のある楽曲の中で、自分が特に気に入った楽曲をいくつか紹介させていただきます。
○戦闘曲
『戦闘!スカル団ボス』
タイトルにある通り、スカル団ボスのグズマとの戦闘BGMです。一般戦闘員のBGM『戦闘!スカル団』で用いられているフレーズを継ぎつつ、より好戦的なテンポで流れる曲がかっこいいですね。ラップ風ボイスサンプリングが基本ずっと流れていますが、それが止まるパートはスッと楽器数が減って冷静に戦いを見つめるキャラクター性を感じたりします。
ちなみにスカル団のBGMはイントロが統一されていますが、この試みは次作「ソード・シールド」のエール団にも用いられています。戦闘曲もキャラクター付けの一部です。イントロという曲の重要部分で統一感を出すことの重要性を本作で確信したため、引き継がれていったのだと思われます。
『戦闘!グラジオ』
本作のライバルの1人、グラジオの戦闘曲です。初登場ではエール団の用心棒というポジションで出てきますが、前述のイントロ統一から外れていることが逆に印象的に働きます。
実際の曲内容は「ギターがぎゅんぎゅんでかっこいい」といういかにも思春期の子に受けそうな感じです。が、それで終わらないのが面白いところ。曲初め頃は軽快さをとにかく感じるのですが、メインメロディはどちらかというと哀愁を感じるもので一貫しています。ギターの勢いで攻める曲でもよかったのですが、どちらかというと優しさを感じる曲調はキャラクターを見て作られたかのようです。
『戦闘!ルザミーネ』
エーテル財団トップ、ルザミーネとの戦闘BGMです。荘厳さを感じる弦楽器と威厳を感じる管楽器が合わさって、高貴さを醸し出していますね。他の固有曲持ちキャラとは違ってどこか楽曲から余裕を感じるのもキャラクターとのマッチ具合がいいですね。
『戦闘!エーテル財団トレーナー』とは使っている楽器はかなり近く雰囲気も似ています。しかし、あちらは「いままで味方だと思われていた相手が敵に回る」という印象を持たせるためか緊迫感が感じられるように区別されているのは流石だと思います。
『戦闘!四天王』
アローラに新設されたポケモンリーグ。そこに集められた知り合い多めの四天王に挑む際流れる曲です。まず、ゴリゴリ鳴るようなイントロにとても威圧されつつ、画面では目の前にいる四天王が勝負を仕掛けてくるというタイミング合わせが素晴らしいですね。以降は緊張感を全く絶やさないじりじりとしたものですが、途中で不安定感を煽るメロディが入ってくるのがまたいいです。
この曲の最大のポイントは、いままで聴いてきた『戦闘!しまキング・しまクイーン』と比較されることを前提にしたかのような作りですね。あちらはやや軽快なものだったため、それを想起することで曲の緊張感がより増し、四天王の本気度を感じさせる仕組みになっていると考えられます。
○非戦闘曲
『テンカラットヒル』
私が「ウルトラサン」をやった中で、1番好きだった楽曲と言ったらコレを挙げるでしょう。メレメレ島の南に存在するテンカラットヒルと、ついでに本編クリア後ダンジョンのエンドケイプにて聴くことのできる楽曲です。
この楽曲の面白いところは「静と動」の切り替わりがはっきりしていることです。曲の頭のあたりははシンセサイザーで静かなメロディを刻み透き通った水のような印象を与えます。しかし、途中でピアノによる激しいメロディが間に入り洞窟の厳しさを表現。そしてまた透き通った音に戻るのです。洞窟曲らしく水滴が落ちてくるような音も混じっており、曲全体の統一感を生み出します。
この感動は「ダイヤモンド・パール」の『テンガンざん』を聴いて以来です。ただし、2曲の大きな違いとして前述の通り「静と動」の差がはっきりしているかどうかが挙げられます。『テンガンざん』は「少しずつ静から動へ曲を変化させ、盛り上がったところでふっと静に戻る」という部分が特徴ですし、好みによって評価が分かれると思います。
『ライドポケモン(陸上)』
ケンタロスやムーランドにライドしているときに流れる楽曲で、従来の自転車BGMに該当します。カントリー風の曲が小気味良いテンポで織りなされる良曲です。正直、厳選の際に延々と聴く羽目になるのですが、聴き疲れないよう楽器の数を絞ったり、難しいメロディを使ったりしない工夫がうれしいですね。まぁ、人によっては聞き飽きてるとは思います。致し方なし。
『ポニの古道』
しまめぐり最後の島、ポニ島のフィールドBGMです。おおらかでゆったりとした曲調からは「いよいよ大詰めだ」という達成感と「もうすぐ旅は終わるんだ」という哀愁を感じさせられます。私はポニ島のフィールドに入ってこの曲が流れた時点で操作を止め、しばらく曲をかみしめてました。クリア後にラッキーでレベリングをする程度にやりこんでいる場合は、これまた延々聴く曲ではあるのですが。
○「ウルトラサン・ウルトラムーン」新規曲
『戦闘!ウルトラ調査隊』
ウルトラホールからやってきたウルトラ調査隊の面々との戦闘BGMです。バリバリのテクノ調で、思わず「ポケモンでこんな曲作っていいんだ!?」と衝撃を受けた部分があります。だからこそ、通常のトレーナーとは違うというイメージを強く与えることができるんだと思います。
イントロの奇抜さが目を引きますが、以降のメロディは重々しいパートを時々混ぜつつ展開することで、より「異物感」を引き立たせているように思います。
『ウルトラワープライド』
別世界への扉、ウルトラホールへ入るためソルガレオ・ルナアーラに乗って行うミニゲームで流れるBGMです。ミニゲームと言っても、ウルトラビーストや過去作品の伝説ポケモンと会うためにやらねばならず、結構えぐい仕様のものとなっています。
肝心の内容は伝説のポケモンの背に乗って異空間を駆け回るとあって、とても軽快でワクワクするタイプの曲です。バックで聴こえるギターの音色が渋みを出していて素敵ですし、さりげなく『戦闘!ウルトラビースト』のメロディが入っているのもかっこいいですね。
『戦闘!レインボーロケット団ボス』
「ウルトラサン・ウルトラムーン」の追加要素であるレインボーロケット団イベントで戦うボス、サカキの曲です。この曲は部下の曲である『戦闘!レインボーロケット団』と同じく、「金・銀」の『戦闘!ロケット団』などをアレンジして作られています。
ですが、低音管楽器を用いた本曲はしたっぱどもと同じ曲を元にしているとは思えないほど重厚。イントロに共通のゲームボーイ風音源を使うことでより落差を表現する部分もお見事です。
6.まとめ
大分長くなりましたが、これは私が2019年にあまりにも「ウルトラサン」にのめりこんだからです。ゲームとして素晴らしかったですし、ゲームや演出などと合わさった音楽の堪能もしっかりできました。
執筆しながら曲を振り返ってみると、「ソード・シールド」での曲作りに至った過程を見ているようで面白かったですね。ついでに、本作では過去作の伝説ポケモンと戦う際に当時のBGMが流れるなどのファンサービスもおおいので、1粒でとてもおいしいソフトだと再認識されます。
執筆中の今は絶賛「ソード・シールド」が発売中ですが、今後ポケモンが移送できるようになるみたいですし、最新作で復帰した人は1つ戻って「ウルトラサン・ウルトラムーン」をやってみるのもありかもしれません。あ、そういう人は3DSも持ってない恐れがありましたね…
そんなこんなで、前の2回とは明らかに熱量の違う回となってしまいましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。また次回お会いいたしましょう。
画像出典
(見出し画像)
ポケットモンスター ウルトラサン | ニンテンドー3DS | 任天堂https://www.nintendo.co.jp/titles/50010000043877 (2020/01/13閲覧)
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