トイレのないマンション
トイレのないマンションとは
これは核燃料のゴミを最終処分する場がないまま原子力発電を行っているわが国の状況を言い表した言葉です。
今も福島第一原発のタンクに溜まり続けている汚染処理水について、海洋放出が決まりましたね。
2021年4月、菅元首相は
これまでに溜まった汚染処理水137万立法メートル、これは東京ドームの容積に匹敵するほどで、これ以上、タンクを増設する余地がない、この汚染処理水をどうにか処分する必要があるという理由で、海洋放出を決めたわけです。
汚染水処理
さて、汚染処理水とは、原子炉の冷却に使われた高濃度汚染水を、ALPSという装置でセシウムやストロンチウムなどを除去する処理をしたうえでタンクに貯蔵されているものです。
ところがこのALPS処理では取り除けないものがトリチウムという核種です。
水素に似た性質を持つトリチウムは、これまで大きな人体への影響がないとされ今も通常運転している原発から水蒸気として大気中へ放出されています。
しかし、このトリチウムに大きな警告を出している団体が少なからずあります。
トリチウムとは何?
通常運転時の健康被害として小児がん発生率や、ダウン症発生率など国内外の報告も、数多くありますが、ここでも問題となるのはトリチウムです。
トリチウムは弱いベータ線を出します。
これは1ミクロンくらいしか飛ばないので血液として全身をめぐっている間は遺伝子を殆ど攻撃しません。しかし、いったん、細胞に取り込まれさらに核の中に入るとDN Aまでの距離が短くなりセシウムやストロンチウムなどと同じようにDNAを攻撃します。
しかもトリチウムはこの先があるのです。
科学的に水素と似た構造のトリチウムは水素と入れ替わることができます。
トリチウムはヘリウムに変わる
DNAの構造には水素がたくさんあり、トリチウムがここに入り、通常の水素と入れ替わってもまだ、その時点ではDNAは正常に動きます、
ところが問題はトリチウムは放射線を出したあと、ヘリウムに変わります。
そうなると、放射線でDNAを傷つけるのに加えて、ヘリウムに変化した部分のDNAが壊れて遺伝子自体が故障してしまう、つまり発がん性が一気に高くなる、というわけです。
これは実際に、シカゴ郊外で100人以上の小児がんを引き起こしたと して、訴訟が起きています。
ALPSで処理した水を「汚染処理水」と呼んでいますが、このトリチウムに関しては、全く処理されていない、言ってみれば「トリチウム水」なわけですね。
海へ流すと海水より軽いトリチウムはすぐ海面に浮き、蒸発し、雨となってまた私たちの元へ降り注ぐことになります。
海も川も地面も、魚も、虫も、動物も人間も、皆ひとつの地球の構成物であること、東電や日本の政府はどう考えているのでしょうか?
私たちにできることは、まず、知ること、
知 ることから初めていきたいと思います。
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