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リン・ミンメイさんの「私の彼はパイロット」を"ガチの昭和女性アイドル歌手のデビュー曲"に仕上げる理論
今回はアニメ「超時空要塞マクロス」に登場するリン・ミンメイさんのデビュー曲「私はパイロット」についての記事になります。
そもそもこの曲は「アニメ内でちょっと使われるくらいの曲」として作られたものなので「ワンコーラス1分11秒」という非常に短い楽曲です。
ただ、曲自体は「昭和女性アイドルらしい曲」というか、かなりレベルが高い曲なんですね。
曲も作詞は阿佐茜 (チーフディレクター・石黒昇さん、脚本家・松崎健一さん、プロデューサー・岩田弘さんの共同ペンネーム)、作編曲は羽田健太郎さん、歌唱は"本物のアイドル"の飯島真理さんという布陣で制作されています。
ということで今回は
・「私の彼はパイロット」の楽曲解説
・「私の彼はパイロット」を"ガチの昭和女性アイドル歌手のデビュー曲"に仕上げるとしたらどうすればいいのか
というテーマで記事を書きたいと思います!
・「私の彼はパイロット」の楽曲解説
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・歌詞について
「私の彼はパイロット」はオリジナルバージョンの「PART Ⅰ」とファンの熱量から作られた2番である「PART Ⅱ」があるのですが、歌詞はどちらも「彼女目線からの飛行機用語を交えたラブソング」という感じです。
いや、「本当に彼氏がこの歌詞通りのパイロットであるとしたら最高にロマンチックな人」だと思いますね。
マクロスの制作陣が80年代アイドルの歌詞を凄い研究し尽くして歌詞を考えたように思えますね。
・メロディについて
メロディに関しては結構"展開が激しい"と思います。大胆な転調が多いですね。
その分飛行機が上昇したり旋回したりするという模様を表現出来ていて素晴らしいと思います。
最初にサビから始まるのも良いですね。
・サウンドについて
サウンド面に関して言うと、アイドルソング然としていますが非常に音数が少ないと思います。
勿論ストリングスやホーンは入っているのですが、「リズムセクションが出過ぎていない」ことや「飛行機ソングなのにシンセの音を使っていない」ことがポイントですね。ギターもアクセント用や旋律用にしか使われていません。
恐らくギターが全面に出てしまった場合「この曲の素朴な雰囲気は崩れる」と思いますね。
また飯島さんの可愛らしいボーカルも最高ですね。
・では「私の彼はパイロット」を'ガチの昭和女性アイドル歌手のデビュー曲"に仕上げるにはどうすればいいのか
ここからは"昭和邦楽研究家"である僕の知見をもとに曲のセクションごとに分けて1個1個解説していきたいと思います!
フルコーラスで作ります!
・イントロから頭サビまで
まずイントロの前、曲の1番頭の導入部分に「飛行機の飛ぶ音の短いSE」を入れて曲の雰囲気をイメージさせる必要があると思います。
更にイントロを少し長くする必要がありますね。
イントロの最初の部分に"クレッシェンドな8分刻みのストリングスソロ"を1小節分入れて、段々盛り上がる感じにイントロを仕上げる必要があります。
その後普通に最初のサビに入ります。ここまでで一段落です。サビの部分のアレンジは変えません。ギターもそのままです。
・最初の間奏からサビ前まで
まずサビの後のブラスのソロを1小節から3小節に増やします。元のフレーズにオチをつけてそれを2回回しにする感じにします。
それにより頭サビかはAメロ間の間を取ります。
更にAメロ等で鳴っているギターのカッティングのフレーズをもうちょいオシャレにします。更にミックスでギターが少し前に出るような形にします。
更にAメロを歌い出したあたりで大谷和夫さんがよく使うような「浮遊感のある単音シンセのフレーズ」を差し込みます。これにより曲をフワッとさせる効果がありますね。
あと「♪大きな〜」あたりの節目に差し込まれるブラスのフレーズをもう少し複雑な感じにしたいですね。
これ以外には曲の構成を大きく変える必要はありません。曲の展開もこのままでサビ前まで行きます。
・"かつてサビだったもの"から2番のサビ前まで
えっーとですね、1番のサビはカットします。
つまり「♪お熱なの〜」からそのまま間奏に入る感じですね。
その代わりに「サビをアレンジしたフレーズを柔らかくピッチの高い音色のストリングスとシンセにより演奏する」間奏を作ります。それが元のサビ+ちょっとの長さですね。
そこから2番がスタートして1番と同じ感じでサビ前まで進みます。
・2番のサビ&ラスサビ&アウトロ
ラスサビとありますが、2番のサビを食い気味に2回回しにしてラスサビにする感じです。
つまり「♪ キューンキューン キューンキューン 私の彼はパイロット〜(食い気味) キューンキューン キューンキューン 私の彼はパイロット〜↑」という形になりますね。
そこから頭サビの後の間奏と同じブラスのフレーズ(3小節)を演奏して、原曲の同じように終わります。それがアウトロです。
これで一応昭和女性アイドル歌手のデビュー曲っぽくはなると思います。
・これによる弊害
一応僕は「この曲を仕上げるにはこうすればいいんじゃないか」って感じで考えたのですが、先程も書いた通り「これをやるとこの曲の素朴な雰囲気が崩れる可能性」が大いにあります。
なので、本当はこのコンセプトをもとに曲の構成から作り直した方が確実なものが作れると思います。