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【2021年9月版】デジタル・クライシス(炎上)の傾向について

こんにちは!デジタル・クライシス総合研究所です。

自民党総裁選や衆議院議員の総選挙が一段落し、コロナウイルスまでも落ち着きを見せてきている日本国内ですが、依然油断ならない状況が続いているのは確かです。

また、選挙の時期になると同じくらい目立ってくるのが、公職選挙法違反による炎上です。少し前にも、人気アニメのデザインをとある議員が選挙ポスターにそのまま使用し、炎上してしまう事件が発生しました。

今月も以下記事に引き続き、2021年9月に起きた炎上件数や内容・世間の反応などをご紹介していきます。

企業の炎上リスク対策担当の方やSNSを頻繁に利用する方は、こちらの記事を定期的に購読いただき、最新の炎上傾向の把握にお役立てください。

2021年9月内に起きた炎上件数と内訳

それでは早速、2021年9月内に起きた炎上のデータについてご紹介していきます。
※調査対象は、Twitter・Facebookなどの主要SNSをはじめYahoo! ニュース・アメブロ・Fc2 ブログ・Yahoo! 知恵袋・2ちゃんねるなどです。

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上記は、2019年・2020年・2021年の同じ時期に発生した炎上件数をグラフ化したものです。

2021年9月は153件の炎上が確認されました。前月の144件と比較すると微増ながら増加傾向にあるのが気になるところです。
また、前年2020年9月の109件と比べると、今年は50件近くも増加しており、炎上事案は年々衰えるどころか、ますます勢いを加速させていることがわかる結果となりました。

また、2019年・2020年の発生件数を見ると件数の波が激しいのに対し、今年は振り幅があまりなく、同じような件数を推移しているのが特徴的です。
この結果から、まだまだ油断ならない時期が続くことが予見されます。

では次に、どのような行動が原因で炎上に至ってしまったのか、問題行動の内容別内訳を見ていきましょう。

なお、各内容は下記のように分類・分析を行っています。

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9月は数ある炎上原因の中でも「2-3」 (非常識な発言・行為、デリカシーのない内容・発言・行為 )がもっとも高く、47.1%と全体の半数近くを占める高い割合となりました。次いで、「 2-4 」( その他、特定の層を不快にさせるような内容・発言・行為 )に該当する炎上が多いという結果です。

前月同様に「2-3」が52.1%ともっとも高い割合となっていたため、炎上傾向があまり変わっていないように捉えることもできます。しかし、それは今までと同様に、人々が過敏になっているとも考えられ、普段は気に留めないような言動や行動でも気になり、炎上に至っている可能性があると言えます。

また、前月の3.5%から10.5%と倍以上も増加したのが、「1-5」 (不正行為 )です。不正行為とは盗作・あおり運転・長時間労働などが該当しますが、法律にも関わってくる重いカテゴリーのため、糾弾される可能性が非常に高く発見された際には瞬く間に炎上してしまうのが特徴です。

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さらに詳細な問題行動を分析したところ、「その他」を除きコロナ関連に関する炎上事案がもっとも多く27件、 次いで「差別・偏見」に関するものが18件という結果が出ました。

前月もコロナ関連の炎上が34件と多く、件数自体は下がっているものの炎上しやすいテーマであることに変わりはありません。
少しずつコロナ感染者も減りはじめ、日常を取り戻すべくアクティブに動き出している企業や個人が増加しているかと思います。油断しがちになる今だからこそ、より一層炎上対策を意識する必要があるでしょう。

2021年9月(8月下旬含む)に起きた炎上事例

それでは、2021年9月に実際に起きた炎上事例を見ていきましょう。

9月の傾向としては、テレビ番組・SNS・公式サイトなど媒体問わず炎上していたのは前月と変わらずですが、責任ある立場にある企業や個人を中心とした炎上が多かったのが印象的です。

大規模ヒップホップイベント

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参照:https://news-news-news.net/archives/7569

緊急事態宣言下の中、8月29日に名古屋で行われたヒップホップイベントにおいて十分な感染症対策が取られていないなまま開催したことに関し、主催者側に非難が集中し大炎上した事例です。

Twitterやインスタグラムには、酒の缶などのゴミが道端に散乱している画像・観客がろくに距離を取らずひしめきあっている会場の画像などが投稿されました。

大村秀章愛知県知事は、30日に会見を開き

「ステージ前ではソーシャルディスタンスが取られておらず、一部酒類の提供もあったようだ。要請が守られず極めて遺憾だ」

などと話し、主催者に抗議したと発表。また、主催者側に今後、県の関連施設の使用を禁止するよう通達したとの趣旨を表明しています。

事はこれだけに収まらず今度はイベントに参加した某アーティストに非難の矛先が向けられ、自身のTwitter上で謝罪を行う騒ぎとなりました。

さらには同イベントに観客として訪れていた女性アーティスト2人は、マスクを外した状態でイベントに参加していたことが判明し炎上。彼女達が配信しているYouTubeチャンネルも動画配信が一時ストップとなり、Twitterに謝罪文を掲載する事態にまで発展しました。

尾瀬ガイド協会

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参照:https://www.j-cast.com/2021/08/24418788.html?p=all

群馬県や福島県にまたがる観光名所、尾瀬のガイド協会が公式Twitterで投稿した内容が不適切だと批判を浴び、炎上した事例です。

問題となった投稿は以下の3種類。

「現在、たくさんのお花が開花中!まるで、女性専用車です たくさんの『とってもいい香り』思わず、息を吸い込みます」

「貴方だけにこっそりお伝えします なぜ、『ベラルーシは美人が多いのか?』お母さんもお父さんも美人(イケメン)が多いからです」

「例え、都市部がほぼほぼロックダウン状態になったとしても、貴方の心と尾瀬の湿原は広大です。アフガニスタンやミャンマー、ロヒンギャに比べれば幸せです」

各方面からの批判を受けた同協会は「セクシャルハラスメント、人種差別など、人権侵害に受け取られかねない表現」を含む投稿をしていたとして、ウェブサイトで謝罪。その後、アカウントは削除され「多くの方に不快な思いをさせてしまい、誠に申し訳ありませんでした」と謝罪文を掲載する事態へと発展しました。

こちらの事例は、あまりにも不用意な発言が目立ち炎上へと至りました。例え、発信する本人・企業にその気がなくとも相手側から見てどうなのか?慎重に見極める必要があるでしょう。そのためにも、第三者視点でのリスクチェックは必要不可欠だと思われます。

千葉県富里市議 江原利勝氏

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参照:https://mainichi.jp/articles/20210907/k00/00m/040/207000c

江原氏は市議会本会議の一般質問で、「市内の中学校の制服を性的少数者(LGBTQなど)に配慮して変更するか?」を話し合う際、LGBTQを「病気」と表現していたことが分かり、SNSなどで批判が相次いだ事例です。

江原市議はすぐに発言の取り消しを求め、「不適切だった。不快を与えたのであれば申し訳ない」と謝罪を行っています。

炎上事例に対する世の中の反応とは?

では、上記の事例に対する世の中の反応はどのようなものだったのか見ていきましょう。

■大規模ヒップホップイベントの炎上に対する反応

「愛知県民として恥ずかしい…」
「炎上というより大炎上。歴史に残るな」
「結局ルールやマナー守らずに開催した主催者が悪いけど、マスク付けずにワチャワチャしてた人らもどうかと思います」

主催者側への批判はもとより、出演者・観客・イベント自体への批判が集中しました。

直接的な原因ではないにも関わらず、主催者以外に次々と飛び火してしまったのがこの炎上の特徴であり、怖いところです。特にコロナ禍での不謹慎な言動は、炎上しやすくさまざまな方面へと波及する可能性が高いと考えられます。
イベントを主催する側、参加する側の両者に責任ある行動が求められます。

■尾瀬ガイド協会の炎上に対する反応

「本当に素敵な所なので、悪い印象を持たれるのは本当に残念」
「尾瀬ガイド協会が炎上と聞いて検索したら、予想以上でどんびきでした」
「行きたくなくなった」

セクハラ・人種差別・人権侵害など、人の尊厳を貶める発言や行動は即炎上に結びついてしまう傾向があるため、細心の注意が必要です。

しかしながら、尾瀬ガイド協会が掲載した謝罪文に対して以下のような意見も多数挙がりました。

「素晴らしい」
「謝罪文とはこういうものだ」
「他の炎上した企業に尾瀬ガイド協会の垢を煎じて飲ませたくなる謝罪文」

上記のように謝罪文を擁護する意見が拡散されたことにより、尾瀬ガイド協会に対する印象も幾分か和らいだ印象です。炎上防止策はもちろん、炎上後の対策がいかに重要かが分かる事例と言えるでしょう。

しかし、炎上しないに越したことはないため、何かをリリースする際の最終チェックは内部だけで済ませず、他部署へ確認依頼を行ったり、外部へ最終チェックを委託するなど、より慎重に行うことが重要です。

江原利勝氏の炎上に対する反応

「当たり前ですが、LGBTQは病気ではありません」
「議員は人前で喋るのが仕事なので、誰よりも勉強していて欲しい」
「当人の差別意識に問題があるのだから、適切なカウンセリングや研修を受けるべき」

偏見やデリカシーのない発言は特に炎上しやすいカテゴリーと言えます。今回は個人の性的マイノリティに関わるセンシティブな内容なだけに、厳しい反応が多数を占めました。

著名人や有名人、そして特に責任ある立場にある方などは炎上の的になりやすいため、言動には十分な注意が必要になります。

まとめ

今回も炎上傾向・実際に起きた事例をご紹介してきました。

SNSや動画サイトなどでは、何気なく発した個人的な意見が炎上してしまうケースが多発しています。

SNSにアップした時点で世界中に発信をしている状況になるため、できる限り軽はずみな発言をしないことが得策と言えるでしょう。

また、弊研究所では企業の広報担当者などに向けて、最新の炎上傾向を調査・分析し、お知らせしています。
その時期やタイミングによって炎上の傾向というものが変わるため、月に1回炎上研究レポートの配信や、会員企業向けの炎上事例勉強会を行なっています。
勉強会で得たケーススタディを自社のリスク対策に活かしていただくことで、より強固な危機管理体制の構築ができるかと思いますので、もしご興味をお持ちいただけた方がいらっしゃいましたら、HPのお問い合わせやフォームからお気軽にご連絡をいただけますと幸いです。

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勉強会報告レポート:https://dcri-digitalcrisis.com/report/
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引き続き皆様のお役に立てる情報を発信していければと思いますので、
何卒よろしくお願いいたします。

最後までご覧いただきありがとうございました!



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