炎上後の実際の影響は?企業活動において予防・対策が重要なわけ
こんにちは!デジタルクライシス総合研究所です。
1日に約4件のペースでSNSなどのソーシャルメディアを中心に、いたるところで発生している炎上。
こうも数が多いと、いつ自分や自分が属する組織に火の粉がかかるか戦々恐々としておられる方も少なくないのではないでしょうか。
しかし、炎上が起きるとどうなるか、それが企業であればさらにどのような影響があるのかご存知でしょうか。
今回は炎上後の影響、実際に炎上した企業の対応についてなど、詳しくご紹介していきたいと思います。
自社での危機管理体制を構築する上で予防・対策がどれだけ重要なのか、改めてご認識いただき、実際に危機管理体制を構築する際の参考にしていただけますと幸いです。
サービス利用への影響は約半数以上
今回、実際にどれほどの方が炎上事案や関連ニュースに関心を持ち、消費者行動に影響を与えるのか調査すべく、弊研究所では47都道府県の10代~60代の男女計5,104人を対象に”炎上事案の特性に関する調査”というアンケートを実施いたしました。
そこで、企業にとって死活問題となりうる商品やサービスへの影響度合いについて調査した結果、以下のようなデータとなりました。
「購入や利用に影響はなかったし、優先順位も下がらなかった」と回答した方は47.5%。ここだけに焦点を当てれば「半数以上は影響がなく、案外問題ないのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、詳細に中身を見ていくと、残りの半数以上52.5%(5,104人中2,678人)の方は「購入や利用を再検討・停止・もしくは知人に炎上の事実を共有した」とネガティブな回答しているのです。
この結果は、企業や店舗の担当の方からすれば、見過ごせない数値であるのは明白です。
さらに、年代別ネガティブ回答の比率を見ると、20代(39.9%)がもっとも高く、次いで10代(38.2%)、30代・40代・50代と年代が上がるごとに割合が低くなっていくことがわかります。
また、これらの結果から、今後さらに影響度が高くなっていくことも容易に想像ができます。
炎上後の対応が重要?
ここまで、実際に炎上してしまった場合の具体的な影響度について見てきましたが、では炎上したらそこで終わりなのでしょうか。
もし仮に炎上してしまったとして、その後の対応を見ている方がどれだけいるのか、また今後の印象にどれだけ影響を与えるのかについて見ていきましょう。
調査結果を見ると、必ずという訳ではないものの「確認する」と回答した人は、全体の58.6%(5,104人中2,989人)と約半数以上の方が炎上後の対応についてもチェックしているという結果になりました。
また、謝罪文や謝罪会見など内容が納得できるものだと良い印象を受けると回答した人が30.4%(5,104人中1,550人)もいたことから、炎上して終わりではなく、炎上後の対応にも注意して行動することが重要だとわかります。
それだけではなく、炎上後の対応スピードでも人々の印象に影響を与えることが判明しています。
上記のデータを見ると、45.0%(5,104人中2,296人)と約半数近くの人が対応スピードにより印象が変わると回答しており、さらに炎上から24時間以内に謝罪文などが公表されると良い印象を受ける人が23.0%(5,104人中1,176人)という結果から、炎上後は対応スピードによっても大きく印象が左右されることがわかりました。
まとめるますと、炎上後の対応やスピードについて多くの方が注目しており、炎上後に「スピーディーかつどれだけ誠実な行動できるか?」が肝となってくるのです。
そのためにも、よりスピーディーかつ誠実に対応できる危機管理体制の構築、定期的な見直しを行うことが経済活動をする上で非常に重要なのです。
過去事例から見る炎上後の企業対応について
最後に、実際に炎上した企業の対応についていくつかご紹介してまいります。
炎上などの問題が発生した際には、対応の仕方次第で天と地の差が出てきてしまうことが多いため、改めて自社の体制について見直す機会としていただけますと幸いです。
①外食チェーンOの場合
2020年10月に起きた炎上事例です。
ある消費者が外食チェーンOのオンラインフードデリバリーを利用し、弁当を購入したところ絆創膏(ばんそうこう)が混入していることに気付き、店舗にクレームを入れました。
しかし、クレームを受けた店長は「オンラインのフードデリバリーサービスで受け付けた注文の返品はできない」と返答。
その後、店長から「返金はする」と言われた消費者が手続きしようとしたところ、「今は忙しくて対応できない」と断られたのです。
当然、消費者はそのやりとりを絆創膏混入の弁当写真とともにTwitterに投稿。不特定多数の人から非難を浴び、炎上しました。
ここで注目したいのは、「最初はそこまで大きいクレームではなかった」という点です。
これは、店側・店長の不適切な行動が大きな炎上へと発展させてしまったケースで、「小さなクレームだから」と決めつけず、誠心誠意対応していればまた違った結末を迎えられたのかもしれません。
②大手玩具メーカーA社の場合
当時、「#個人情報を勝手に暴露します」というハッシュタグがTwitter上でトレンド入りしていた頃、大手玩具メーカーA社がこれに便乗し、とあるツイートを公式アカウントに投稿します。
「とある筋から入手した、某小学5年生の女の子の個人情報を暴露しちゃいますね…!」というコメントとともに、少女人形の誕生日や身長、体重、声が聞けるサービスの電話番号、公式のプロフィール画像を載せた投稿でした。
これは、A社から発売されていた国民的な人気がある少女のキャラクター人形の声を電話で聞けるサービスを告知するものでしたが、「性犯罪を想起させる投稿で怖い」などと、批判が相次ぎ炎上してしまったのです。
その後、A社は最初の投稿から3日後に「表現に至らぬ点がございました」と謝罪し事態の収束を図ります。
が、A社は以前、「パンツの日」と言われる8月2日にもこの少女人形の下着セット画像を貼りつけたツイートを投稿し炎上していたのです。
さらに、事態は思わぬ方向へと向かっていきます。
批判の熱が冷めやらないTwitterユーザーは、A社と似た炎上を過去に出したことがある複数の企業をやり玉に挙げ、再度炎上内容を拡散させてしまう事態へと発展してしまったのです。
再度、炎上の憂き目に遭ってしまった企業からすると、A社の炎上は対岸の火事状態だったはずです。
「当事者以外まで飛び火する可能性がある」
こうした事態が往々にしてあるのが、炎上の特性だとも言えるでしょう。
まとめ
実際に炎上が起きた会社の行動・炎上後のサービス・商品への影響などを見てきましたがいかがでしたでしょうか。
何気ない発言や行動によって炎上してしまう世の中であり、炎上後にどのような行動を取るかが鍵となるケースが多くございます。
また、今回のデータから炎上後の行動に注目している消費者は多くおり、そればかりか、炎上後の行動が良ければ好印象と感じる方もいらっしゃることがわかりました。
実際に炎上した場合は、炎上してしまったと落ち込むだけではなく、スピード感を持ってどれだけ誠心誠意対応できるかが非常に重要となってきます。そのためにも、今のうちから「炎上に対するリスク」に備え、対策を講じておくのが肝要です。
企業活動においても、危機管理体制の見直しを定期的に行い、その時代にあったリスク対策を行えるような体制作りをおすすめしております。
また、弊研究所では企業の広報担当者などに向けて、最新の炎上傾向を調査・分析し、お知らせしています。
月に1回炎上研究レポートの配信と、会員企業向けの炎上事例勉強会をケーススタディとして活かすことで、自社のリスク対策をより強固なものにできるかと思いますので、もしご興味をお持ちいただけた方がいらっしゃいましたら、HPのお問い合わせやフォームからお気軽にご連絡をいただけますと幸いです。
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