将来的なリスクはわかる?SNS論調分析の方法とは
こんにちは!デジタル・クライシス総合研究所です。
8月に閉幕を迎えた東京オリンピック、時を待たずして始まったパラリンピックや選挙などビックイベントが目白押しだった日本ですが、そういった規模の大きい出来事に呼応するように発生するのが炎上です。
普段は歓迎されるイベントのオリンピックでさえ、開催前・開催中といくつかの炎上に見舞われたのは、皆さん記憶に新しいかもしれません。
ここ最近では、感染者数も落ち着きを見せているもののコロナ関連の炎上はあいもかわらず発生し、加えてセクハラ・モラハラ・不適切発言・誹謗中傷など幅広いカテゴリーの炎上も数を増やしてきています。
このように移り変わりゆくトレンドや炎上傾向に対し、「自社だけで対策できないのか?」「リアルタイムの傾向を掴みたいけどどうやればいいのか分からない」といったお悩みを持つ企業の広報担当、危機管理担当の方々は多いのではないでしょうか?
今回はそんな炎上対策や広報活動にも役に立つ、SNS論調分析の方法についてご紹介していきたいと思います!
SNS論調分析の方法
論調分析と言えど、さまざまな方法があると思います。
その中でも弊研究所が行っている論調分析では、「炎上トレンド」や「話題のトピック」からリスクを察知するという方法を実施しています。
具体的な方法としては、まずネットベースというソーシャルリスニングツールを用い、「炎上」というキーワードでAIによるクラスター分析を行います。これは、炎上リスクとなり得るテーマを抽出し、話題のトピックやリスクとなる要素を調査していくという方法です。
上記は、10月6日時点でのクラスター分析となります。8月や9月などは「オリンピック」「選挙」といった大きなイベントがあったので、分析結果の大半はそれらに関連するテーマが中心でした。10月はビックイベントがひとしきり落ち着いた頃合いだったこともあり、抽出されたテーマも多岐に渡っているのが特徴的です。
上記画像の赤枠、青色のクラスター群「野々村、謝る」を見ていくと、タレントの野々村真さんに関する炎上を指していることが分かります。
これは、新型コロナ感染により入院していた野々村氏がワイドショーにリモート出演した際、管総理に対し「菅総理にはもっと早く辞めてほしかった」と発言し炎上してしまった事件です。丁度、菅総理の進退が取り沙汰されていた時期だったこともあり、野々村氏に意見を求められた際の出来事でした。
2021年は東京オリンピックやコロナ対策など、誰が総理に就いても大変だったことに変わりがないのは明白で、ネットでは菅総理へ労いの言葉をかける人達も一定数いたことから、野々村氏の発言が不適切だと批判されてしまったものと思われます。
なお、野々村氏はこの翌週に同番組で謝罪を行っています。
上記のように、直近で話題になっているような世の中のトレンドを知っておくと、リスクの察知や予防につながります。
トレンドから炎上分析をするならば、「トレンドワード+炎上」で調べると効果的です。今世の中で話題になっている炎上事例を調査し、その炎上理由や炎上時の対応について把握しておくと、自社の炎上予防にも活かしやすくなります。
SNS論調分析の実践例
次に、クラスター分析した後に何をしたらいいのか?具体的に見ていきます。下記の画像を御覧ください。
上記は、炎上トレンドワードに挙がっていた「ラーメン」というワードに着目し、「ラーメン AND 炎上」というキーワードで調査した過去1年間のツイッター投稿件数のグラフです。過去1年間で3回ほど目立った山ができているのが見て取れます。
1回目の山は2020年11月14日。これは某製麺会社が「お父さんと子供がラーメンを食べ、家に帰ってきたお母さんとお父さんが洗い物をする」という内容の漫画を発表した際、一部の方から「出かけていたお母さんがなぜ洗い物をするのか?」などといった批判的な意見が挙がり、漫画の休止を追い込まれた事例です。
それに対して別の方々から「そこまでする必要はあるのか?」「削除する必要はない」といった声が高まったときに、画像のような突出した件数になったと思われます。
また、「その程度のことで批判するのはおかしい」「この程度のことで連載中止となったら、何も描けなくなるのではないか?」などと、休止したことを問題視する声や製麺会社を擁護する声が多くみられたため、製麺会社は漫画の再開を発表しました。
2回目、3回目の山を見ても「ラーメン」というワードになぞらえた炎上の発生が確認でき、山の高さ=世間の注目度が高いということが言えます。
次に、実際の投稿内容から人々がどのような考えで、何を訴えているのかを探っていきます。
上記は3回目の山の炎上(某ラーメン評論家)に対する反応です。「モラルが欠けている」「反論がひどすぎる」といった種類のコメントが挙がっていることがわかりました。
このように、クラスターで大きな炎上テーマを発見→細かくみてリスクを抽出していく、という流れが理想的です。
他にも、「炎上」というキーワードを含むツイートの「ハッシュタグ調査」や「トレンド調査」を行うなどの調査方法があり、これらを実施することである程度話題のトピックやリスクとなる要素を調査・把握することが可能となります。
トレンドや炎上ニュースを無料で見る方法
弊社で行っているクラスター分析などでは、ネットベースという有料ツールが必要となるためなかなか導入に踏み切れないという方がいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、今回は無料で簡易的にトレンドを知ることができる方法をご紹介していきたいと思います!
こちらのトレンドワードランキングというサイトでは、過去から現在 (2017年~現在まで) のTwitterとGoogleトレンドワードランキングを閲覧できます。また、現在のトレンドワードがリアルタイムでみられるのも特徴です。
有料ツールと比べ「炎上」というキーワードを含んだ「トレンドワード」の調査はできないものの、無料かつ世の中の流行りを調査するには適しているサイトと言えます。
気になるキーワードがあれば、TwitterやGoogleで詳しく調べることで炎上リスクやトレンドをいち早くキャッチできる可能性も十分にあるでしょう。
また、ライブドアニュースやYahoo!ニュースなどのネットニュース・Twitter内を「炎上」などのキーワードで検索すると、話題になっている炎上事例の調査が可能です。既に活用している担当者の方もいらっしゃるかもしれませんが、数週間に1回など低頻度のチェックでも、自社の炎上予防に役立つ情報が発見できるかもしれません。
なお、注意点としては、ネットニュースやSNSの情報の中には、タイトルに「炎上」と付けただけの非実在炎上や、デマ情報も存在します。全てを鵜呑みにせず内容をみて炎上状況を判断することが大切です。
話題性があるトピックだけでも確認するようにして、常に世論に対してのアンテナを張っておくようにしたいところです。
そして最後に、ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、Twitter検索のコツについてもご紹介したいと思います。
Twitterでの話題のツイートを確認するには、「高度な検索」を活用!
Twitter内で「高度な検索」という方法があることはご存知でしょうか?
この「高度な検索」を活用することで、話題のツイートの確認がさらに精度の高いものとなるので、Twitterで論調分析を行ったり、何か調査を行う際はこちらの方法もぜひ試してみてください!
①赤枠内の「・・・」ボタンを押す
②高度な検索を選択
③調査したい情報にあわせ項目を埋めていく
「高度な検索」では、以下のような検索が可能です。
・エンゲージで最小数を入れることで、
ある程度見られている投稿のみに絞り込む
・「日付」を絞ることで事案発生後のみを抽出する
・キーワードの組み合わせを工夫する
(and検索、or検索、not検索、ハッシュタグ検索など)
・「アカウント」を活用し、特定のアカウントの投稿や
特定のアカウント宛の投稿を抽出する
その他、特定のハッシュタグ(例.#炎上、#拡散希望)やアカウント(例.滝沢ガレソ[@takigare3]、コレコレ[@korekore19])の情報を随時チェックすることをおすすめしています。
まとめ
今回はSNS論調分析の方法について紹介いたしました。
ユーザーの心理状況が複雑化しており、どんなことがきっかけで炎上するか読みにくくなっているのが現状です。
そのため、多くの方が利用するSNSの論調分析は、非常に有効な炎上対策と言えるでしょう。
それだけでなく、最新のトレンドや炎上傾向を把握することで、自社の炎上対策はもちろん的確なプロモーション展開の一助となってくれる可能性も十分にございます。
また、SNSの論調分析やトレンド調査の実施は、事前にリスクを予測したり、対策を立てるために必要な情報となるため、企業の広報の方やリスク担当の方は、ぜひ実践していただけますと幸いです。
他にも、弊研究所では企業の広報担当者などに向けて、最新の炎上傾向を調査・分析し、お知らせしています。
その時期やタイミングによって炎上の傾向というものが変わるため、月に1回炎上研究レポートの配信や、会員企業向けの炎上事例勉強会を行なっています。
その勉強会で得たケーススタディを自社のリスク対策に活かしていただくことで、より強固な危機管理体制の構築ができるかと思いますので、もしご興味をお持ちいただけた方がいらっしゃいましたら、HPのお問い合わせやフォームからお気軽にご連絡をいただけますと幸いです。
会員プラン(法人のみ)について:https://dcri-digitalcrisis.com/member/
<注意点>
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※申請受領後、審査を行わせていただきます。審査完了後、審査結果のご連絡並びに審査を通過された方へ、加入手続き、年会費お支払い等のご案内をお送りいたします。
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勉強会報告レポート:https://dcri-digitalcrisis.com/report/
※レポートの一部を無料公開しております。
引き続き皆様のお役に立てる情報を発信していければと思いますので、
何卒よろしくお願いいたします。
最後までご覧いただきありがとうございました!