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「創造性の学び」を、どう実践していったのか <修了生インタビュー> 多ぁ望 その1
本日は、自動車メーカーで研究所のマネージャーであり、グラフィックレコーダーでもある、多ぁ望さんが登場です。ソーシャルクリエイターズ・スクール(SCS)での学びをどのように仕事やライフワーク活かしているのでしょうか?
※この記事は、音声メディアVoicyの「芝哲也のクリエイティブ・ジャーニー」より、011 「「創造性の学び」だけで、実践に繋がるの」をNote記事用に再編したものです。音声で聞きたい方はぜひ、右下のリンクからお聴きください♪
講義での学びから、地球を感じるイベントを企画できた!
【芝】今回のクリエイティブジャーニーのテーマは、創造性の学びが実践にどのようにつながるのかについてです。ナビゲーターとして、近藤隆さんこと、多ぁ望(たぁぼう)さんにお越しいただきました。多ぁ望さん、よろしくお願いします。
【多ぁ望】近藤です。私は多ぁ望というニックネームで、いろんな活動をしています。よろしくお願いします。
【芝】多ぁ望さんとは、誰もがクリエイティブになれる学校、ソーシャルクリエイターズ・スクール(SCS)で出会いました。多ぁ望さん、自己紹介いただけますか、よろしくお願いします。
【多ぁ望】はい、よろしくお願いします。現在は自動車メーカーの研究部門でマネージャーを務めています。エンジニアのクリエイティブな働き方を促進するため、組織開発に関わっています。
現在、2つの部門のマネージャーを兼任しているため、かなり多忙です。
プライベートでは、グラフィックレコーディングにハマっています。宇都宮でグラフィックレコーディングのワークショップを定期的に開催し、今年で6年目を迎えています。
【芝】今回のテーマは、創造性の学びが実践につながるのかということです。さっそくですが、SCSでの学びについてお話しいただけますか?
【多ぁ望】はい。私は、第1期の参加者として経験しました。その翌年、第2期ではTA(Teaching Assistant)として運営側にも関わりました。
参加者として、講義に加えて実践を伴ったグループワークなどを経験し、ここで非常にインパクトのある経験をすることができました。
【多ぁ望】特にインパクトがあったことは、共通する価値観を持つ「チームテラ」というメンバーで集まっていたことです。初日の出を拝む習慣があると思いますが、年末に日の入りを拝む習慣はありませんよね。そこで、日の入りの瞬間を各地でズームを通して繋いでるというアイデアが出ました。
チームメンバーは、私が住んでいる栃木が最北端で、兵庫県のメンバーが最西端に住んでいます。私たちは10人のメンバーで、直線距離で約500キロ離れた場所にいるのですが、Zoomを使って日の入りを中継していきました。
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この距離だと、日の入りが30分遅れるそうです。私がいる栃木では、もう真っ暗になっていますが、西のメンバーはまだ日が沈んでいないようです。
こういったところが徐々に変わっていくっていう。本当に地球を感じるイベントができたなっていうのが非常に印象的に思っております。
ビジョン、ミッション、フィロソフィーの作り方を学べた
【多ぁ望】もう一つ学んだこととしては、ビジョン・ミッション・フィロソフィー(VMP)の作り方ですね。
【芝】ビジョンが「描きたい未来」で、ミッションが「命を燃やしてやりたいこと、やるべきこと」ですよね。 他の人のためにという感じが強い。
フィロソフィーが「大切にしたい価値観」です。
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【多ぁ望】最初に個人のVMPを掘り下げていく時間があり、私自身のビジョンも色々考えました。私は、対話をもっと楽しく、もっと分かり合える形に見せることで、誰もがチャレンジできる世界にしたいと思っています。
このビジョン・ミッション・フィロソフィーを掲げ、先ほどのグラフィックレコーディングのワークショップなどの活動も続けてきました。チームとして動く中でも、非常にこの考え方を大切にしています。SCSで学んだこの方法は、とても強力だと実感しています。
例えば、自分自身の仕事の活動だったり、社外でのコミュニティ活動だったり、色んな場で活動することができました。
一つ例を挙げると、これも仕事ですが、学会活動の委員長を務める中で、VMPを作成したり、グラフィックレポートのワークショップでラフスケッチを作成したり、社内コミュニティの運営チームとしてVMPを定めたりしました。また、昨年からは組織活性化のための活動がスタートし、そのワーキンググループでもビジョン・ミッション・フィロソフィを定めたことでチームワークが加速しました。
【芝】VMPを決めることによって色々な活動がうまく回り始めたということですね?
【多ぁ望】このビジョン・ミッション・フィロソフィーを、チームメンバーと一緒に作り上げることで、基本的にベクトルが一致する感覚が非常にありました。
チームメンバーでビジョン・ミッション・フィロソフィをつくるコツ
【芝】結構難しいですよね。自分のビジョンを会社のビジョンに合わせられるかと言われると、できそうだと思うけれど、合わせられないかもしれないとも思っています。VMPを一緒に作るみたいなところにコツがあるって感じでしょうか?
【多ぁ望】なので、みんなで一緒に作っています。ここがずれちゃうと、すぐに方針がぶれたり、合意形成がうまくいかなかったりすることがあります。組織内には、そういう問題を抱えるところが多いと思います。
【芝】そうですね。
【多ぁ望】先ほど紹介したビジョン・ミッション・フィロソフィーの中の最後に紹介した組織活性化のワーキンググループ。この活動は、昨年1年間かけて非常に大変でしたが、チームワークとして非常にうまくいった経験になりました。
ここでは「ゴリゴリからじわじわへ」というコンセプトをフィロソフィーに掲げて、ゴリゴリマネージメントで疲弊した現場をどうやって盛り上げるかを三段議論しました。
ビジョン・ミッション・フィロソフィにより、自発的な行動をうみだす雰囲気をつくれた
【多ぁ望】それの議論を経ても、次から次へといろんな施策が降ってくるといった現場で、「いや、もう手が上がらないよ」というエンジニアたちがいる状況に直面しました。
そこで、手上げ制度は一切やめて、「なんとなく面白そうなことが始まったぞ」という状況を作り出すことにしました。面白そうなことを始めたら、自然に興味が湧いて、自発的に行動するようになっていくみたいな。今も、そういう方針で進めています。
これまで、様々なことを展開していきていますが、いずれも「ゴリゴリからじわじわへ」の価値観で提案しました。このフィロソフィーにより、いろんなの人が提案しても方向性がぶれなくなりました。
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新しいアイデアが出てきた場合に、それが「ゴリゴリ」だと、それって「ゴリゴリ」だよね、と言える雰囲気ができて、結果として方向性がブレなかったんです。取り組みは非常にうまくいったなと思っています。
POST SCRIPT
さて、前半はここまで。このあと、多ぁ望さんに、てつ(芝)が「SCSでの学びとその実践」を掘り下げていきます。実際にTAになったからこそ分かる「学び」などが語られます。次回もお楽しみに!!
Edited by Rumie & Eddie U