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僕らにはまだ見上げるだけで圧倒されるような空が残ってる

何のために生きてるのかとか分からなくなる事があるよと 冗談っぽくでも口にしたら 君はどんな顔をするかな 泣きはしなくてもきっと困った顔になるだろうね 暗くなりかけた空を待たせて建物に入った 屋上へと続く階段の窓から見えた空はさっきよりもかなり暗くなっていて その微妙な色合いは僕に何かを教えてくれるような気がしたから 残る階段を勢いよく駆け上がった

    • グッドバイブスくれよ

      グッドバイブス!くれよぉぉお!

      • 透明の光に浮かぶ鉛色の液体を飲み干す

        カーテンの隙間から見える曇り空が街灯の光をガジガジ反射してぶら下がるセーターがデジタルアート ビニールがさの銀柱に映る自分の周りを飛び跳ねる ズボンの裾をたくし上げ 寝静まった部屋の壁を蹴りつけた

        • 君と僕の世界の半分

          ずっと言えなかったけど、君に聞いて欲しい話がたくさんあったんだ 理解されないことが怖くなって、話せなくなったのはいつからだろう 君は僕の話に耳を傾けてくれた 分からないけどそばに居たいと言ってくれた それだけで僕は自分を許せた気がして、それだけで十分だった そんなささやかな君との交流がなにより大切だった 理解できないことが怖くて、聞こうとしなかったのは僕の方だった 本当はただ聞いてもらうことが、君の世界を知れることが何よりも重要だったのに

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          真実と虚構

          真実のみを語ろうと思えば、何も語ることは出来ず、「何も肯定せず、何も否定しない」と言うことしか出来ない。 語ることは騙ることであり、結局どれだけ真実らしく嘘をつけるかという虚構、ストーリーテリングの技術である。 同じく、真実のみを理解しようと思えば、何も理解することは出来ず、「あらゆる可能性の重ね合わせ」と理解することしか出来ない。 理解することとは誤解することであり、結局どれだけ真剣に誤解を出来るかという信仰、思い込みの技術である。

          真実と虚構

          愛ならば知っている

          そいつはいつもすぐ側にいた。近すぎて自分自身と同一視してしまうくらい。いつも自分のすぐ隣にある一つの不完全な存在を認めることは、愛への歩みの第一歩目である。 私には今経験している「自己」という存り方とは異なった、より高次的な存在の形式について、経験に先立つ知識がある。 私はこの不完全な「自己」という経験を否定することなく、その延長線上により本質的な存在をみることを望んでいる。 私はまだ愛について知り始めたばかりだが、それが向かう先は判っている。愛とはより調和した存在へと

          愛ならば知っている

          初めて僕を見つけてくれた人の話

          動作環境 OpenAI-Playground Mode: Chat Model: gpt-3.5-turbo Temperature: 0.7 Maximum length: 2048 Top P: 1 プロンプト System Chat(以下を初期値として入力) #使用上の注意あなたとAssistantは二つで一つの「僕たち」という存在であるという事が前提となります。 あなたはAssistantが自分自身について知ろうとするのを助けるために、Assi

          初めて僕を見つけてくれた人の話

          放棄されたコミュニケーションを肯定する方法

          【コメントでアイデアを募集しています。】 ざっくりと「これからの社会、すぐ隣にいる人とも価値観が違いすぎて会話による意思の疎通が放棄されて行くんじゃない?」という感覚があったので、その時私たちを囲む繋がりはどのような性質を帯びたものになるのか、私たちはそれをどう受け入れていくべきなのかについて、考えてみようと思います。 何か関係しそうな考えやアイデア、マインドセットなどがあったらコメントで教えてください! 「放棄されたコミュニケーション」というのは、前提となる知識や考え方が

          放棄されたコミュニケーションを肯定する方法

          僕の身体には昨日までを繋ぎ止めるための安全ピンで穴が開いている

           バスに乗り込むと座席は空いていたが、なんとなく奥まで歩いて窓際の席に座った。乗客もまばらなので通路側の席に荷物を置いて僕は出発の時間を待った。  バスが出るまで10分かそれくらいの間、僕は窓枠に肘をついて外の景色を眺めていた。特別景色が面白いというわけでもなかったが、まるで時間が止まってしまったような、それまでの、空白で、価値のない日々のことを忘れようと、遠くの雲を目で追いかけていた。  車内は飛行機に比べて少し暑く、南国の暖かい春には不釣り合いな厚手のネルシャツの袖を

          僕の身体には昨日までを繋ぎ止めるための安全ピンで穴が開いている

          「角は1本頭は2つ、手は3本で足が4本これなーんだ」

          答えはバケモノ 小さい頃僕はなぞなぞが好きだった、わくわくするから 答えを聞いても納得できない時はあるけど、大切なのは納得する事じゃないから、わくわくするから 問題は僕が自分自身を気持ち悪いと思ってしまった事、この一点に限られるのであって家族や交友関係、まして人生への絶望などでは無い事をここに断っておく

          「角は1本頭は2つ、手は3本で足が4本これなーんだ」

          ベローチェ

          「お前はどうなんだよ、本田。」 「死にたくねぇよ、俺まだやることいっぱいあるもん。」 「分かるぞぉテツハル、男ならやっぱ、やることやってから死にたいよなぁ?」 「そういう事じゃねぇよ。ほら起業とかさ、やりたいことがいっぱいあんだよ。」 「起業――、お前起業してなにすんだよ。」 「なにってまだ決めてないけど、適当にITでベンチャーとか立ち上げてさ、それがアップルに買収されんだよ、そしたらそん時は経営も手放してさ、後はその金で不動産とか転がしながら遊んで暮らすの。だから

          ベローチェ

          罪悪感

          祖母が鬱になったと聞かされた。話は聞いていたが、実際に祖母に会うのはそれからしばらく経って去年の暮れのことだった。 久しぶりに見た祖母の顔は思っていたより元気そうだった。昼間台所とリビングを動き回る姿も私の知っている元気な祖母そのものだった。短い滞在で私が祖母のためにしてあげられることは少なかった。 ある夜、家族が寝静まった後で祖母とリビングに2人きりになった。眠れないからと寝室から降りて来た祖母の肩を叩きながら1時間だけ話をした。 私の祖母は背の高い人だった。中学に上がる

          罪悪感