モアザンワーズ/More Than Words
20221230@Amazon prime video
人と人とを繋ぎ止めるものってなんなんでしょうね。
家族だったり、友人、恋人…、このドラマのキーとなるセクシャリティの有りようだけに限らず、単に人同士の関係性にも様々あって、本来は他者がそこに介入すべきではないし、他者によって壊されるものであって良いはずがなくて。
こういったっ作品が軽々しく、雑にBLとかいうカテゴライズで消費されて欲しくはないと強く思う。実際にそうした扱いを目にしたんではなく、自分自身こそが、(ウホ…面白そうやんけ^q^)くらいの、それはもう軽い気持ちで観始めたもんだから大反省。
キャストが個人的にツボすぎた。「腐女子、うっかりゲイに告(コク)る。」の藤野涼子、「きれいのくに」の青木柚と、三上愛。それぞれのドラマが面白かったのはもちろんだけど、すごく自然体で演技演技してなくて良いな〜と際立って注目していた俳優さんたちだった。
このドラマの中心のとなる、槙雄•美枝子•永慈の3人の掛け合いに関してもごくごく自然で、アドリブ主体なのかな?エンディングの長回しのシーンとかもそうだけど、何気ない部分で3人の深い関係性を垣間見られたような気がした。
それから、永慈が槙雄の髪をドライヤーで乾かすシーンの、付き合って間もない2人の探り合うような沈黙が続く描写とか、リアルさのある長尺具合だったのが印象的。当然だけど、2時間の映画よりもドラマの尺がないと、心情描写や時間の経過に伴う変化は描きにくいと再確認したかな。
永慈演じる中川大輔、初めて知った俳優さんだったけど、お顔がとても好き。
作中の言葉で言うと”ナヨナヨした”感じが、終始ボソボソっと話すキャラクターによく現れていて、でも頼りない訳でもなく優しさが溢れているような声色だったり口調がまた好きでした。槙雄も美枝子も、永慈のそんなところが好きだったんだろうか。
2人の子を産むという美枝子の(もとい、もちろん3人の)決断が、本当に正しかったのかは分からない。冒頭に戻るけど、そもそも人同士の繋がり合い方に正解なんて無いんだろうし、同性の恋人関係に永慈の父が強く反対したように、不正解を作り出してしまう社会や、それによって刷り込まれる、人々の家族(その他諸々)の有りように対する固定観念こそが正しくないよね。
父が感情を露わにして反対するシーンは見ていて本当に苦しい。身近な人へのカミングアウトは怖すぎる。
「家庭を持って子を持つ幸せを味わってほしいと願って何が悪い!」ってさあ…そりゃ悪くないけど…、幸せの形なんてそれだけじゃない、とか散々使い回された誰かの言葉を少しでも想像してくれみたら、その怒りはハラスメントにもなり得ると気づきそうだけど。実際、これを書いているついさっきもそうだけど、両親や親戚にも結婚だの彼女だの問われたって何も答えられない辛さったらないぜ。
そんなわけで、近しい存在ほど分かり合うのは難しいとうことを、身をもって改めて感じつつ、この作中のともさかりえがとっても良かった。何の相談も無しに子を身籠ったことを告げる娘に対して、まず「おめでとう」と声をかけ、冷静に(飲みながらではあるけど)向き合って受け止めようとしてくれる感じ。シングルマザーでスナック勤めで、ああいう役どころでハマる俳優さんだとは知らなかった。
朝人とその兄しかり、改めて親と向き合うことで自分自身とも向き合うことになる。
俺だって分かっているけどさ、、とかそんなことも思いながら自分の家族関係に対しても重ね合わせながらこのBL作品、ではなく、人間模様を鑑賞しました。
関係ないところでは、ゲイバーで飲みすぎた永慈に「お兄さん、なんか嫌なことあったん?」と、上白石萌歌と自分の夢を語るシーン、そこだけやけにベタな台詞回しで不自然な展開に感じてしまった。
あと、EXIT兼近はどうしてもEXIT兼近に感じてしまって、ああ、演技してらっしゃる…と観てしまった笑。最初キャストを見た時に、兼近大樹を、奥平大兼と勘違いしてただけに。。奥平くんでもハマってた気がするしね。そうそうそれから、6個下の美枝子といい感じだったと茶化した永慈の父は、そもそも相手が高校生だということは良いんかい!と思ってしまったのは野暮ですかね。
なんてことも思いながらも、おそらく2022年最後の鑑賞でした。
noteに書いていないものももちろんたくさんあるんだけれど、何気にほぼ1年続いているこのメモ書き日記、インプットからアウトプットする練習としてはなかなか良さそうなので、今後も自分のペースで続けていこう〜