【イタリアで行った一番忘れられないピザ屋さん🍕】
その日私は、40度近くなった炎天下の中、ローマの街を散策していた。膝上15cmはある涼しげなキャミワンピを着ていたのに、途中、日陰で座り込むほどの暑さだった。
それでも、旅してるからにはローカルらしいものに触れたいと私は歩き続けていた。
辿り着いたのは街の中心部から外れたローカルのピザ屋さんだった。
空腹のお腹をさすりながら中に入ると、カジュアルな普段着を着たカップルやお腹がでた威勢のいいイタリアおじさんたちしかいなかった。
おじさんたちは店のおばさんを「マンマ」と呼びながら、色褪せたテレビを観ながら美味しそうにピザを頬張っていた。
あのぷっくりしたお腹には、これまでに食べたピザがたくさん入っているんだろう。そう思うほどの食べっぷりだった。
テレビはいくら耳を凝らしても何て言ってるかわからなかったし、お店のおばさんが笑顔で声をかけてくれた言葉も理解できなかったけど、そこで見て感じた光景はすべて私が触れたかった「リアルなイタリア」そのものだった。きっと彼らにとっては日常以外の何ものでもなかっただろうけれど。
ローマの後もイタリアで何都市か巡り、そこで出会ったものよりもっと美味しいピザやパスタを食べることもできたけど、どうしてかな、そういうとこで食べたピザのほうが、観光名所のレストランですまして食べたそれよりも、ずっと記憶に残ってたりするんだよね。
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