最近の記事
したり顔で「それ依存症」と言いたがる人はWHOのICD-11(国際疾病分類第11版)での物質使用系と行動嗜癖系の違いくらいは理解しておきましょうね。
たとえばアルコールではdependence(依存)がいまだに使われており、アルコール依存症の診断必須要件は以下。 以下のうち2つ以上によって示されるアルコール使用の調節障害の証拠を伴う、再発性のエピソード的または継続的なアルコール使用のパターン: アルコール使用のコントロール障害(すなわち、アルコール使用の開始、頻度、強さ、持続時間、終了、状況);健康維持、日常生活や責任など、生活の他の側面よりもアルコール使用の優先順位が高くなっており、害や否定的な結果(例えば、度重なる人間
ギャンブル等依存症疑い調査での数や率、ゲーム依存症疑いの数や率は、WHOの定義から見れば、依存「症」疑いとは言えない。せいぜい、病気や障害とは言えない、危ない遊び方、の数や率です。
WHOは2022年、ICD-11(国際疾病分類第11版)1)でgambling disorder(ギャンブリング障害、ギャンブル症)においてDiagnostic Requirements(診断必須要件)をはじめて記載し、「ギャンブリング行動のコントロールが障害されている」「ギャンブリング行動が他の生活上の出来事より優先されている」「ネガティブな事柄が続いているにもかかわらずギャンブリングが継続または拡大している」の「すべて」を満たし、かつ他の精神的な障害では説明できず、個人、
いわゆるギャンブル依存症の結果として、反社会的な行動が起きるかのように説明されるときがあるが、まあまあ共通の遺伝的脆弱性によって説明できる、という研究。
Slutske WS, Eisen S, Xian H, True WR, Lyons MJ, Goldberg J, Tsuang M. A twin study of the association between pathological gambling and antisocial personality disorder. J Abnorm Psychol. 2001 May;110(2):297-308. doi: 10.1037//0021-843x.110.
これが2023年の記事か!唖然!PRESIDENT ONLINE 2023/08/18 17:00「パチンコ依存→借金→コンビニ強盗」という悪循環…世界でも類を見ない「ギャンブル大国・日本」という現実
わたし、たまにPRESIDENTから取材を受ける。信頼しているメディアだが、この記事にはおどろいた。「パチンコ依存→借金→コンビニ強盗」という悪循環、と記載しながら本文にその記述はなく、あおりコピーだ。こういう議論をしたいならデータを示しつつでないと偏見(スティグマ)を生み出す。実際、このような犯罪との関連が一般以上に有意に強いことを示したデータはないはずだ。 また「世界でも類を見ない「ギャンブル大国・日本」という現実」の根拠として示した数字は以前対策会議などで参考資料として