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さっぽろ 日めくりカレンダー No.002
2025.1/21~1/31 (奇数:〇さいさい 偶数:●遥々岬)
札幌を舞台に繰り広げられる摩訶不思議な物語を、
《詩(し)りとり》形式でXにて毎日連載中🌇
言葉がつながり、物語が紡がれる――。
「つ」→「て」
爪にはお気に入りの艶やかな赤色
今日も素敵な出会いを求めて
「て」→「に」
手ぶらで近所を歩いていた
歩き慣れた道に
見覚えのないカフェが一軒
財布だけでも持ち歩けば良かったと
後悔しながら 帰路は早足に
「に」→「い」
二次が見える雨上がりの窓際
いつもの街が とてもまぶしい
「い」→「け」
いっぱいの魚
今日は大量
行きつけのカフェに寄り
マスターにお裾分け
「け」→「の」
毛糸で編み物を始めてみたわ
いつかあの子にもプレゼントしたいの
「の」→「う」
野火が躍る
草萌えを阻む枯草よ
乾いた風に押され
新しき季節を祝う
「う」→「れ」
裏道を抜けると
お気に入りの喫茶店
今日の気分はサンドイッチとカフェオレ
「れ」→「に」
レンガ敷きの街路
プラタナスの並木
白い木漏れ日から顔を上げると
誂えたワンピースの裾を靡かせ
日傘を片手に立つ 淑女の姿があった
爽やかな葉擦れの音
白昼の夢は 瞬きの刹那に
「に」→「ら」
入道雲
夏の終わりが近づく
来年は新しい日傘を買おうかしら
「ら」→「へ」
ラッパの音
空を突き抜け
君の元へ
「へ」→「な」
部屋の片隅にある思い出深いグランドピアノ
たまには弾いてみようかな