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ドッグイア #10『気まぐれバレンタイン』
カカオの香る季節がきた
ふらりと立ち寄るイベント会場
微笑む店員の手のひらに ひとくちの誘惑
とろける甘さ 舌にほどけ
頭の中では そっと財布が開かれる
ああ、このチョコレートと家へ帰りたい
寄り添うなら どんな飲み物がいいだろう
惜しみながら 数をかぞえ
五つ、六つ…… 二粒ずつなら 二日分
食べた手前 買わずに帰るのも心苦しく
たまにはいいよね そんな言い訳を一緒に包む
気づけば袋の中に 静かに並ぶ甘い影
足取りも軽く 私はこの後 いくつかのチョコレートを買う
◯甘)七〇二一三-一七〇八
みなさん、おはこんにちば!遥々岬です⛰
今日はバレンタインですね。
私個人としては、あまり馴染みのないイベントなので、どんな詩を書こうか非常に迷いました。
よくよく考えると、手作りをしたりプレゼントしたりしていたのは学生の頃です。
あげた覚えのない相手からチョコレートの返事がきたことがあったり、作るのが面倒だったり……
特に楽しみにして過ごした記憶がないのです。
そんな私ですが、今年はデパートのショコラフェアに行ってきました。
待ち合わせ場所に早く着いたので、ふらっと立ち寄った感じです。
詩に書いたように、親切に味見をさせてもらえるんですよね。
北海道にない店舗の参加があったりもして、買う予定はなかったのに、
「一つ、二つ……家族もいるしもう三つ買ってもいいかな」
なんて考えているうちに、いくつもの紙袋を手に持っていました。
遠い過去を辿るよりも、せっかくなら今年の話を書こう。
そんな気持ちで詩を綴りました。
「ひとくちの誘惑」
「とろける甘さ 舌にほどけ」
「そんな言い訳を一緒に包む」
「静かに並ぶ甘い影」
選んだのは、揺れる柔らかな欲求を意識した言葉。
子供の恋、大人の恋愛、家族のバレンタイン、ご褒美のチョコ……
いろいろな場面を想像できますよね。
始めにも書きましたが、私は作るのが面倒なタイプです。
さらにいえば、ラッピングするのも面倒な始末……。
作ったものを持ち寄って食べるのは好きなのに、
なぜかイベントに合わせて料理をすることに脱力感があるんですよね。
その上、人混みが苦手ときたもんだから、イベント会場に行くことも稀でした。
要するに、バレンタインという行事に無関心なわけです。
もっと甘やかで魅惑的な詩をお届けできれば良かったんですけどね。
楽しむにしても、ひっそり一人でカフェの期間限定の飲み物を頼むか、
作ったり購入したものを読書のお供につまむか……それくらい。(少し前は缶が欲しくて買っていたりしたんですけどね)
だからこそ、今年は気が向いてイベント会場に足を運んだことが、私にとっての変化でした。
柔らかな欲求を意識した言葉は、せめてもの甘い作品づくりだったというわけです。
それでは、みなさん。
ハッピーバレンタイン!👋
次回は(さいさい、遥々岬の)二月研究レポート!
更新日は2月24日(月)です。
お楽しみください。