柔道男子66kg級 日本代表内定選手決定戦 阿部対丸山 ①
世紀の一戦と称された「66㎏級日本代表内定選手決定戦」
みなさんもご覧なられたでしょうか?
私は夫と一緒にテレビの1時間前からスタンバイし、手に汗を握りながら観戦しました。
ここまでの戦いとは言わずとも、中村選手と自分の代表争いと重ねてしまい、終始ずっと心苦しく2人の戦いを見守っていました。
テレビ越しでも伝わってくる異常な緊張感。
あの瞬間は彼らだけの世界だったと思う。
相手の息遣いくらいしか聴こえてなかったかもしれない。
その世界を見れた事は一柔道家として本当に感謝し、2人に大きな敬意を送りたいと思います。
そして本当にただ一言。
「2人とも本当に強かった‼︎素晴らしい戦いを見せてくれてありがとう。」
これが一番の感想です。
ただ、これだけでは私が柔道家として文章を書いている意味がないので彼らの戦いの分析を少しだけ書いていきたいと思います。
まず立ち上がりは丸山選手は緊張なのか、特性なのか動きが固く、逆に阿部選手は最初からトップギアで動いていた印象。
この立ち上がりは多くの柔道家が前評判で予想していた通りのスタートだったと思います。(丸山選手は立ち上がりは遅いが徐々に調子を上げていくタイプと阿部選手は一回戦からトップギアで出せるが疲れが出ると後半のほうが徐々に落ちるタイプ)
本戦4分の短い戦いだと阿部選手が主導権を持ち、あっという間に指導2で追い詰めたという印象。
丸山選手は指導2を取られた次のターンからスイッチがon
(余談だが、今回の指導の取り方、そして最後の技の決着まで見守ったジャッジは見る側としては最高に試合が面白くなるタイミングで天野審判員が試合を動かしていたと思う。ただこれは彼らのためだけのワンマッチ、一試合のみという環境だからこそできた審判。試合のうまさや環境に左右されず、本当に強いのはどちらなのかを決めてほしいという全ての人の想いから成り立っていた試合。たぶん通常の大会ならもっと早く決着がついていたと思う。)
話を戻します。
丸山選手のスイッチが入りこちらもあっと言う前に指導2でポイントが同点に。それからは審判もまわりも投げて決着をと見守る試合展開。(ただ、どちらも攻めるのでかなり反則は取りづらく、無理やり反則を取るならたまに出る場外指導か、流れを切る為にかけた技で取る偽装攻撃への指導)
試合が長引き後半になればなるほど、前評判通り丸山選手がペースを作り出しはじめた印象。
トータルで考えれば主導権を両方が持っている時間があり、スコアも並んでいたので試合を通しての力も五分五分。
ではここで何が勝利の鍵となったのか。
それは組手だと思う。
長くなってしまったので組手と試合の解説は②で。