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富士そばでそばを頼んだはなし。

なぜこんなタイトルかと言うと、そばを頼んだことがなかったからだ。大学生の時から富士そばに行ってるのに。なぜか。
もっぱらカツ丼を頼むか、(そば屋のカツ丼は大抵美味しい。同じ理論で親子丼も美味しい事が多い。出汁が効いてるので。)もしくはうどんに変更していた。そばも食ってはいるが、小麦の王国で育ちしものなのでカップ麺を選ぶときも基本的にはうどんを選んでしまうし、「そば/うどん」の表記があるときはうどんにしてしまう。嫌いなんじゃない、中華そばとうどんが好きすぎるんだ。

故にこれまでの人生で「そばが食いてぇ」という気持ちになったことがなかったと言っても過言ではない。

だが、その日は突然訪れた。

7月だというのに、その日は朝からとてつもなく暑かった。
化粧は最寄りに行くまでに溶け落ちた。昨夜はねこが騒いで寝られなかったし、朝飯も食えていない。一昨日友人と遊んだときの筋肉痛がまだ残っている。脚を引きずりながらむかう職場で、上司と面談のあとに外回りも入っている。おまけに帰りには寄らなきゃいけないところもある。
最悪である。
昼過ぎにはもうデロデロである。退勤時刻には人間としての原型をとどめていないくらいの気持ちになっていた。まだ鋭い陽射しの残る時間、帰路につきながらはじめての感情に襲われた。

天ぷらそばが食いたい。冷たいやつ。

なんということでしょう。
冷たいうどんでも冷やし中華でもなく、冷たいそば。「これが……恋?」とはじめて沸き起こる感情に戸惑いつつも職場近くの富士そば公式サイトのメニューを確認する。
食券制の店は早さを求めていくお客が多い。そんな店先で券売機の前で「何食べよっかな〜!」は厳禁である(そんなことはない。個人の意見です。)
背中越しに「はよせい」のプレッシャーを受けながら(重ねるが、他の人はそんなもん放ってないかもしれない。私が小心者なだけなので)、「早く選ばねば……」と上の方のおすすめや期間限定メニューに手を伸ばしてしまうのを防ぎたい。なるべく予習してから向かいたい。
だいたい富士そばでは先にも申し上げた通り、カツ丼を選ぶためカツ丼の場所ならなんとなくわかる。ただはじめて選ぶそば、それも冷たいそばのボタンの場所はそれこそまったくノータッチである。サイドメニューに至っては把握すらしてない。
そもそも脳内お嬢様の御所望の「冷たい天ぷらそば」がメニューに存在しているのかすらわからない。理性じいやが「公式メニューを検索いたしましょう」と囁いた。さすがよ、じいや。私は富士そばの公式サイトへ飛んだーー。

冷たい天そばがありませんわ〜〜〜〜〜!!!

ご安心くださいお嬢様、冷たぬきそばにかき揚げを追加単品注文ができますぞ。
さすがですわ!ではそちらで!

というわけで無事に身体を冷やすことができました。余談ですが単品注文のボタンは「天ぷら」の表記だったので「なに天が来るんだ……」とドキドキしながらカウンターへ向かったところ、コロッケや紅生姜天と併記されてたので食券渡すときに「天ぷらで」と言ったら「かき揚げっすね!」と返されたので疑問は即解消された。しんなりひんやりしたかき揚げが来た。まぁ、スピード重視のお店だからね。これはこれで、実家で夕飯に天ぷらが出た次の日の昼飯みたいでうめ〜〜〜〜〜!!!生き返った。軽い頭痛も消えたので軽い熱中症だったんだと思う。やはりめんつゆは体に良い。

なんかすごい天ぷら欲だったのでたぬきにしちゃったけど、冷静に考えたら普通に冷かけそばにかき揚げ単品でも良かったなと思う。
温天そばはあるのに、との疑問には「冷たいそばとガッツリ油物の天ぷらは食べ合わせが悪いからでは?」と想像してみるなどしたが、真相は闇の中である。
別の日に見かけた駅そば屋には、普通に冷天かけそばあったっぽいのでいずれそちらにも挑戦してみたいな〜などと思いながら次のそば欲が来るのを待っています。


追記
後日、てっきり天丼オンリーだと思っていた「てんや」にて天ぷらそば(温冷うどんチェンジ可)を発見したので食べた。
天ぷらは種類が選べ、デフォルトのものから季節のものなど見ているだけでも楽しい。サツマイモが食べたかったので野菜盛りにした。あたりまえだけど揚げたてアツアツの天ぷらが来てめちゃくちゃにテンションあがる。だってまだショワ〜〜〜……みたいな音してんだもん。うめ〜〜〜〜〜!!ありがてぇ〜〜〜!!!


次回、「冷麺を食う!」

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