光のない毎日に
あぁ、今日が始まる。「始めたくないな」なんて思って昼前にもう一度現実逃避するみたいに眠りにつく。1日をどこで区切るかは別として、僕は起きるまで今日という日見ないようにする。だって今日も大した1日を過ごせないし、毎日何かを頑張ってる人と同じ時を過ごしてるようには思えないから。
もう眠れないなと思い、15時くらいになんとなく目だけは開く。やっぱ1番楽で時間が溶けるのは縦画面の動画だなとか思いながら、そしてたまに笑ってみたりしてみる。そんなこんなしてるとすっかり太陽は沈んでいる。また今日も何もしてないなと憂鬱な気持ちを消すようにしてギターを触ってみたりもしてみる。でもやっぱり何も考えたくなくてYouTubeとか開いてみたりして、笑ったりしてる。今日何も食べてないな、でも何もしてない自分の自信がなくてリビングに降りることはできない。でもお腹は一丁前に空いてる。夜、父親はいつもテレビの前のソファーで寝落ちして4時くらいにノコノコ起きだして上に上がってきてベッドで寝て毎日7時に起き、会社に向かう。だから父親が上に上がって寝るまで部屋でやり過ごして、コソコソ夜ご飯を食べて、元気があったらお風呂に入って、みんなが起き出すような時間に眠る。
人間現状維持が大好きだ。自分のコンフォートゾーンから出ようとしない。毎日降りかかる少しの焦りを感じないように誤魔化しながら生活する。希望の光なんてもんは自分の方にノコノコ向かってくるようなわけはないのにそんな物を望みながら過ごす。
そんな中でも自分の中の謎の自信だけは削がれることなく、焦りと不安だけが募り、その形は歪さを増していく。空っぽのプライドだけで作り上げられたその虚像は最終的に自分を傷みつける。そんな名前もつかないような色の毎日に僕はいた。溺れるにも溺れられず、しかし無性に息苦しく、光のない毎日に。