Webクリエイターのための理想のキーボードの探し方2018
エイチームライフスタイルアドベントカレンダー2018の3日目は、株式会社エイチームライフスタイルのs2terminalが担当します。
なぜキーボードが重要なのか
私は今エンジニアであり、仕事でRubyやPHPのプログラムをたくさん書いています。そして、この職に就く前は一般的にWedデザイナーやコーダーと呼ばれる仕事をしていました。デザインのラフを作ったりグラフィックソフトで画像を起こしたりもしましたが、多くの時間はHTMLとCSSを書くことに割いていました。
デザイナーもエンジニアでも、Webに携わるクリエイターにとって、一定以上の時間は文字をタイピングすることに使われます。ならば、文字を書くための最高の道具を探しましょう。
ノートPCに付いているような薄型のキーボードを使っていたこともありましたが、私は半日もコードを書いていると指が痛くなってきてしまい、タイピングができなくなりました。しかし良いキーボードを使っていれば、本来の実力でコードを書き続けることができます。
生半可なノートPCを選んだが最後、キーボードのパネルがだんだん歪んできて、キートップが外れ、つけてもハズレ、戻らなくなり、結局修理に出し、その2週間の間なにも触れなくなる。メキシコで激しい銃撃戦の最中に銃が壊れ、2週間も撃てなくなったらバンデラスはそこで死ぬ・・・・・END OF MEXICO・・・・終わりだ
──パルプ小説の書き方(11):「椅子とPCがおまえを真のPROにする」より引用
https://diehardtales.com/n/ne4f2ccc66a0b?magazine_key=m66da662484a5
理想のキーボードを選ぶ
良いキーボードを選ぶには実際に触ってみる事が一番です。打鍵感が手になじむかどうか、などはタイピングしてみないと分かりません。大きな電気屋に行けばたくさんのキーボードの見本が並べられていますので、ぜひ自分に合ったキーボードを探してみましょう。
そうは言ってもたくさん種類がありすぎて分からない初心者の方に向けて、本稿ではキーボードを選ぶための知識をいくつか紹介します。参考になりましたら幸いです。
キーボードを使う場所
キーボードを選ぶ前に、そのキーボードをどこでどう使うのか、決めておく必要があります。自宅やオフィスに置いておくのか、それとも持ち運ぶのか?接続するのはWindowsかMacか?iOSやAndroidなどスマートデバイスに接続して使ったりしたいかどうか?などなどです。それによって、基本的な要件が決まってきます。
キー数とテンキーの有無
テンキーが必要かどうかでラインナップが変わってきます。必要ならば、キー数は100超に、そうでなければ90程度になります。Webクリエイターにとってテンキーが必要なシーンは限られてきます。しかし特殊なソフトウェアを使用する場合は生産性が上がる事があります。たとえば私は、楽譜作成ソフトのfinaleを使うときにテンキーが必要になります。テンキーは単体でも販売されているので、必要になったら買い足すだけでも十分です。
キーの配列
日本国内で多く売られているのはJIS配列と呼ばれるキーボードです。一部のプログラマーはUS配列、Dvorak配列、親指シフトなどの特殊な配列のキーボードを選ぶ人もいますが本稿では触れません。興味のある人は調べてみてください。ただ、海外のストアから輸入した場合などは基本的にJIS配列とは異なるため、希望の配列のキーボードが手に入るかどうかには気をつけておきましょう。
有線か無線か
接続方式が有線か無線かを選ばなければなりません。私は有線接続のキーボードを好んで使いますが、どちらもメリットとデメリットがあるのでよく考えて選びましょう。
有線接続の特徴は、途切れたりせず安定しており、充電なども必要ありません。一般的にはUSB端子を使いますが、PS/2という端子を使うものもあります。USBとPS/2では同時押し数などに違いがありますが、Webクリエイター向けの用途であれば気にする必要はありません。
対して無線接続だと、ケーブルがじゃまになったりせず、机の上がスッキリします。配置を選ばないので膝の上に載せたり、ノートPCのキーボード部の上に載せたり、といった事もしやすくなります。接続方式がBluetoothだと、スマートフォンに接続したりもできます。Bluetoothではない独自の無線通信方式もあり、この場合はPC側にレシーバーを接続することが必要になるため、USBポートが限られている場合などは注意が必要です。
キーストロークとキーピッチ
キーボードの性能はなかなか数値で言い表せない点も多いのですが、見るべき重要な数値がふたつあります。
キーを押し込む深さをキーストロークと言います。私がキーボードを選ぶ上で、もっとも大切だと思う項目です。ノートPCを買うときにもキーボードのストロークの深さは必ず調べますが、ノートPCに付いているキーボードだと浅いものは1.2mmから深くても2mm弱くらいと、どうしても限られてしまいます。対して外付けキーボードだと、3mm~4mmとノートPCの倍以上の深さを持つ物もたくさん販売されています。自分はキーストローク4.0mmのキーボードをよく使います。
キーとキーの間の距離をキーピッチと言います。約19mmが一般的ですが、コンパクトなモデルだと15mm程度になっている事があり、打ちやすさに影響します。小ささと打ちやすさを考慮して適切なキーボードを選びましょう。
スイッチの選び方
代表的なスイッチは下記4つです。後に挙げるものほど入力の信頼性や耐久性、静音性などに優れますが、そのぶん高価になっていきます。
メンブレン
もっとも一般的に普及しているスイッチで、比較的低価格なモデルが多いです。キーの真ん中をしっかり打たないと入力できないため信頼性に欠けます。多く出回っており、さまざまな種類から選択できます。
パンタグラフ
広義にはメンブレンスイッチの一種であり、低価格・低耐久な点は同じです。メンブレンよりもキーストロークが浅く、打鍵感も軽い点が特徴です。ノートパソコンやコンパクトキーボードでよく使われています。
メカニカル
しっかりした打鍵感と高い耐久性を持つスイッチです。打鍵時にカチカチという特徴的な音が鳴ります。
静電容量無接点
耐久性・信頼性が非常に高いスイッチです。そのぶん価格も高く、また他のスイッチに比べてキーボードのラインナップも限られています。
なお、セブン銀行ATMに使われているのは静電容量無接点方式の東プレ製キーだと言われています。実際にさわってみると、その打鍵感の心地よさがわかると思います。
個人的なおすすめキーボード
私は有線接続・JIS配列・高ストローク・高荷重のキーボードを好みますので参考になるかは分かりませんが、たくさんのキーボードを使ってきた中で個人的なおすすめを紹介します。
エレコム「TK-FCM062BK」
私はTK-U12FYA(現在は販売終了)というキーボードを長年使ってきました。その後継と思われるモデルです。キーボードの中でも最安価レベルの入手しやすさでありながら、キーピッチ19mm・キーストローク4.0mmというスペックを持つ、打鍵しやすいモデルです。
とにかく安いので初心者におすすめです。ノートPCに付いているストロークの浅いキーボードしか使ったことがない、というような方は、まず1,000円だけ出してこのキーボードに触れてほしいと思います。
エレコム「TK-FCM077PBK」
こちらも、私が長く使っていたTK-FCM005(現在は販売終了)の後継になるモデルです。キー数89のコンパクトタイプでありながらキーピッチ19mm・キーストローク2.8mmを確保した、打鍵しやすさと配置しやすさを両立したモデルです。こちらも比較的安価でおすすめしやすいです。
Microsoft「All-in-One Media Keyboard」
Microsoft社は特徴的なキーボードを多く取り扱っていますが、その中でもクセが少なく使いやすいモデルです。キーボードのスペックとしては一般的なノートPC程度ですが、無線接続でトラックパッドが付いているので、これさえあればマウス無しでどこからでもPCを完全操作できるのが特徴です。狭い机などレイアウトが難しい状況で真価を発揮します。
PFU「HHKB Professional JP」
静電容量無接点方式のスイッチを持つ高級モデル「Happy Hacking Keyboard(HHKB)」です。キーピッチ19mm・キーストローク4.0mmとスペックは申し分ありません。同じく高級キーボードである「REALFORCE」シリーズと比べると、HHKBは押下圧45gのしっかりしたレスポンスのあるスコスコとした打鍵感が特徴です。また「HHKB配列」と呼ばれるエンジニア向けに設計された特殊な配列を持っており、すこしクセがありますが慣れればコンパクトで使いやすいです。
私はかつて尊敬するエンジニアから、この「HHKB Professional JP」を譲っていただき、それ以来HHKBを手放せなくなりました。今は私も、スイッチがメンブレン方式になった廉価版である「HHKB Lite2」をカジュアルに持ち歩いたり、最近発売された無線接続モデル「HHKB Professional BT」を購入して同僚に譲って布教したりしています。
東プレ「REALFORCE R2 PFU Limited Edition」
二大高級キーボードブランドである、東プレ「REALFORCE」とPFU「Happy Hacking Keyboard」がコラボしてしまった、平成最後にして最高のキーボードです。「REALFORCE R2」のJIS配列フルサイズキーボードに静電容量無接点方式のスイッチ、そこに先述の「HHKB Professional」の押下圧45g等荷重キーを搭載した、非の打ち所のない最強モデルです。これを買って以来無限にコードが書けるようになってしまい、私は終電を忘れて延々リファクタリングし続けてしまった事もあります。
ドラゴンクエストにメタルキングの剣、ファイナルファンタジーにアルテマウェポンがあるように、Webクリエイターにとって伝説の武器のひとつがこのREALFORCE R2 PFU Limited Editionです。もはやこれを超えるキーボードを人類には開発できないのではないかと思います。値段は高いですが、ぜひすべてのWebクリエイターに手にとってほしい一品です。
まとめ
理想のキーボードを選ぶには、下記のポイントを頭に入れながら選んでみましょう。
・キーボードを使う場所
・テンキーの有無
・キーの配列
・有線/無線
・キーストロークとキーピッチ
・スイッチ
冒頭にも述べたとおり、良いキーボードを選ぶには実際に触ってみる事が一番です。キーボードの好み・相性は人それぞれです。世の中にはここで紹介した以外にもたくさんの素敵なキーボードがあります。それらを選ぶときに、この記事の内容を思い出していただければと思います。ぜひ自分に合ったキーボードを選んで、HappyなWebクリエイターライフを送ってください!
エイチームライフスタイルアドベントカレンダー2018、明日は ryosuketter に書いてもらう予定です。お楽しみに!
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