S2000 吸気温センサ 移設について
S2000では定番チューニングの一つである吸気温センサの移設
一見すると吸気温が下がりフルパワ-マップに近い状態を維持できるのでいいことずくめの様にも思えますが、
自分の使用用途には合っておらず個人的にはデメリットもあるのでやっていません。
まず、簡単に初期情報としてF20CはDジェトロニック制御で圧力と温度などから燃料マップを読んでいます。
そして問題の吸気温ですがAP1はインテークマニホールドで、AP2はサクションパイプでそれぞれ測定しています。
(センサも違います)
AP1のインテークマニホールドにあるセンサだとインテークマニホールドから熱の影響を受けてパワーダウンというのが定説で移設するのが主流ですが、デメリットにも目を向けてみた方が良いのではないでしょうか?
まず、センサ自体ですがAP1のインマニ用のセンサはメーカーも吸気温が過度に上昇することは承知していて反応速度の速い専用のセンサを使っていることがホームページに書かれています。
つまり、メーカーは何かしらの目的がありあの位置にセンサを設置している訳です。
ココはあくまで個人の妄想になりますが、S2000(AP1)に搭載されているF20Cエンジンは9000回転という高回転型エンジンのため燃料の量を間違え異常燃焼を起こすとブローする可能性が高くなります。
燃料の量は吸気温と気圧から空気量を予測し決めていますが、ここで問題になるのが吸気温度。
空気はフロントバンパーからエアクリーナー、インテークマニホールドを通り燃焼室内に届くわけですが、その間に温まってしまします。
当然、実際に燃焼室に入る空気量を予測するには燃焼室手前で吸気温を計測するのがベストです。
しかし、燃焼室手前のシリンダーヘッドににセンサーを設置するわけにはいきませんからインテークマニホールドが燃焼室に一番近く吸気温度を測定できる場所になります。
つまり、インテークマニホールドは理想に一番近い吸気温度測定箇所なのです。
(ちなみに、吸気温センサが3-4シリンダ間にあるのは空気の流れがあり、一番吸気温度が高くなる場所だからだと思われます)
仮にインテークマニホールドからサクションパイプに吸気温センサーを移設すると測定される吸気温度自体は下がりますが、実際に燃焼室に入ってる空気と予測された燃料との違いが出て、燃料は濃い方向へ行ってしまい、低回転でのトルクアップ、他領域でのパワーダウンやカーボンの増加などを引き起こします。
トルクアップはメリットですね。
しかし、パワーダウンはまだしも、カーボンの増加はピストンリング固着などを引き起こしエンジンの寿命を縮める可能性があります。
街乗りしている車ならなおさらでしょう。
上記に吸気温度センサー移設のデメリットを書き記しましたが、解決策はあります。
フルコンを入れ、セッティングを取ることです。
しかしながら、そのようなことがいまだにセットとして売られていないのは謎でしかありません。