S2000ステアリングラックリジット化の弊害
S2000のステアリングラックのリジット化についてはダイレクトなステアリングフィールを得るためにやっている人が多いとは思うが、デメリットについてあまり触れられていないので個人的な考えを書いていこうと思う。
S2000のエンジンはAP1で9000回転、AP2でも8000回転と高回転型エンジンが搭載されていて、バランサーシャフトも無いため振動が多い。
また、サブフレームもリジット接続でブッシュ等が嚙まされていないためその点でも振動が多い。
このように振動が多いS2000だが、純正のステアリングラックブッシュはゴム製で振動を吸収してくれている(特に高周波の振動は)
しかし、ステアリングラックに金属製のリジットマウントを装着してしまうと振動が吸収されずダイレクトにステアリングラックに入ってしまう。
ステリングラックに伝わった振動は内部の樹脂部品を痛めたり、金属同士が
擦れ合うのを加速させるなどステリングラックやトルクセンサーの寿命を縮めてしまう原因となる。
北米仕様の最終型に設定されたサーキット向けの”CR”(エアコンレス、ソフトトップレス)ですらリジットマウントを採用せずスティフナーを装着してステアリングラックの取付け剛性を高めていることを考えるとリジット化は耐久性に不安が残る。
更に、ステアリングラックのリジット化をしている車両はサーキットユースをメインに見据えアーム類をハードブッシュやピロボール化、強化エンジンミッションマウント、強化デフマウント、固めのサスペンションなどが装着されているためより振動が多いだろう。
それによってより多くの振動が発生しステアリングラックに悪影響を与えると思う。
個人的にはステアリングラックの取付の剛性は街乗りメインなら必要なく、ストリートユースからライトなサーキット使用ならスティフナーと後期用ステアリングラックブッシュ、サーキットオンリーならリジットマウントが良いと考える。
パワステ関係は壊れると厄介なのでこの記事や他の記事を参考にして慎重に弄るのが良いと思う。