【 望まない妊娠をしたとき 】

今、きみは何歳だろう?
高校で働いているので10代後半の方として話します。

愛する相手との子ども 

お相手と話はできていますか?

次に保護者の方と話はできていますか?

きっとここにたどり着いたということはどちらもできていないということかな、と思います。

わりと初めの方で「学校どうなるだろう」という心配があがるかと予想しています。
たまに「こんなことになったら退学処分になりますか?」と心配する生徒がいます。ドラマのセリフでも何か目立つことをした生徒のことで「あいつ学校やめさせられたらしいよ」などと言ってるのを聞いたことがあります。

私学ではどういった基準があるのかわからないので自信が無いのですが、公立では妊娠によって退学処分になることは無いので安心してください。

もう少し根拠を示して、説得力のある説明をしますね。
学校教育法施行規則26条3項で退学処分の事由として、次の4つをあげています。
「一、性行不良で改善の見込みがないと認められる者 二、学力劣等で成業の見込みがないと認められる者 三、正当な理由なくて出席常でない者、四、学校の秩序を乱し、その他学生又は生徒としての本分に反した者」
性行不良というのは性質や日頃の行いが悪いことだし、学力のことは関係ありませんね。また、出席のことはこれから考えることだし、あなたの行いは学校の秩序を乱しているものではありません。

それでは退学処分のことは一旦置いておいて、これからの学校生活を考えましょう。
一番相談しやすい先生を見つけられますか?
担任でなくても構いません。養護教諭(保健室の先生)や出産経験のある先生は知識や経験からきみの身体のことが理解しやすいかもしれない。勇気を出して相談してみて欲しい。

それではこれからどうなっていくか考えてみましょう。
転学や退学という言葉が出て、もしかしたら「厄介払いされている」と思うかもしれません。
残りの学校生活がどれだけ残っているか、によりますが、もし妊娠を継続するならばある程度休む時期が生じます。妊娠の経過によってはほとんど外出できないことも。

高校では1単位ごとに出席すべき時間が決まっていて、それを満たさないと原則として原級留置(留年)になります。妊娠を継続するということはわりと長い期間休む可能性ががあるので、原級留置になって馴染みの無い学年と過ごすよりは退学して身体のことに集中したり、通信制の高校などに転学して自分のペースで勉強したり、ということを勧めたのだと思います。

この両者に納得できなければ絶対に辞めなければならないというわけではありませんので、学校に相談するべきです。

体育の実技はもしかしたらレポートで代替できるかもしれません。限界はありますので要相談。
具合が悪くなったときにどう医療とつながるかはしっかり考える必要があります。
先生たちも協力したい気持ちがあっても、責任追及が怖いという側面もあります。お互いに安心して過ごす工夫が必要です。

実際にどうなるか知ったことで学校生活の不安は少し解消されたでしょうか?

次に妊娠を継続するかどうかで悩んでいないか聞いてみたいと思います。

もしかしたら「わたしのもとに産まれてきても幸せになれないのでは」と悩むかもしれません。
一般に10代の結婚は離婚率が高い傾向にあります。10代の出産は非婚でなされることもあります。厚生労働省の
調査では10代の結婚は8割が妊娠によるもの、そのうち8割が5年以内に離婚しているそうです。
高い確率でシングルマザーになるかもしれないことは覚悟しておく必要があるかもしれません。
ということを言うと「だからやめとけ」ととられるかもしれませんが、決して違います。

色々な家庭があることを知っているきみたちは自分の子育てと他の家庭を比べて、自分の子どもが不幸せになっているかと思うかもしれません。
でも、赤ちゃんには他の家庭と比べる力がありません。
また、少し大きくなった子どもも同じでたいていのことがあっても憎しみをもつではなく、ただただお母さんのことが大好きです。
周りは「子どものことを幸せにできるの?」と聞いてくるかもしれませんが、子育ては本来社会で担うべきなのできみ一人で抱えるものではありませんし、先程言った通り子どもはお母さんが大好きです。

ということをふまえて考えてください。
大切なのはきみがどうなりたいか、です。

子どもがいることでたくさん諦めることが生じます。
それが不安であれば継続することはやめましょう。

今まで色々な方向の可能性を伝えましたが、
ひとつだけ絶対に避けて欲しいことがあります。
「あんたなんか産まなきゃ良かった」と言うこと。
今後言う可能性がありそうなら、妊娠の継続を避ける、もしくは言わなくて済む方法を考えなくてはなりません。

自分の出生の意義が揺らぐと、ちょっとやそっとのことでは気持ちが回復できません。
自分の出生の意義についてはずっと悩み続けたり、大人になってから悩むこともあります。絶対に避けましょう。

最後に
身近な人に相談するのが一番ですが、それができなさそうなら最低でもきちんと医療にかかってその旨を伝えてみてください。
とにかく自分を大切に。

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