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目の前の全てがぼやけては溶けてゆくような奇跡

米津玄師とフィルムカメラ。

人生でこれを好きになってよかった、と思うものの2つだ。
いやもっと絶対あるけど、救ってくれたり人生を変えてくれたり、わたしの人生の節目みたいな意味合いで2つ。

その中の、米津玄師について話したい。

まず、わたしの音楽でのバイブルはアイネクライネだ。これはアイネクライネを初めて聴いた中1の頃からずっと変わらない。
わたしはアイネクライネのAメロ、Bメロが大好きだ。

誰かの居場所を奪い生きるくらいならばもう
あたしは石ころにでもなれたらいいな
だとしたら勘違いも戸惑いもない
そうやってあなたまでも知らないままで
アイネクライネ/米津玄師

これは1番Aメロ歌詞。
サビがすきな曲、というのはたくさんあるけれど、ほかの部分がこんなにもやさしくて強い曲をわたしは知らない。

なんだか、この曲を聴くと強く生きていこうと思えるのだ。他人と生きることがいかに切なく、苦しく、美しいのか、そういう生きる上で大切なことを思い出せる。


中2で初めて米津玄師のライブに行った。ほぼ初めてのライブ、しかも大好きな人に会える、わたしは大泣きだった。
Zepp Tokyoのキャパは約3000人で、オールスタンディング(たしか)で、158cmのわたしでは全然見られなかった。それでもものすごい衝撃だった。

感動しすぎて正直記憶も朧げだけれど、ホープランドという曲のラストに彼がシャウトしていたことはよく覚えている。
産まれたての赤ちゃんみたいにシャウトしていて、多分あれは涙だったんだろうな。


「理想郷(ホープランド)なんてないですからね」といつかのインタビューで言っていたことを思い出す。
どこか冷めていて淡々としていて、それでもいつも彼はやさしい言葉で語りかけてくれる。
へとへとになってしまったとき、アイネクライネを聴いて、今日も生きようと思える。
わたしの生きる背骨を作ってくれた米津玄師がわたしはやっぱり大好きです。

目の前の全てがぼやけては溶けてゆくような奇跡できっと明日も溢れているんだろうな、と思わせてくれてありがとう。またライブに行きたいな。



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