土曜日午前四時交差点にて
「雨の匂いがする」と彼女は言った。
深夜四時フワフワした感覚で、お互いに好きな曲を流しながら歩く帰り道。
僕の十八番の振り付けを『覚えたの』と彼女は踊る。
人気のない国道に僕の声と彼女の影だけが残った。
ーーきっとこの瞬間を何度も思い出すんだろう。
残月に反射した横断歩道が白く揺らいだ。
「雨の匂いがする」と彼女は言った。
深夜四時フワフワした感覚で、お互いに好きな曲を流しながら歩く帰り道。
僕の十八番の振り付けを『覚えたの』と彼女は踊る。
人気のない国道に僕の声と彼女の影だけが残った。
ーーきっとこの瞬間を何度も思い出すんだろう。
残月に反射した横断歩道が白く揺らいだ。