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⑺ 5年記念日


待っていなくても その日が来た。


朝8時半ごろ、
仕事に行ったはずの彼が帰ってきた。
説明と段取りをしてきたらしい。


今回の事で、一つ大切な
分かった事がある。

うちの彼は、何というか
彼のありのままをそのまま言葉にすれば
決してよく聞こえないというか、
言葉で彼の良さをなんとも表現し辛い人だ。

よく言う、分かりやすい
一般的な理想の旦那さんとしては
ほとんど当てはまらないと思う。笑
(独特、というだけで
ダメ旦那とかではない 笑)



その彼が遂に、本性を現した。

その時の適切な状況判断と 想像以上の包容力は
私に全くストレスを与えなかった。


凄く救われた


彼に選ばれ、選んだ私は物凄く正解だったんだと。



今までなぜその能力を発揮しなかったのか?

私が気が強く、彼の扱いが下手だから、
彼を無能にしてしまってたんだと
分かってしまった。
これは落ち着いたら謝ろう、、と思う。笑




少し話は逸れたけど。






クリニックからの連絡を待つ間
シャワーを浴びて、入院準備をした。

なんだか手持ち無沙汰で
朝ごはんでも、と 外にでる準備してると
ちょうど電話があった。


先生の言葉をそのまま使うと、
14時に総合病院への予約を
ねじ込んでくれたらしい

直ぐに紹介状を受け取りに向かった。





クリニックはいつも以上に混んでいて
いや、こんな日は初めてというほど
ご夫婦が多かった。
たぶんそういう診察日なんだろうと察した。




子供を望む沢山の夫婦が居る この空間に
私だけが、ひとり違う事情で居ることに
少し、後ろめたさに似た感覚で
いつもの場所が なんだか少し
心地悪く感じた。




そのままの足で、何か食べようと
総合病院に向かうルートにある
人気のトンカツ屋に入る。


老舗で、好きな いつもの味だったが
やはり半分も食べられず、
彼は文句も言わず私の分まで食べ上げた。





実はこの後、彼による
非常に謎な事件があった。


今となっては笑い話しだか
トンカツ屋からのその足で
彼になぜか ダウンを買わされた。


記憶があやふやなのだが、

以前私が
5年の記念に何かプレゼントをする
という約束をしたようで、
彼はそれを 楽しみにしていたらしい。

こんな事になるとは思わず
色々と考えていた様で。

普段から
あまり思った事を伝えないタイプではあるが、、



で、ダウンジャケット。
それもこんな日に買わすか?と思いながら



取り置きできないから、来たついでだからとか
なんとか かんとかで、

流産直前のふらふら妊婦は
ノースフェイスの¥37,000 のダウンを
買わせていただいた。


何回考えてもよく分からないこの出来事は
今後しっかりネタにしてやろう。


(彼の特殊な思考回路を理解できる私じゃなければ
ぶっ飛ばされてると思うよ。ほんと私偉い。)



そんな箸休め的な 珍事件もあった。笑






話は戻り。


お店を出ると病院まで1時間という
なんとも中途半端な時間だったが、
正直痛みもあったので 少しでも休もうと
家に連れて帰ってくれた。

初めて彼が
私を支えるためにではあるが、
腕組みをして歩きながら
車に戻った。



今日は流石にとことん寄り添ってくれている。
(ダウンは買わされたけど←)


何も考えずに任せて甘える事ができる。
30分くらいだったが、
しっかり寝てしまっていた。



行くよ、と起こしに来た彼が
ベッドに一緒に横になる。

おたまちゃんとの3人の最後の時間を噛み締め
病院に向かった。


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