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地味にホンダF1参戦60周年! RA271 '64 ホンダウェルカムプラザ青山4【ファクトリーマシンのトビラ5】

2024年は、ホンダが1964年のF1初参戦から60年目の節目の年。
といっても何度かの撤退・活動休止を経ているので、実質の参戦年数はもうチョット少ない。
直近では2021年シーズン終了後にエンジンサプライヤーを撤退。現在はレース子会社HRCによるレッドブルとVCARBへのエンジン技術支援というカタチでの関与です。
そして2026年からアストンマーティンへのエンジンサプライヤーとして復帰します!と威勢よく発表されたのは2023年。
エンジンレギュレーションの変更や、市販車への技術的フィードバックが可能との経営判断のようですが。
しかしレッドブルに対しては、なんだか不義理なカンジは残ります。そしてどうするフェルスタッペン。

一応60周年
ロゴデザインはカッコイイ

いつものホンダウェルカムプラザ青山。
技術支援という形態だからでしょうか、祝60周年!!!というような派手なプロモーションは見られません。
実は60周年なんですけどね・・・とひそひそ話的な印象。
F1日本GPも4月にサラッと通り過ぎていきました。MotoGPは10月予定。

@ホンダウェルカムプラザ青山

ホンダF1の始祖RA271は1964年生まれ。

ホンダのレース(世界選手権)参入はバイクからです。
WGP(ロードレース世界選手権)では、
1961年の125cc、250cc両クラスでライダー、メーカーともにチャンピオン。
1962年は125cc、250cc、350cc各クラスで両タイトルのチャンピオン。

市販車の4輪市場への参入を目指していた創業者本田宗一郎そういちろう(1906-1991)は、ほぼ同時期に4輪市場参入と4輪レースの最高峰F1(フォーミュラーワン)参戦を果たします。

F1初めて パンフ
成らぬは人の為さぬなりけりを体現する人

1962年:スポーツ360(オープンスポーツカー)とT360(軽トラ)発表
1963年:F1プロトタイプRA270製作、ホンダ初の4輪車T360発売
1964年:F1第6戦ドイツGPにRA271で初参戦(ロニー・バックナム)、13位完走扱い。続いてイタリアとアメリカに参戦(共にリタイヤ)
1965年:大幅に軽量化した新型RA272で参戦。最終戦メキシコで初優勝(リッチー・ギンサー)。

道を切り拓くのは情熱と飽くなき探求。

RA271 ピンズ イタヤ製?
@コレクションホール(栃木県茂木町)

エアロダイナミクスとはほぼ無縁の形態。いわゆる葉巻型

RA271E

エンジンRA271Eは、水冷V型12気筒の1,500ccでシャシーに横置きで搭載。
前から見ると直列6気筒、まるでバイクのエンジン。また当時のスタンダードな搭載方法は縦置き。パワーは220PS以上/12,000rpm。
ちなみに現行車のフィットのエンジンは、直列4気筒の1,500ccで106PS/6,000-6,400rpm。モーター併用のHV仕様。

RA271の隣のマシンは、ホンダがF1開発の参考のため入手したクーパーT53クライマックス。エンジンは水冷直列4気筒の1,500cc。


エンジンを後方から見ると、下部後方に駆動系。

横から見ると、まんまバイク用エンジン(バイクはチェーン駆動なのでクラッチの反対側にスプロケットを配置)。

(参考)RC174用エンジン

参考にWGP参戦バイクRC174のエンジン。
1967年の空冷直列6気筒、297cc、65PS以上/17,000rpm

直列6気筒分をもう1セットV型に配置するとV12。
ちなみにバイクで6気筒エンジンは希少。ホンダは市販車にも6気筒エンジンを搭載している数少ないメーカー。

(参考)ホンダ50周年記念 ピンズ
(参考)BAR 002 第三期復帰 ピンズ

上場会社にはいろいろな制約があって、撤退と参戦の繰り返しも仕方ないのかもしれません。そのあたりをクリアするための子会社HRCへのレース活動の移管とも。情熱は継続してこそ。個人的にはバイクへの注力も期待。
負けっぱなしでは、宗一郎さんにドヤされるのは間違いない。


RB16B 2021年トルコGP仕様 (中止になった日本GP仕様)
2021年撤退時にレッドブルからホンダへのメッセージ 泣ける



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