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栄光なき良コミック選書 邪馬台幻想記編

竜神は昔からコミックが好きで結構読んでるんですが、自分が気に入った作品が悉く打ち切りを食らう、と言った特殊能力があります。好きになった作品に申し訳ないなという気持ちが大きいくらいです(汗)せめてもの罪滅ぼしに作品紹介できればと考えます。今はkindleとかで読めたりもしますしね。

邪馬台幻想記

あらすじ

時は紀元三世紀、この日本が—倭国—と呼ばれていた遠い昔…。あまたの国々が乱れ争う戦乱の世の中で出会った強き二つの心。邪馬台国女王壱与、そして方術士紫苑、一つの遥かなる幻想に二人の戦いが始まる!!(Amazon)

竜神は好きでした

前回の『左門くんはサモナー』もそうだったのですが、この漫画もかなり人気は有ったと思います。でも、打ち切りだったのは事実(と思われる)。
絵はキュートで上手いです。話のテンポも良く、一話目からヒロインのために敵側から寝返る主人公と燃える展開で進みます。初回から中二設定がモリモリなのはご愛敬で、主人公の紫苑が周囲とぶつかりながらも仲間と打ち解け、壱与との絆を武器に敵を打ち破る…と、舞台は古代ですが非常に王道の少年漫画となっています。エピソード毎に増えていく仲間もちょっとテンプレっぽい感じはしますが、わかりやすくて共感しやすいです。周囲がわかりやすい分、紫苑が重い過去のせいで斜に構えてる所も受け入れやすくなっています。話の後半では因縁話も伏線として引いて、さてここから、壮大な物語が広がっていく…

作者さんの才能は開花するが…

はずだったのですが。敵の組織の目的がはっきりし、兄弟のように育った紅真と明確にライバル関係となる、所まで伏線を引いてお話は終了。まぁ、最後の早回し感を考えると打ち切りですよねぇ…。ただ、終了までに書かれた内容から、一般的な評価は高かったようです。結構な数、ネット上でもそういう意見が有ったりします。個人的には期間を置いても再度、連載再開してくれたらなぁ…等と思っていたものです。
ですが、その希望はあっさり打ち砕かれます。作者の矢吹健太朗先生が、次作として連載開始したのが『BLACK CAT』。これはかなり好評で約4年間、コミックスで20巻のヒットとなりました。そこで次はもしや・・とは思うものの、その次に連載されたのが『To LOVEる -とらぶる-』。矢吹健太朗をその道の第一人者に押し上げたアレです。ジャンプスクエアに掲載を移した『To LOVEる -とらぶる- ダークネス』も合わせると10年以上続いた大ヒットとなりました。そりゃ邪馬台幻想記も出る幕無いわ…。

後に大家となる矢吹健太朗の最初の連載だった『邪馬台幻想記』。作者さんのキャリアの最後に気まぐれで続き描いてくんないかなぁ‥。
ここまでお読み頂きありがとうございました。


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