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創薬周辺を中心に書いていきます。

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知的財産 & 特許の参考(2024)

・書籍

    • 【論文】今日からできるアルツハイマー病予防

      グリンパティック系(glymphatic system)とは、脳内でリンパ系と同様の働きをする循環システムのことを指します。グリア細胞(Glial cell)とリンパ系(lymphatic system)を組み合わせた造語で、以下のような役割があるとされます。 ・脳内に蓄積した老廃物の除去 ・脳脊髄液の循環 最近、非侵襲的な40 Hzの刺激(光や音)がグリンパティック系を活性化することを示す研究が注目されています。グリンパティック系の機能不全が、アルツハイマー病に代表され

      • 【書籍】科学的根拠に基づく最高の勉強法

        科学的なエビデンスに基づく勉強法を紹介する本です。最近読んでみたのですが、自身の体験からも納得できるところが多かったです。大変参考になりましたので紹介します。 「科学的に効果が高い勉強法」については、以下のものが主に紹介されています。 ①アクティブリコール(想起練習) / Active recall (効果高) ②分散学習 / Distributed Learning (効果高) ③精緻的質問 (効果中程度) ④自己説明 (効果中程度) ⑤インターヒーリング (効果中程度

        • Synthetic approaches to the new drugs

          最も可能性が高いと考えられるNCEsのプロセススケール合成について考察する論文。毎年執筆されており、勉強になるシリーズ。 ※NCEs: New Chemical Entities Synthetic Approaches to the New Drugs Approved During 2022 2024/3/15 10.1021/acs.jmedchem.3c02374 Synthetic Approaches to the New Drugs Approved Dur

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        記事

          創薬の指標(ver. 2023)

          創薬化学の現場では、化合物最適化のための様々なパラメータが使われている。構造指標はその典型例で、リピンスキーの Ro5 などはよく知られている。古典的な考え方ではあるが、探索研究の現場でよく使われる実用的な指標で、化合物探索の生産性向上に貢献している。 最近では、学習データを使って機械学習モデルを構築、予測モデルを活用するアプローチが主流だと思う。とはいえ、古典的な経験則もやはり良いもので、実用性は高い(現実に役に立っているから生き残るわけで)。古典的な構造指標を説明変数と

          創薬の指標(ver. 2023)

          【論文】Trehalose-Bearing Carriers to Target Impaired Autophagy and Protein Aggregation Diseases

          2023/11/29 トレハロースに関する既存文献を総括しており、今後の展望について言及。 トレハロースがオートファジーを誘導したり、ミスフォールドタンパク質の凝集を抑制することは以前から知られている。神経変性疾患、糖尿病、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、動脈硬化症、虚血性疾患などの疾患群に対して、治療薬となる可能性について研究されている。 トレハロースの構造は下図の通り。グルコースが1,1-グリコシド結合をしてできた二糖。非常に安価で入手可能。これが治療薬に

          【論文】Trehalose-Bearing Carriers to Target Impaired Autophagy and Protein Aggregation Diseases

          Practical Reactions / Bond Formation

          Three-component Condensation / MAC Reagent α -Acetoxyacetic Acid Methyl Esters; General Procedures Method A (21a-e) H-MAC-Ac (16; 29.8 mg, 0.24 mmol, 1.2 equiv) was added to a solution of 20 (0.20 mmol, 1.0 equiv) and base (0.30 mmol, 1.

          Practical Reactions / Bond Formation

          Practical Reactions / FGI

          B(OH)2, Bpin → NH2 1 Add boronic acid (0.5 mmol, 1.0 equiv.) and N-Boc-Otosylhydroxylamine (1.5 equiv.) in 1, 2-dichloroethane (1 mL) to a round-bottom flask equipped with a magnetic stirring bar at room temperature. 2 Add trifluoroacetic

          Practical Reactions / FGI

          【論文】Oxetanes in Drug Discovery Campaigns

          2023/9/7 ・創薬(2017~2022)におけるオキセタン骨格の活用事例を紹介。 ・4員複素環は、低分子量・高極性・3次元性という特徴があり、水溶性が優れている傾向もあるため、有益なモチーフであると言える。 ・オキセタンが酸性条件に対して不安定というのは誤解もあり、その安定性は置換パターンによって決まることが多い。3,3-二置換が最も安定。 ・オキセタンの酸素原子は、σ結合を介した電子求引性(3位)を示す。オキセタンをつけたアミンは塩基性が低下し、pKaH が

          【論文】Oxetanes in Drug Discovery Campaigns

          Practical Reactions / Bond Formation

          DMF-DMA / dimethylaminomethylation A solution of 1-[3-(4-benzoyl-2-methyl-piperazin-1-sulfonyl)-1H-pyrrolo[2,3-c]pyridin-7-yl]-ethanone (0.78 g, 1.8 mmol) and dimethylformamide dimetylacetal (6.3 mL) in anhydrous DMF (6.5 mL) was stirred a

          Practical Reactions / Bond Formation

          Practical Reactions / Bond Formation

          Mitsunobu Reaction / Tsunoda Reagent To a solution of 2-(1,3-dioxan-2-yl)ethylsulfonamide (295.3 mg, 1.5 mmol) and 2-octen-1-ol (155 μL, 1.0 mmol) in dry toluene (5 mL) was added CMBP (0.4 mL, 1.5 mmol) at rt under an argon atmosphere. The

          Practical Reactions / Bond Formation

          英語で遊ぼう(インプット編)①

          機械翻訳やChatGPTが使われるようになって以降、英文の読み方(情報処理)にも、様々なテクニックが活用されるようになった。この手のテクニックは、専門外の論文を読んだり、大量の文章の中から目的情報を抽出したり、精読前に大意を掴んだりと、使い方次第ではなかなか便利だと思う。(情報抽出の観点でも、情報調査の観点でも) もちろん、自然言語処理的な手法は、英語以外にも適用可能である。「英語一強の言語帝国主義」といった状況は、徐々に変わっていくのかもしれない。(" 国際共通語として

          英語で遊ぼう(インプット編)①

          【論文】Organism-wide, cell-type-specific secretome mapping of exercise training in mice

          2023/5/3 ・運動によって肝臓から CES2 の分泌が誘導される(乳酸刺激) CES2 carboxylesterase 2 [ Homo sapiens (human) ] ・可溶性CES2タンパク質はマウスにおいて、抗肥満、抗糖尿病、パフォーマンス向上作用を示す ・運動により誘導される肝臓からのCES2の分泌は、初代肝細胞に乳酸を添加する in vitro 試験においても再現される

          【論文】Organism-wide, cell-type-specific secretome mapping of exercise training in mice

          【論文】An Analysis of Successful Hit-to-Clinical Candidate Pairs

          2023/5/24 ・医薬品候補化合物の構造とヒット化合物の構造を比較 ・JMC (2018~2021) に発表された156報の報告が分析対象 ・開発候補化合物の創出につながった、主要なヒット創出のアプローチは下記の通り Known Compounds (59%) Random Screening (21%) Directed Screening (11%) Fragment Screening (7%) Virtual Screening (1%) DEL  (<1%

          【論文】An Analysis of Successful Hit-to-Clinical Candidate Pairs

          【論文】Trends in Molecular Properties, Bioavailability, and Permeability across the Bayer Compound Collection

          2023/2/8 Trends in Molecular Properties, Bioavailability, and Permeability across the Bayer Compound Collection 10.1021/acs.jmedchem.2c01577 バイエルの論文。 「経口バイオアベイラビリティ」と「膜透過性」について、自社化合物の大規模解析を実施、支配的な分子特性について検証。2000を超えるラットのBAデータ、20000を超える Caco

          【論文】Trends in Molecular Properties, Bioavailability, and Permeability across the Bayer Compound Collection

          【書籍】COVID-19神経ハンドブック 急性期,後遺症からワクチン副反応まで

          書店でたまたま手に取った書籍ですが、興味深い内容でした。ワクチンの副作用に関する情報、新型コロナウイルスに感染した後の症状(long COVID, Neuro-COVID) に関する情報もまとめられています。専門書の位置づけですが、一般の方にとっても、比較的読みやすいのではと思います。最新情報を得るには、PubMed の総説を読めば良いのですが、母国語の書籍として知識がまとまっていることも重要です。オススメの書籍です。 新型コロナウイルス感染症の一件について(思ったこと)

          【書籍】COVID-19神経ハンドブック 急性期,後遺症からワクチン副反応まで